ユキとジュウゴ。
人間の寿命は軽く越えているはずの彼等にも確かに死は存在した。本作品は無限の生命を持つ彼等の運命の謎を記す物語である。
「ただいまぁ~♪」我が家へと帰宅したユキをジュウゴが迎え入れた。「・・・お帰り、ユキ。無事で何よりだ。F様にはもう挨拶がてらの報告をしたか?」大きな手で撫でられて我が家に戻ってきた実感と共にVサインで満面の笑みを浮かべた。「テル兄には明日報告するよ。…絶対怒られそうだし、ジュウゴを盾にしようなって♪」舌をちろりと出して悪戯な笑みを浮かべれば、ジュウゴはもう笑うしかなかった。
「…まぁ、それが許されるのはユキかT様ぐらいだな。」強めに撫でられて痛いけれども愛情がこもるためユキも怒りはしなかった。寧ろ、命の限界を宣告された少年には誉れとも感じられたからだ。「ふふん♪まぁね?」偉そうに宣う少年を観て、ジュウゴは笑うことでしか返せなかった。皆がユキに向ける感情の根底は庇護欲で、ジュウゴはそれをFから聞かされて知っていた。Fは誰にでも厳しく、自身にも等しく律する男である。故に、そのカリスマ性に皆が心酔して従う。自分達後続が彼等五人と出会い数多の危機を乗り越えてどれ程経とうとも、彼が心から笑う顔を観た者はいない。
その彼もユキの事だけは判断が甘い。おそらく、T様の能力を幼いながらに持つからだ。そこには我らの使命の根幹の因果が関わるからかもしれない。しかし、それは今考察すべきことではない。
ーーー「ジュウゴ!ご飯、ご飯♪」「…うむ。そうしよう。」君の魂を決して悲しませないように、今はただ、この力でサポートしたいと思う。ジュウゴは彼を見つめ何度目かの決意をそう心で誓うのだった。ーーー
聖命使と聖護使…その名の根底の因果は根深い。




