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裏切って何が悪い!  作者: Shota
第1章 修行しても意味ないじゃん編
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第5話 無能と呼ばれて

「虚無よりいでし業火の化身終焉を運びし汝が真名を持ちて槍炎と化せっっ!!第二階梯魔法”槍炎”」


「天雷踊りて花と化す迅雷が如し刹那の瞬き天地を裂きて雷雨と化せっっ!!第三階梯魔法”天雷花”」


「深淵覗きし我が眼闇に飲まれし今宵の宴漆黒に咲く黒薔薇は汝を牢獄へと拘束するっ!第三階梯魔法”黒怨牢”」

ピシッッ!!ズガガガガッッ!!ドカーーーン!!!


「うぉぉぉーーーー!!すげぇぇぇーーー!!なんだよ今のっ!!」


第一訓練場の真ん中からそんな声が聞こえてきた。

声の方に視線を向けるとそこには大きなクレーターがいくつもできていた。

もちろん俺がやったわけではない。

そう、これ全部緋山達一行の仕業だ。

俺たちは今、世界騎士白竜連合ワールドホワイトドラゴンナイツ騎士団長ダスト・グレイスさんに連れられて第一訓練場に来ていた。

団長曰く俺たちには力はあるがそれをうまく使いこなすには訓練が必要なのだそうだ。

なのでここ最近は王国四師団による訓練を受けている。

王国四師団とはいわゆる王国お抱えの専属冒険者ギルドのことだ。

普通のギルドはギルドマスターとギルドメンバーからなるギルド組織、ギルド本部に申請し毎月一定額のユルドを納付すればよいだけなのだが、王国四師団は王国お抱えとあってユルドの納付義務などは一切ない。

その代わりに国からの依頼を率先して受けるように努めなければならない。あくまでも努力義務なので絶対ではない。他にも国同士の戦争だとかにも参加したりする。

そしてこの王国四師団はギルド序列上位4位までがなることができるのである。

実際100万以上ものギルドの頂点に君臨する四ギルドだ強さにおいては折り紙付きだ。

そして今その最強ギルドのメンバーたちによる戦闘訓練の指導の真っ最中だった。


まずギルド序列第四位、回復専門のギルド”聖母の加護師団”、第三位、魔法専門のギルド”法典の託宣師団”、第二位、暗殺専門のギルド”闇夜のカラス師団”、そして第一位、戦闘専門の武闘派ギルド”餓狼の民師団”

各ギルドの特性を生かした訓練だった。

クラスのみんなも王国四師団の訓練ともなるとやる気を出して頑張っていた。


一方そのころ俺こと黒川誠はというと訓練場の隅で木でできた訓練用の人形相手にこれまた訓練用の木剣を振っていた。みんなは真剣、俺は木剣なぜかって思うよね・・・

・・・その理由は能力鑑定の時間までさかのぼること3日前・・・



「さぁ、あなたが最後です。この水晶に手をかざしてください。」

王国第一王女ララフィネア・ローランドは興奮をあらわにしそう言った。

そして俺は今にも爆発しそうな期待と興奮を必死に抑え込みながら言われるがまま水晶に手をかざした。

そして・・・

今まで興奮で上気していた王女の顔が一瞬で冷めてしまったかと思えば今度はごみでも見るような、それこそ汚物のような汚いものを見るような目に変わった。

そしてそのまま王女はクラスのみんなを連れて部屋を出て行ってしまった。

俺は一瞬何が起こったかわからずそのまま虚空を眺めて立ち尽くしていた。

そして思考が追いつくや否や急いで王女のもとに走り自身のステータスを教えてもらうように頼み込んだ。

「あのっ!ララ王女・・・お、俺のステータスを教えてください。」

俺は何故自分だけがステータスプレートを貰えなかったのか疑問に思いながらもララ王女にみんなと同じようにステータスの提示とステータスプレートの譲渡を申し出た。

それに対しララ王女はそれはそれはたいそう辛辣なお言葉で返してきた。

「黙りなさいこの無能が、気安くファーストネームで呼ばないでくださる?ステータスプレートなら、はいこれ。まぁ~あなたにはあってもなくても一緒だと思うけど。」

そう言って一枚のプレートをこちらに投げてきた。

俺は何故ララ王女が俺だけにこんなにもきつくあたるのかがわからなかった。

クラスのみんなは何故かクスクス笑っている。小鳥先生だけはとても気の毒そうな顔で俺を見ていた。

そして俺は自身のステータスプレートを見てその意味を理解する。


―ステータスプレート―

名前:黒川 誠

年齢:16歳

種族:人間ヒューマン

生命力:10 精神力:5 攻撃力:10 防御力:10 敏捷性:20 運:-10万

適正魔法:なし

特異能力:なし

固有能力:なし


「ん?なんだこれ?あっ、そっか多分見間違いだ。うん、きっとそうだ見間違いに違いない。」

俺は一度目をこすって・・・念のためステータスプレートもきれいに拭いて・・・


さぁー来いっ!!


―ステータスプレート―

名前:黒川 誠

年齢:16歳

種族:人間ヒューマン

生命力:10 精神力:5 攻撃力:10 防御力:10 敏捷性:20 運:-100万

適正魔法:なし

特異能力:なし

固有能力:なし


「・・・終わった・・・」

俺は目から頬にかけて伝い落ちる汗とともにその場に倒れこみそのまま深い闇へと意識は掻き消えた・・・


―――――――――――そして・・・


バッ!!!

「きゃ!」


え?\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

と、冗談はさて置き俺はベットの上で寝かされていた。それより今何時だ?みんなは?確か俺はあの後自分ステータスプレートを見てそのひどさにショックを受けてそのまま気絶して・・・それからえーっと、どうなったんだ。


「あ、あのっ!」

「ほわっ!?」


いきなり声をかけられて俺は素っ頓狂な声をあげてしまった。


「あ、あの。驚かせてしまったのなら申し訳ございませんご主人様。」


声のする方を見てみるとそこにはメイド服に身を包んだ獣人族の少女が立っていた。


君は誰?と言うかご主人様って誰の事?もしかして俺?

は?え?なに?何が何だか訳が分からない。


俺、この先どうなるんだろ・・・

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