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第0話 プロローグ
これはある男と魔王の裏切りという名の物語、裏切り裏切られそしてまた裏切り全てを捨て全てを手に入れた男の物語．．．
「で、最後に言い残したことは？」
俺は無表情で目の前にいる勇者とその仲間たちに問うた。
「お、お願いします。助けてください。許してください。殺さないでください。」
勇者は涙ながらに、その顔をクシャクシャに歪ませて命乞いをした。
けれども俺はそれを可哀想などと思う感情は微塵もなかった。
むしろ俺の愛する魔王を傷つけた奴らだ殺しても殺したりない。
そんな中俺は勇者どもに残酷な選択を与えた。
そんな俺を魔王は恍惚とした表情で見ていた。
そして勇者パーティーの中にこの俺にすべてを捧げすべてを支配されたいと願う女もいた。
けれども今この状況でそれを感じ取れるような者は彼女以外いないだろう。
そして俺は全てを手に入れる為に、すべてを捨てそして裏切る覚悟を決めた瞬間だった。
故に今ここに誕生する。 裏切りという名の十字架を背負いし男、黒川誠が。
