自由の代償と束縛 6
宮殿についた私を待っていたのはファーネスを筆頭とした精鋭部隊と思われる弓兵部隊だった。もし、昨日話した事がすべて嘘であったなら、私はまんまとここに誘き出されたことになる。
「よく来たな。では、最終試験を始めようか?」
このおっさんは里のことよりも娘の事で頭が一杯なのだろう。私を撃退することより、試験官的な立場の物言いだ。ファーストがこの場にいたなら確実に踏まれる言動だろう。
「試験はそっちで勝手に判定してくれ。それよりも、ファウナはそこにいるんだよな?」
「ああ、いる。但し、会わせる気はない。」
「またまたご冗談を。ファーネスさんも思うところがあるから昨日あんな話をして、今日ここに俺が向かうようにしたんでしょ?」
「さて、どうだかな? 何れにせよ、ワシを倒せなければ、話はそこまでだ。」
「じゃあ、やりましょうか・・・と、その前に。」
私は大きく息を吸って、言葉を吐き出す。
「ファウナ!! 聞こえているか? これから、お前の親父さんを含んだ「敵」を排除する。俺を援護して一緒に戦え。これは命令だ。」
しかし、何処からも反応はない。
「満足かな?」
「ああ、悪かったな娘さんを呼び捨てにして。」
「構わんよ。元々許すつもりなんてないからな。」
「そうですか、ではこちらも遠慮なく。」
「「いざ。」」
ファーネスと私の掛け声が重なり、戦いが開始する。一瞬で宮殿前広場には矢の雨が降り注ぐ。私は動きの速度を上げ、敵部隊に突撃する。
正直、私のスピードは彼らにとって相性が悪い。と、言うか、いくら誘導機能が付いているからと言っても、真正面から戦っては弓矢の利点は限り無くないだろう。
結果、彼らの矢は私にひとつの傷を負わすことなく決着がつく。
私は部隊の中心に潜り込み、片っ端から兵士を吹き飛ばしていく。懐に潜り込まれた弓兵士は脆い。
ファーネス以外の全ての兵士を吹き飛ばして、ゆっくりと彼に近づく。ファーネスもこれ以上は抵抗する気はないようだ。
しかし、そこに、物凄い勢いの矢が飛んでくる。
「戦士長、弓を構えなさい、『敵』は目に前にいます。」
矢を放ち、私を『敵』と断言したのはファウナだった。
「こらこら、どっちの味方してんだファウナは。」
「突撃!!」
私の質問には一切答えず戦いの指示を出す。指示に従いファーストを先頭にした大きな盾を持った部隊が向かってくる。
「ファウナ。それがお前が出した答えか?」
しかし、返事はない。
盾を持った部隊は攻撃してくる気配はなく、私を取り囲むだけのようである。私を完全に盾部隊が包囲し終わると、そこに矢の雨が再び降り注ぐ。
なるほど利にかなった攻撃だ。逃げ道を塞ぐ上に誘導した矢による味方への誤爆が盾により限り無くゼロになる。
が、それだけだ。
私は盾を1つ奪い取ると、防御に使用するのではなく、全ての矢を打ち落とすことに使用した。
「ファウナ。もう一度聞く。これが答えか?」
暫くの沈黙の後。
「そうです。」
ファウナの口から言葉が返ってくる。
「今まで、お世話になりました。これからは別々の道を進まさせて頂きますが、ご・・・ゼロ様たちへの感謝は忘れません。」
惜別の言葉が続く。
「そうか。」
始めからわかっていたことだ。ショックはない。
但し・・・。
「断る!!」




