エープリール企画?】トッコが〇〇〇になっちゃった まさかの5話目
変なゴーグルを着けて、ヒヨリと競争する事に成っちゃいました。
ただですね、今までの様に4本足ではなく、何と人間の頃の様に2本足で走るんです! そもそも、今の姿が人間の姿にお馬さんの耳と尻尾を付けたような姿です。
いったい何が起きているのか全然わかりませんよ? 2本足で走るとすると、右手前とか左手前とかはどうなるのでしょうか?
4本足で走る時には当たり前ですが右回りや左回りで手前を変えるんです。そうしないと外に膨らんじゃいますからね? でも、2本足で走る場合には関係なくなっちゃいます。
「ほら! べレディー、集中だよ、集中!」
耳元で鈴村さんの声が聞こえますが、それは良いとして問題は競争ですね。一人で走るのなら左程気にしないんですが、ヒヨリと走るとなると話が変わってきます。
「姉の威厳がピンチなのです!」
「キュフフフン」
隣で何やらヒヨリが気合を入れています。足元の砂を搔いて後ろへと跳ね上げています。
「ヒヨリ? 練習だからそんなに気合入れなくて良いのですよ?」
「キュヒヒヒン」
何とかヒヨリを宥めようとするのですが、残念ながら気合十分みたいです。
「ほら、行くよ!」
「キュヒン」
鈴村さんの声に合わせて、何か首をクイックイって引っ張られる感じがあります。何とも言えない初めての感覚に戸惑っていると、ヒヨリが走るように促してきました。
「ヒヨリ、先に走ってもらって良い?」
私にとっては初めての競争なので、まずはヒヨリの後ろから観察しないと?
「キュフン」
ヒヨリが返事を返してくれて、ゆっくりと走り始めました。私はヒヨリの後ろから追いかけるような感じで走り始めます。
「あ~~、べレディー、もう。最後の直線はしっかり追い込むんだよ!」
耳元で鈴村さんの声が聞こえます。ただ、私は何となくな感じでヒヨリの後ろを走っています。
砂で足首まで埋まるので、何時も以上に走りにくいですねぇ。2本足ってこんなに走りにくかったんですねぇ。
足元の感覚を確かめながら走るんですが、何となくズボッ、ズボッって音が聞こえそう?
ただ、良い点もあってですね。前を走るヒヨリの斜め後ろに位置取りをしているんですが、跳ね上げられる砂の量が少ないので余り気になりません。2本足だと其処まで蹴り上げ出来ないですもんね?
よく考えたらゴーグルを着けていますし、気にならなくて当たり前かな?
そんな感じでヒヨリの後ろを何とか追走できています。まだヒヨリも余力十分な感じですが、それでも自分が2本足で此処まで走れることにちょっと感動です。
人間の時ってどうだったのでしょう? 殆ど記憶にないので比較になりませんけど、若しかするとアスリートとかだったんでしょうか? そうでなければ此れだけ速く走れないかも?
うん、我ながら凄い速さの気がしますよ。
そんな事を思いながら、右に緩やかにカーブしているコーナーへと差し掛かりました。
クイッ、クイッ
うん? 何でしょう? 何か指示が飛んできたような?
首元を何か引っ張られるような感じがします。
「ちょっと! べレディー、いつものスパートだよ!」
何と! 今のがスパートの合図だったみたいです。ただですね、別に今みたいに声に出して言えば良いような?
何とも言えない気持ちで前を走るヒヨリに並びかけようとしますが、そんな私に気が付いたヒヨリもスパートしたみたいです。
うにゅ~~~、ヒヨリに追いつけません!
並びかけようとするんですが、同じくらいに足を速めます! 離されはしないのですが、横に並ぶ事すら出来ないんです。
これが夢なのだとしたら、それこそジェット噴射とかで一気に加速しても良いと思いますよ。ただ、そのジェット噴射が何処から出るかと言われると、中々に乙女の危機な気がするので駄目かも。
とにかく、姉の威厳の為にもせめて並びかけないと? やはり姉としては妹に負けていられませんよね?
そんな事を考えている内に、最後のコーナーを回りきって直線に入りました。
私は勢いのまま若干膨らんで直線に入ります。そして、ヒヨリの外側から追い抜きに入ろうとするんですが、ヒヨリはヒヨリでしっかりと加速しました。
むぅぅ、こうなったらタンポポチャさん走りでって、あれ? タンポポチャさん走りってどうやれば良いの? 2本足でシャカシャカすれば良いのでしょうか? あれ? あれ?
「べレディー、最後のスパートだよ! 一気に行くからね!」
そんな事を思っていたら、鈴村さんから指示が飛んできます。
ん? スパートしてますよ? でも、良く解らないですよ?
そんな事を思っていたら、何と言えば良いのでしょう? 体全体が熱くなると言いますか、何とも言えない力がみなぎる? うん、良く解らない感覚が。
「えっと、えっと?」
私が戸惑っていると、ヒヨリの全身から何か良く解らない青い色の何かが、ブワ~~って感じで立ちのぼりました。ほら、良く漫画とかでありますよね!
「え? 何あれ! なんなの! え? え?」
私が呆然としている間に、ヒヨリは今まで以上の勢いで走って行っちゃいました。
「あちゃあ。べレディー、どうしたの? 何かあったの? ブーストだよ! 力が漲ったよね?」
先程から耳元で鈴村さんの声が響いていますが、それ処じゃ無いと思うんです。
丁度鈴村さんのいる台の傍に居た事もあって、私は鈴村さんの傍へと駆け寄りました。
「あのね、ブワッってなったの! 何か良く解らないのがブワッってなったの!」
「べレディー、どうしたの? 何か怖い事あった? ヒヨリに続いてラストスパートしないとだよ?」
鈴村さんは、興奮している私の頭をトントンと叩きながら話しかけて来ますが、それどころじゃ無いんです。
「アニメ? 漫画? 有り得ないの! ブワッだよ? ブワッ!」
「駄目だ。べレディーが何を言いたいのかが判らない」
「そうだなあ。走る前から心此処にあらずって感じだったし、何か他の事に気を取られた感じか」
横にいた調教師のおじさん達が何か言っています。でも、私は鈴村さんに今の変な現象を必死に説明しました。
「いつものスパートボタンにも反応しなかったですし。機械の故障でしょうか?」
私の問いかけそっちのけで、鈴村さんと調教師のおじさんは私のゴーグルを外しました。
そして、何やら話しながらゴーグルを弄り始めています。
でもですね、ブワッってなったんですよ? 思いっきり見えたんですよ? 常識じゃ有り得無いんですよ!
「キュヒヒヒン」
必死に身振り手振りでブワッを説明しようとしていると、背後からヒヨリがやってきて頭を擦り付けて来ました。
「ヒヨリ! ねえ、さっきのなあに? 何かブワッってなってたよ!」
「キュフフフフン」
ヒヨリに説明を求めるのですが、残念ながら何を言っているのかが判りません。でも、お馬さんからブワッって、絶対にありえないですよね? 漫画じゃないんですから!
私は困惑しながらも、ヒヨリの体をぺちぺちして、異常が無いのか確認するのでした。
まさかのエイプリール規格 5話目です!
期待されていないかもですが、何か行事化しちゃってる気が?
楽しんで頂ければ幸いです




