審査
日本異世界ゲート研究開発機構
某会議室
ここには8名の人物たちが最終試験に向けての人事選考を行っていた。
「やはり正君は外せませんね。」
ライオンのように髪の毛がフサフサの人がそう話す。
彼はこの試験の最高責任者であった。いわゆる人事担当という奴で数々の異世界渡航者を見出してきた人物でもある。
この人物は幼いころの誠と優を知っており彼らがともに異世界渡航者になることを心底夢見た人物の一人でもあった。
「そうですね………して誰を落としますか。」
超ロングヘア―男が話す。彼は日本異世界ゲート研究開発機構の理事長を務めている人物だった。
何故この髪型が社会人で許されるのかは謎だが普通の会社で無いことも踏まえると納得はできるかもしれない。
「私は誰を落とすかと言われると間違いなく鎌田 誠君、彼を落とします。」
薄い髪形のまるで人をにらみつけるかのような眼光をした人物がそう話した。
この時フサフサ髪の人がその発言にひやりと汗を流した。
彼は広報担当の幹部でそれなりの発言力を持っていたことも相まってそれなりの影響力を持つのだ。その彼が言うのだからもしかしたら彼の広報において都合の悪いことがあるのかも知れないと思われた。故にひやりと汗を流した。
「何故?彼はほとんどの身体能力試験でトップを誇っていたはずです。勉強もあの中では中の上ほどと悪くはなかったではありませんか?」
「私は彼のことを調べました。彼はここに来る以前の会社で協力会社の社長に向かってドロップキックをして首になっています。」
「「「!」」」
全員に戦慄が走った。
「失礼ですが玖珠男さん、私もそのことについて調べましたが彼がドロップキックをした社長は平気で家族のことを悪く言う人物だったようですよ。そのような人物の悪口を日々聞かされていれば誰だって精神病になる可能性だってあります。今回の面接で彼は正常だった。つまりは彼は自分を守るために行った行為であり、正当防衛が成り立つのですよ。」
理事長が長々と話していた。このXXX年では精神病にかかるような苦痛的行為をされた場合背う正当防衛行為として成り立つ社会なのである。会社が事件沙汰にしたくないがために今回のことは身内の中で処理する形となったが今回の試験で残った人物のうち数人は理事長が個人で探偵を雇い本当に異世界渡航者にしていい者か調べられていた。
「それに彼は異世界渡航者にして実の弟のことを馬鹿にされたから怒れたのですよ。家族を馬鹿にされて怒らなくていいのは虐待された人物か離れて暮らしていた者くらいのことでしょうにそれに過去にも同じようなことで指摘されこそしましたが通った異世界渡航者も居ます。前例があるのですから私個人としては彼を押します。」
「私も理事長に賛成です。」
フサフサ髪の人も賛同した。
「しかし、前例があるからと言って暴力は。」
それでも食い下がるにらみつけ広報担当。
コンコン
「すみませんアメリカのニュースで誠さんが!」
誠の採用の決め手となる優の仕組んだニュースが日本異世界ゲート研究開発機構に届いた。




