合体
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頭のてっぺんから指先まで黄マロを馴染ませシンクロさせていく。体の内側から触られているような変な感覚。
≪もっと、私の事ちゃんと感じて!≫
「これ以上は無理だろ。」
≪まだだよ、私の胸と君の胸がシンクロしてないよ!下半身も!≫
「それは男と女だからだろ。どうすりゃいいんだよ。中からぺたぺたするなよ!」
≪ちゃんと一つにならないとダメなの!言っとくけど私も恥ずかしいんだからね。私の全てを受け入れて、そして君は私に全てを託して。≫
「・・分かったよ。」
う~なんだこのなんとも言えない感覚。俺では無い心臓の音がドクドクといっている。それだけではない。体のラインから髪の毛まで手に取るように分かる。
「・・・これでいいのか?」
≪うん!≫
すると異物感が徐々に和らいでいき、エネルギーが溢れてきた。心臓が脈を打つたびに、その波に乗ってジンジンと体が火照る。
しかし、それと同時に冷や汗が止まらない。ツーっと背筋を流れ落ちていく。踏ん張っていないと意識が飛びそうだ。
≪大丈夫?2回目からは合体の時の苦痛もほとんど無くなるからさ。≫
「なんだよそれ・・・」
俺は女の子かよ・・・・しかも初めての瞬間をみんなに見られて・・公開プレイなんてレベルが高すぎるよ。恥かしいじゃないか。まあご褒美でもあるんだが。
ふう~ふう~
「早くしてくれ、1分しかないんだろ?」
≪うん、じゃあ魔力を練ってから手を伸ばして。私が魔法を唱えるから、そしたら君はそれを体の外に放出して。≫
「ああ。」
≪行くよ!光魔法、再生!!≫
その瞬間、目の前の虹色に輝く大きな石が光に包まれた。小さなひび割れから少しずつ修復していくのが目に見えて分かる。
「よし!」
「ツバサ様頑張ってください!」
しかし・・・ものすごい勢いで魔力が削られていく。名前からしてやばそうな魔法だが、、、、おそらくかなりの上級魔法なのだろう。明らかに今の俺のキャパを超えた魔法だ。
≪そのまま魔力を出し続けて!≫
そう言われても体に力が入らなくなってきた。頭もクラクラする。
「あああああぁぁぁぁ」
これ以上は本当にマズイ。黄色信号から赤信号に入っている。こんなに力を出したことなど無い、これから先は未知の領域だ。
「まだか!?」
≪あと中心の大きな亀裂だけだよ!≫
・・・そんなにもたない。
「!?」
なんだ!?
必死に食らいついていると黄マロとは別の何かが体の中に入ってきた。少しだけ体が楽になった?・・・がしかし、余計なことを考えている余裕はない。もし今俺が倒れたら次はいつになるのか分からないのだ。つまり成功させる以外に道は無い。
「うおおおおぉぉぉ!」
・・・
・・・
ハア、ハア
≪終わったよ!!≫
「・・・そうか・・・それは・・よかっ・・・」
魔法が完了した頃には全身が悲鳴を上げ、立っていることすら出来なくなった。そしてそのまま意識を失った。
♢
気が付くと何か柔らかい物の上で横になっていた。頭に伝わるこの感触、これは前にも経験したことがある。確かトリンドル王国の№1受付嬢ことクレアさんにしてもらったアレだ。この何とも言えない弾力にしっとりとしたお肌。太ももで膝枕をされている。
これはチャンスとばかりに寝返りを打とうとした。しかし力が入らず指先がわずかに動いただけだった。おまけに全身に鋭い痛みが走る。
俺の体に何が起こっているんだ?
恐る恐る薄目を開けてみる。うむ予想通り姫様の脚がある。段差のあるところに座っているらしく膝が目の前にある。間違いなく膝枕をされているが・・・ぐむむむ。なぜこっち向きなんだ。反対向きにしてくれ!
「どうやら目が覚めたようじゃな。」
チッばれたか。偶然を装って思う存分クンクンする目論見が失敗した。赤マロはもう少し空気を読んでほしい。カードの中でバカンスでもしてろよ。まったく。
「・・ああ。どうなったんだ?」
「安心せい。」
「ありがとー!君のおかげで虹の国も元に戻りそうだよ!」
「ツバサ様本当にありがとうございます。」
黄マロと姫様がお礼を言ってきた。
「そっか・・それなら良かった。」
ん?
なんだか上半身がスースーする。違和感を感じ目線を自分の体に向けるとよく分からないことになっていた。
「ところでなんで俺の上の服が、はだけているんだ?」
「そ、それは///ツバサ様の胸が何やら光っていたので確認しなければとみんなで・・・ひんむいたんです。」
うん?胸が光る?そういえばこの世界に転移して、初めてカードに触れた時もそんなことがあったような気がするが・・・まさか・・いやいや左胸のアザが刺青になったとか言わないよな。
「もしかしてアザの形が変わってますか?」
「はい。もともとどこかで見たことがあるなと思っていましたが、完全にエルフの国の紋章と同じ形に変化しています。」
「・・・マジか。」
1つならまだしも2つも刺青っぽいのがあったらもう言い逃れできないじゃん。日本に帰れても海水浴に行けなくなってしまった。
「ほう、エルフの小娘。アザから紋章への変化が分かるということは、お主たちはすでに裸を見せ合った仲だと宣言したということか。」
「キャーーー!お姫様なかなかやる~!イヤンイヤン///」
赤マロと黄マロが、意地の悪い顔をしながらソフィアさんをイジル。
「違います!水着を着て一緒に温泉に入っただけです!」
姫様は顔を真っ赤にさせながら否定するが、その反応では余計にイジワルしたくなるだけだろう。
「ムキになるところが増々怪しいのう。」
「そうですねお姉さま。あ、というかごめんね。私彼の中に入って合体しちゃったわ。もう彼の体のことならなんでも分かるの。良かったかしら?うふふふふ。」
オイオイ、変な言い方するんじゃないよ、まったく。
「そ、それは仕方ないですから・・・///」
「イヤン、かわいい~。」
「はいはいはい、ソフィアさん、赤マロと黄マロなんて相手にしなくていいですから。それより俺のアザは黄マロと合体したから変化したのか?」
「え?いやそんな事は無いと思うけど。」
ということは・・・合体の途中で何かが入ってきたと感じたアレだろうか。
まあいいか。どうせ今は体が動かなくて確認のしようもない。そんなことよりもこれからのことを考えなければならない。
「しばらくしたら動けるようになるよな?」
「そうじゃな。だが仮に動けるようになっても、しばらく、おぬしは絶対安静が必要じゃ。世界樹の木の中のモンスターもいなくなったことじゃし、魔力が回復したら、おぬしはカードの世界にでも入っておれ。」
「・・・そうか。モンスターもいなくなったのか。」
それならば俺が居なくても、ソフィアさんとロマン達で問題無く帰ることが出来るのか。
「分かった。じゃあソフィアさん、すいませんがあとはよろしくお願いします。」
♢
それから数時間後、翼はやっとこさの思いでマスターカードに帰還するだけの魔力を溜めて、カードの世界に倒れ込んだ。そして深い眠りについた。姫様とロマン一行はそれを見届けてから、城に向けて出発したのだった。
しかし、この時俺達はまだ、国であんなことが起きるなんて思いもしなかった。
ブックマークありがとうございます!力になります。
なんとか今日仕上げました。やはり2作同時に更新するのはきついですね。とりあえず次回は28日を予定していますが・・・グフ




