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先生

「いやいやいや、おかえちゃんはここにいるわよ!?」

 夜宙はそう言うと、おかえさんを前に出す。うむ、確かにおかえさんで間違いない。

「じゃあこの書置きはなんだ‼」

 そう言って聖夜はその紙を机の上に置く。

『そなたらの仲間の女子、1人さらったり』

「ばりっばりの現代カナ文字で書かれているこのよく分からないやつはなんなんだよ!いたずらにしても悪質すぎるぜ」

 いたずら、という単語にみせかが少し動揺する。……聖夜がそれを見ていないわけがない。

「おーいみせかさんよぉ。あーんなことをしでかしたお前なら、少しはこのいたずらの収支が分かるんじゃねぇのか?」

「―がたっ― ぶっこりょしゅ‼‼‼」

「まてみせかおちつけおちつけ!!」

 何故こんなにみせかがあらぶっているのかというと。

 それは昨日の夜にさかのぼる。



「おかえの様子が心配だから、見に行くか」

「……賛成」

 聖夜がこう言うのはちゃんと理由がある。それは、さっき起こったたことに関係している。

「もう一度聞くがへいじ、俺らが食卓に着くまでは毒の反応はなかったんだな?」

「ああ、確かに」

 これは僕らがお偉いさんに捕まった後の話で、そしていろいろ考えた後の話だ。

「よし、やっぱり心配だから、様子見に行くぞ」

 聖夜はそう言うと、鍵を持って部屋の外に出ようとした。

「あ、待ってにゃ。俺っちはもういっかい風呂に入りに行くから、俺っちが鍵貰うにゃ」

「……俺は残る」

 そう言う零を見ると、手元には原稿用紙が散らばっていた。締切が閉め切っているらしい。

「じゃあ鍵置いて行くぜ。ケンはついてくるだろ?」

「もちろん」

 そう言って、僕は聖夜と一緒に部屋の外に出たのだった。


 一方その頃。

 ケンと聖夜が向かう女子の部屋では、悪魔のようなゲームが行われていた。

 いや、実際悪魔だった。


 要するに脱衣麻雀だ。


 そんな事も知らずに、聖夜はその部屋のインターホンを鳴らす。

 夜宙やおかえはそのゲームでみせかの事を泣かせていた。


 結果。


 情緒不安定な、7月7日生まれの、ちなみに小説家の、上から82―53―72のその無垢な体はリア充で生徒会長なゲーマーと、平凡なモブに見られたのだった。

 回想乙。




「へいじー、なーんかさー、ひとのきおくとかさー、あやつれへんのかいなー。そういうのあるんやないのー」

「ブラックみせかだ‼あまりの事態にブラックみせかが出てきたぞ‼」

 そう言う僕は、この状況を少し楽しんでいるのか、ややはしゃぎぎみだ。

「まぁ二人ともいったん落ち着いてよ」

「あるにゃ」

「へぇぇいぃぃぃじぃぃぃいい!!」

「質問に答えただけにゃー!ちょ、えりをつかむにゃ!」

「答えていい質問と答えちゃ悪い質問ってものが、あるでしょー!?」

「今のケンは世界一だにゃ」

 もうこの場はめちゃくちゃだった。



「そろそろ真面目に考えて欲しい」

 めちゃめちゃになった場を鎮めたのは、以外にもおかえさんだった。

「多分、本当に誰かがさらわれてて、そしてそれは私に関係していることだと思うんです。だから」

「もちろん助けるつもりだ。いろいろとふざけたのはすまんかった」

 聖夜は素直に詫びを入れると、これからの事を考えた。

「とりあえず、この書置きの示す所に行ってみるか?」

 そう、この書置きには実は文だけではなく、地図みたいな何かも乗っていたのだ。それにはある所にバツ印があり、そしてそこに矢印がひかれて、『ここにいます』と書かれていた。

「とにかくこの書置きは罠の匂いしかしないが、罠はワナと分かっていたら、何か来るってことに対策をできる。とにもかくにも、この地図の所に行って見よう」

 僕らは聖夜のその提案に従った。



 ついた所は店の裏路地だ。

「やっぱ罠じゃね?」

 聖夜がそう言うのにはわけがある。単純なことだ、女の子の姿がどこにも見当たらない。

「……なにかくる」

 ……あれ?零、いつからいたんだ?原稿は?

「そこにいるのは誰にゃ!いるのは分かってるにゃよ‼」

 多分いまのセリフは聖夜がいえばもっとかっこよかったはずだ。なんでへいじが言っちゃったかな……

 と、へいじがそう言ったことにより姿を現したその女性は、あまりにも意外な人だった。


『先生!?』


「はーい、皆さんのクラスの担任の、原井さんですよー」


せんせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!!!

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