事実は小説より奇なり
「ブイチューバーになったぁぁぁあああ!?!?!?」
「はい……」
「なんでそれを真っ先に言わない!いやそもそもなんで相談しない!」
「仰る通りです……」
「さらに引越しまで!!しかも俺を呼び寄せる始末!」
「いやーそれは、まぁ身バレとか」
「なるかアホ!!」
俺の編集者である千葉には引越した先に来てもらった。
「で、個人勢なんですか?」
「いや、もちろん企業だ」
「なっ……!!あんたねぇ……」
「しかもコレカランド!ドットniziライブ!!」
「企業って言ったらそこしかないでしょう。はぁ……」
ため息が多いな。そこまででもないだろ。
「いやこれでね?先生がちゃーんと小説を書いてくれていたなら文句は言いませんよ。でもねぇ……?」
「まっことに申し訳ございません!!」
下げた頭が上がらんねぇ!
「で?絵師さんは?」
「え?なに?ゆうて千葉さん興味津々じゃないですか」
「うぐ!……や、それはねぇ……これを機に……あのこやらあの子やらを書いた人と繋がるかもしれないと考えると……!」
うわぁ……ここら辺は編集者って感じだな……
「どうやら俺を書いてくれるのはこの九絵って人だらしい」
その名前を聞いた途端、千葉の顔から血の気が引いた。
「待って下さい!!え、まじですか!?」
「うおう……そんなに有名な人なの?」
「有名も何も……まぁ有名なのは確かですが……そうじゃなくて!実はですね……」
「早乙女先生。あなたの小説がラノベになって売り出されます」
「うおお!このタイミングで言うのかよ!!じゃあ俺の書いたいのパニは……!」
「上手く行けば、ですが!連載となります!!」
「どひぇえええええ!!!!」
成程、そんな大事な話、わざわざ俺の部屋にまで来て話す内容だな。
「単行本化ということで、話しておきたい話がありまして、それがイラストレーターさんの事です」
「なるほどね!こういう絵柄の人ですよーって教えにちょっと待てよ?ということはもしかして……」
「イラストレーター……九絵さんです……」
「うびょろぴぃぃいいいい!?!?!?」
何たる偶然!!いやほんとに偶然か!?
「仕組んでないだろうな!!」
「何もしてませんよ!!というか九絵さんに言ってくださいよ!案件2つも取るなって!」
「言えるかよ!!うわ、めっちゃお世話になるやんそしたら」
「だから焦ってるんですよ!!うわあもうどうしよう」
その事実はまさに。
小説より、遥かに奇妙な出来事だった。




