雑談
「おい!なんかうだうだやってたらもう次の元号決まっちまってるよ!」
「いやだなせいや、そんなわけうわ本当だよ!?令和だってよ!?」
「そういやけん、なんで最近あいつが全然小説を書かないか知っているか?」
「そういうせいやはしってるの?」
「もちろんだ」
ぜひ聞かせて欲しい。
「一言で言ってしまえば……そうだな、覚めたんだ」
「覚めた……?」
「これまで作者は訳の分からない根拠と熱い自信と絶対を信じた変な将来を元に小説を書いてきた。しかしもう高校三年生になりつつある」
おいそれ言っていいのか?
「大学行けるような頭なんかしてねぇだろうしそんな勉強面倒くさがってしない。じゃあ就職だなということで渾身の思いでラノベの賞に応募したが、見事に落選したことにより、より一層現実ってやつが見えてきてしまったんだ」
「そうなった時、俺は……俺の夢は……あやふやになってしまった」
「今まで抱えていた、絶対小説家になれるって訳の分からない根拠が薄くなった。ほんとうになれるのか?そう考えてしまった」
「じゃあ小説家になる夢を諦めるか?いやそれは違う。その夢まで諦めてしまったら、もう何も残らない。つまらない人生になる、そんなのは嫌だ」
「だから俺は大学に行く決心をした。してしまったんだ。大学に行くって決めてしまったから。いや、多分理由を探していたんだろう、なんだか納得してしまった」
「全然辛くなくなった。今書かなくてもいいんだって思うようになった。いつかなれる。大丈夫。大学でもっと学ぶんだから、きっと大丈夫」
「そう考えてしまった」
「……せいや?」
「はっ!すまん、けん。……あぁくっそ、記憶が薄い。また乗っ取られていたみたいだ。だが何を言ったかはわかる。だいいち俺が話そうとしていたことだしな」
そういうせいやの顔には不安があった。
自分たちの世界を、放り投げられるのではないか、という不安。
俺は俺。
どこまで行っても
ずっと俺。




