休話3
いやになる。
いやだ、いやだいやだいやだ。
私、三崎ぱちるは自分の才能のなさに嫌になっていた。
わたしの大の友達である阿堂みせかはわたしと同じくライトノベル作家を目指す女の子だ。
彼女は今、絶賛悩み中だ。いやはやうらやましい限りでございますよ。小説の事で悩めるとはなぁ~……いや私も悩んでいるんですけども。
彼女の悩みは、なぜ書けないか、だと言う。わたしはそれに適当にアドバイスをしているのだけれど、以外とこれが結構的を得ちゃってて困る。実はわたしは、思ったことを適当に言ってるだけなのだ。
友人へのアドバイスもちょこちょことやる私だが、やっぱり本腰を入れたいのは小説の方。みせかの様なとんでもなく面白い小説と言うのはかけないけど、それでも私にも書きたいものは一応ある。
じゃあなんで今こうしてベットの上でダラダラしているかって?
わたしは書こうとしないんだ。
そもそもの問題。面白いと思うものが書けないとか、萌えがわかんねぇとかそんな悩みじゃない。わたしはまず、小説を書こうとしないことが問題なのだ。
いやだ。
こんな自分は嫌だ。本当に嫌になる。
「……ねぇ、君は、なんで私が小説を書かないか分かるかい?」
部屋の隅っこにポツリと存在するそのぬいぐるみに話しかける私。クマとかペンギンじゃない、某ゲームの超有名な雑魚キャラのスライムのぬいぐるみだ。
ち、畜生、さびしいな。ぬいぐるみに話しかけるとか、もう末期じゃないか。いや、違う。何で小説を書かないかを私は知っているからだ。だからぬいぐるみに話しかけて、逃げたりするんだ。
答えを知っているんだ。
悩む必要もない。なぜ書こうとしないのか。その答えを私は見つけている。
面白いものを書けないから?違う。
スランプ的なもの?違う。
わたしの持つ武器と、私が伸ばそうとしている力が違っているとか、そんな理由じゃない。
何故か出来ないとか、そんな事でもない。
もっと単純な問題で、もっとひどい理由で、そして、なろう小説家が挫折する理由の大半だと思う理由。
めんどくさいからだ。
書くのがめんどくさい。パソコンに向かうのがめんどくさい。休日の昼間に小説をちょろっと書くことはあるけれど、それ以外なんてもっぱらだ。平日に小説を書くことなんてまずない。書かなきゃ、書いて賞に投稿しないと、挑戦しないと結果は残せない。
だが、書かない。書かない書かない書かない。
そのうち夜になって、何もせずにベットに入って、ああ書かなきゃ。書かないとなぁ。ああでも、眠くなっちゃうんだ。そうして眠っちゃって、また朝になるんだ。そしてまた何もしないで一日を何もしないで過ごす。
何もしない。何もしないで一日を過ごす。
なんでだろう、なんで一日を無駄にして、結局自分がやりたいことを出来ずに過去ばっかり後悔するんだろう。私は時々心配するんだ。
わたしの周りの人は一体何をしているのだろう。今、私たちは中学二年生の春を満喫している。それは周りの人もだろう。
何をやっているんだと、心配になるのだ。
わたしが今こうしてベットでごろごろと時間をつぶしている間にも、何か出来ることはきっとあるのだと思う。何かをすれば、私は、私の将来は必ず変わってくるのだと思う。
じゃあ何で変わろうとしないのか。
そう、めんどくさいからだ。
めんどくさい、何かをするのがめんどくさい、勉強するにも、運動するのも、自分のやりたいことをしようにも、変わろうとするのも、全部めんどくさい。
どうしようもない。本当にどうしようもない。変えたい。でも変えられない。なんでかって?
わたしの心が、もう諦めてちゃっているんだ。
ベットに横たわりながら、わたしのケータイのメールを開く。そこには落選を伝えるメールが確かに存在した。
わたしは頑張って書いた。頑張って頑張って書いた。のに、受からなかった。わたしの小説はみごとに、一次にもうからず、ただ滑っただけだった。
わたしの一番尊敬する作家様は、賞をとったにもかかわらず、それを投げ出しまた普通の女子高校生に戻るような子だ。
わたしがその姿を見て、どれだけうらやましがって、どれほど悔しく妬ましく思ったか。
もう……本当に嫌になってしまうな、こんな自分……
あきらめないで、必死で認められようとする女の子が夜宙。
諦めて、諦めたことによって前に進めた女の子がみせかだとしたら。
諦めた、完全に諦めて、俺らとおんなじになった女の子が三崎ぱちるだ。




