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そばにいたい。

~深瀬side~


ショッピングモールに着いた。

俺たちは行きながら今までの被害や対策など、いろんなことを話していた。

吉本さんは大体の経緯を理解してくれて、そのために何をすれば良いかを早くも考えてくれていた。

「やっぱり一番手っ取り早いのは榊原くん本人に自分の異変に気づいてもらうことだけど、そこまで簡単にはいかないよね。」

「まあな。それができたら苦労はしないさ。」

「そうだよねぇ……。でさ、ちょっと話そらしても良い?」

「あ?ああ。」

「深瀬くんって今まで親友がいなかったって本当?」



グサッッ!!!



い、痛い…………。

今のは思いっきり心臓に刺さった。

どうしよう。泣いても良い?


「ご、ごめん!別に変な意味じゃなくて、その、榊原くんのことをそう言ってたから、本当かなって……。」

「……………いや、友達はいたよ?と・も・だ・ちは。……いたけど親友がいなかったってだけで、決して独りなんかじゃ…………うぅぅ。」

「う、うん。分かったから!変なこと聞いてごめんね!で、聞きたいのはそれじゃなくて。」

「………?」

「あ、あの、じゃあ、今までに………その、……付き合ったことは?」

「へ?」

「あの、だから、つまり彼女いたことある?」



ズドッッッ!!!!



間違いない。今度こそ刺さった。て言うか貫通したんじゃねぇの?


「……………俺が彼女いたようなヤツに見える?」

「だから、そういうことじゃなくて…………。じゃあ、彼女はいないの?」

「まーな。」

「…………そっか。」

「?なんで?」

「いや、大した意味じゃ……あ!ノート売り場着いたよ。早速探そう!」

そう言うと吉本さんはダッシュで駆けて行った。

吉本さん足速いな……。じゃなくて、俺も探さないと。俺も吉本さんのあとを追った。


こちらを凝視していた存在にも気づかず。



結局俺はどれを選べば良いか分からなかったので、吉本さんに安くて利便性の良いものを選んでもらい、店を後にした。

「なんか、ありがとう。付き合ってくれて。」

「いいよ、別に。私も楽しかったし。」

「じゃあ、早速書いて行くか。」

「あっ、あの…………。」

「?」

「もし良かったら、その日記、時々見せてもらっても良い?」

「へ?」

「そうすれば榊原くんに何があったのかをもっと知ることが出来るだろうし…。それに………もっと、深瀬くんのそばにいたい。」

「…………え?」

「だから、その……………」






「私と付き合ってください!」





「…………………」




10秒ほど俺のまわりの時が止まった。

え?吉本さんは、つまり、俺のことが……………、え?いやいや、ちょ、マジで……………!!!?

固まって無言になった俺を見てどう受け取ったのか、吉本さんは続けた。

「あの、別に今すぐ返さなくても、また、近いうちに、返してくれれば…………。じゃ、じゃあね!!」

すぐに帰ろうとした彼女の腕を俺は無意識に掴んでいた。

「深瀬くん?」

「お、俺で良ければ……よろしくお願いします!!」

「…………!良いの?」

「う……うん!」

「…!ありがとう!」

吉本さんは今までで最高の笑顔を見せた。ああ、やっぱり可愛いな。



「あー、じゃあ、明日からよろしく。」

「うん。じゃあね。バイバイ!」

吉本さんを見送った後、俺も家に入ろうとした。


その時、


後ろから凍るような視線を感じた。慌てて振り向くと、そこにいたのは……









「やあ、深瀬くん。」
















~榊原side~


ねぇ深瀬くん、あの子は誰?


今日は委員会の仕事じゃなかったの?


なんであんな可愛くもない子に笑いかけるの?


僕にはあんな笑顔最近見せてくれないのに。


どうして?ねぇ、答えてよ。


やっと邪魔がなくなって1日ぶりに会えたのに。


なんでそんなに怯えた顔をするの?


前みたいにもっと一緒に笑おうよ。


ねぇ、お願いだよ………。

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