何かの気配……。
「あ、裕香ちゃん、おはよう! この前はジャージありがとう!」
「あ、茜、おはよ〜。」
何気ないいつもの日常だ。なのに私は何かを感じる。そう、それはテストの気配だ。
「茜? どうしたの? そんなぼーっとしちゃって。」
「あ、えっと〜、ほら、もうそろそろテストあるじゃん? 実は自信がなくて……。」
「なるほどね、じゃあ放課後一緒にお勉強しよっか。」
「うんっ!」
授業中、私はずっとノートに落書きを残してた。
「では、この問題を霧宮さん、答えてください。」
よくあるあてて欲しくない時だけあたるやつ。
「えっ!? えっと、えーっと……。」
すると裕香が小声で私に教えてくれた。
「ほら、ここの問題だよ。答えは4nだよ。」
「えっと、あ! 答えは4nです!」
「正解。じゃあ次の問題を……。」
乗り切った、なんとかなった……。隣を見ると、裕香がこっちを見てそっとグッドマークを手でした。
私は裕香に少し近づいて小声で「ありがとうっ。」と言った。
放課後
「さて、茜、どこの問題が分からないの?」
「えっと、ここだよ。どうして答えがこうなるか分からなくて……。」
「あ、それはね、少し難しいんだけど……。」
そう言いながら裕香は私に優しく教えてくれた、裕香のとても優しくほんわかした匂いが私に飛んできた。
「良い匂い……。」
思わず声が出てしまった。
「うん? 茜、どうしたの?」
「あ、いや、えっと、近くのパン屋さんのこと考えてたらお腹空いてきちゃってな〜って。」
「なるほど、じゃあ帰り一緒に行こ?」
「え!? でも、裕香ちゃんは忙しいと思うから……。」
「大丈夫!」
勉強会が終わった後帰り道にパン屋さんに寄った。
「さぁて、何食べようかな〜、茜の奢りでっ!」
「えぇ!? そんなの聞いてないよ〜!」
「ごめんごめん、冗談だよ(笑)」
「むぅ〜。」
「私が出すから好きなの食べな?」
「じゃあ遠慮なく! これと、あ、これも美味しそうなんだよね……。」
今更気づいた、裕香が私のパンと同じ種類のパンを全て選んでることを。私はあえて何も言わずにお会計をした。
「ねぇ、茜、あーんっ。」
「えぇ!? ちょっ……、あーんっ。」
とても美味しかった。裕香があーんしてくれたおかげだと感じた。そんなこんなでテストが終わりテスト返却の日、数学が赤点でとりあえず絶望した女の子と、もう一人、その子を慰める子がいたのであった……。




