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異世界で暗殺された最強賢者、現代日本で病死寸前のおじさんに転生する〜莫大な資産と最強魔法で現代でも異世界でも無双します~  作者: 天音天成
異世界復讐編・第1章:大賢者の帰還と、腐敗した英雄たち

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第8話:暴徒鎮圧と、明かされる大賢者の真実

「殺せ! そいつを殺せばあの忌々しい幻も消えるはずだ!! なにをしている、早く殺せェェェッ!!」


完全に理性を失い、発狂したザンクが、血走った目で俺を指差して絶叫した。

彼の命令を受け、金で買収されていた数十人のサクラの兵士たちと、演壇の裏に隠されていた3体の巨大な「魔導ゴーレム」が、地響きを立てて俺に襲いかかってくる。


「幻術士の首を落とせ!」

「ザンク様に逆らう愚か者め!」


『ゴォォォォォッ!!』


兵士たちの怒号とゴーレムの駆動音が広場に響き渡る。

怒り狂っていた群衆たちも、巨大な兵器の登場に悲鳴を上げて蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い始めた。


「言葉で論破され、動かぬ証拠を突きつけられたら、最後は暴力に訴える。……底が浅いですね。現代の『暴徒鎮圧』の手法をお教えしましょう」


俺は迫り来る兵士たちから目を逸らし、ただ指先を軽く弾いた。


「【広域電撃スタン・ショック】――出力調整、非致死スタンガンレベル」


バチィィィィンッ!!!!


俺の周囲を中心に、青白い放電のドームが半球状に展開された。

それは、相手を焼き殺すような高火力の雷魔法ではない。人間の神経系にピンポイントで作用し、筋肉を強制的に痙攣させて意識を刈り取る、現代のスタンガンの概念を広域魔法に昇華させたものだ。


「ガァッ……!?」

「アバババババッ!!」


襲いかかってきた兵士たちは、剣を振り下ろす間もなく電撃のドームに触れ、奇声を上げて白目を剥いた。そして、バタバタと音を立ててその場に倒れ伏し、泡を吹いて完全に沈黙した。

一人も殺してはいない。だが、彼らが目を覚ますのは数日後になるだろう。


「な、なんだと!? 私の精鋭たちが一瞬で……! ならばゴーレムだ! 私の最高傑作の魔導兵器で、その小賢しい幻術士をミンチにしてしまえ!!」


兵士たちを飛び越え、3メートルの巨体を持つ強固な鋼鉄のゴーレムたちが俺に迫る。

その丸太のような巨大な拳が、俺の頭上から容赦なく振り下ろされた。


「最高傑作? ……笑わせるな」


俺はポケットから右手を出し、ゴーレムの巨大な拳に向けて、人差し指を『一本』だけ突き出した。


ガギィィィンッ!!


広場に、凄まじい金属音が響き渡る。

数トンの破壊力を持つはずのゴーレムの拳は、俺の人差し指の先端に触れた瞬間、見えない分厚い壁に阻まれたようにピタリと停止した。


「……なっ!?」


「構造式がスカスカだ。関節部の魔力伝導率も最悪で、運動エネルギーのロスが30パーセントを超えている。こんな鉄クズを兵器と呼ぶとは、錬金術師の名が泣くぞ」


俺は指先に、ほんの一握りの魔力を込めた。


「【構造分解マテリアル・ブレイク】」


パキッ……という小さな音が鳴ったかと思うと、3体の強固な鋼鉄のゴーレムの表面に、無数の亀裂が走った。

そして次の瞬間、足元からサラサラと、まるで乾いた砂の城が崩れるように、ゴーレムたちは自壊し、ただの鉄粉の山へと変わってしまった。


「あ……あぁ……っ?」


自慢の兵士と、最高傑作の兵器。

自身を守る全ての武力を、文字通り「指一本」で無力化されたザンクは、完全に腰を抜かし、演壇の上にへたり込んだ。

彼の股間からは生温かい液体が広がり、高価なローブをシミだらけにしていた。


俺はゆっくりと演壇の階段を上り、ガタガタと震えるザンクの前に立った。

広場の群衆たちも、俺の圧倒的な力に畏怖し、声を発することすらできずに静まり返っている。


「ザンク。お前がなぜ、魔王討伐の旅で『錬金術師』として役目を果たせたか、教えてやろう」

「ヒッ……! くるな、くるなァ……!」


俺はザンクの耳元に顔を寄せ、誰にも聞こえない声で、低く囁いた。


「お前が調合する薬はいつも分量がデタラメで、副作用ばかりが強かった。だから俺が、見えないように『成分調整の補助魔法』を常にかけて中和していたんだよ。お前の才能など、最初から底が知れていた」


「な、なぜ……お前が、それを……」


ザンクの顔が、恐怖と混乱で引き攣る。

俺はさらに言葉を重ねた。


「お前が今日発表しようとした霊薬の理論も、俺が5年前に書き残した手記の『失敗作のページ』をそのまま丸写ししたものだ。……他人の研究資料レシピを盗んでドヤ顔をする泥棒には、お似合いの末路だ。……そうだろう?」


「え……?」


ザンクの瞳孔が限界まで見開かれた。

目の前の、26歳の見知らぬ若造。

だが、その見下すような冷酷な目つきと、圧倒的で理不尽な魔力の波長に、彼はようやく「ある人物」の姿を重ね合わせた。


「5年ぶりの再会だな、ザンク」


「け、賢、者……? ば、馬鹿な! お前はあの時、確かに背中から心臓を貫かれて……死んだはず……! ヒィィィィィッ!?」


死んだはずの大賢者が、姿を変えて復讐に現れた。

その絶対的な真実を理解したザンクは、絶望と恐怖のあまり白目を剥き、ついに正気を失ってその場に気絶した。


プライドを粉砕し、社会的地位を剥奪し、自身の無能さを突きつけて心を完全にへし折る。

俺の、一人目の裏切り者への復讐ざまぁが、ここに完了したのだった。

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