39・報告の内容…赤いドラゴンの所在…紋章…
久しぶりに青い王子様のドラゴン登場や♪
夕暮れ時のブライト王国の首都・ルクスの王城の王の執務室にて、闇月の捜索を行っていたエクレスが、王であるアルゲンに机越しに報告をしていた。
「成る程…ではその赤いドラゴンが、闇月を持ち去った可能性が高いという事か…?」
「確証はありませんが、可能性としては最も高いと思います…陛下…申し訳ありません…力及ばずに発見出来ずに…」
エクレスはアルゲンに報告すると同時に、任務を全う出来なかった事を謝罪する。
「…城の警備にも問題があったんだ…それに盗んだ盗賊達を拿捕しただけでも功績はある。気にする事はない」
アルゲンはエクレスを責めずにそう告げた。
「…ありがとうございます」
主君であるアルゲンからの寛大な措置に、エクレスは頭を下げて礼を告げた。
「エクレス中佐。報告はもう構わないから、任務に同行した部下の元へと行ってやれ。部下達もお前の心配をしているであろう」
「はっ…失礼します」
エクレスはお辞儀をして、執務室を後にする。
※ ※
「んっ?」
執務室がある廊下を歩いていたリアンが、黒鷲の軍人が執務室から出て去っていくのを確認した。
「エクレス中佐…闇月の件か…?」
そう思ったリアンは、たった今エクレスが出てきた執務室の扉をノックした。
「誰だ?」
室内から王であり父である、アルゲンの声が聞こえた。
「リアンです。入ります」
「入れ」
入室許可を貰ったリアンは、執務室へと入る。
「父上。盗まれた闇月は、見つかったのですか?」
「その事か…エクレスの報告では、盗んだ盗賊団の捕縛には成功したが、奴ら森でモンスターに襲われて、其処で落としたらしい。エクレスが部下を率いて捜索を行ったが、発見出来たのは、入っていた空箱だけだったようだ」
「…盗賊達が何処かに隠して、嘘を言っているのでは?」
「エクレスの部下によると、嘘を言っている様子は無いらしい…それに気になる話もある」
「それは?」
「森の近くの村の子供が、ギガント・ホーン・インセクトに襲われたらしい。幸いにも子供は無事だった様だが、エクレスが死んでいるギガント・ホーン・インセクトを見つけたとのことだ」
「つまり…何者かが倒したという事でしょうか?」
「ああ…そして先程の子供が無事だったのは…赤いドラゴンが助けにきてくれたかららしい…」
「!?」
その言葉を聞いて、リアンは目を見開いた。
「それはもしや…俺が同じ森で見かけたドラゴン…?」
「子供の話では…腹部に模様の様なものがあったらしい。恐らくお前が見たドラゴンだ。更にギガント・ホーン・インセクトは刃物で頭部を切断されていた状態で死んでいた様だ…」
「刃物…剣…でも俺が見たドラゴンは、剣など帯びている様子は無かったのですが…! まさか…」
「お前も気付いたか…恐らくそのドラゴンが、闇月を持ち去ったのであろう」
アルゲンはリアンの考えを読み、そう伝えたのであった。
※ ※
自室に戻ったリアンは、腰に下げている剣を部屋の机に置いて、室内に備えられている天蓋付きの大きなベッドに横になった。
「……」
天蓋を見つめながら、リアンは考える。
『…闇月は所有者に災いをもたらす妖刀…俺は知らないが、過去の所有者達は皆凄惨な末路を辿ったと聞く…恐らくもう…あの赤いドラゴンも…』
既に亡くなってしまったと考えるリアン、そして考えを切り替えた。あの赤いドラゴンの事である。
『森で出会ったドラゴン…年齢的には俺より少し下…俺とは対照的に鮮やかな赤色で水色の瞳…頭には角ではなく耳…って、俺は何を考えているんだ…』
既に死んでしまっているドラゴンに、何らかの感情を抱いてしまうリアン。するとリアンは体を起こしてベッドから降りて、室内の大きな鏡の前に立った。そして上着の留め具を外していく。
「何よりあのドラゴン…俺と同じ様な紋章があったな…」
そう言って露わになったリアンの胸部から腹部には、赤いドラゴン-マイン-と同じ様な模様があったのであった。
リアンにもマインと同じ様な模様が…。
次回からまた、スーパーポジティブドラゴン・マインの登場や♪
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