#99 おやすみ、リョウヘイ
数日後。
ドラム講師の仕事を終え、リョウヘイが家へ帰ってきた。
「ただいまー」
玄関で靴を脱いでいると、リビングから綾坂が顔を出す。
「おかえり、リョウヘイ」
「ただい、ま…?」
いつも通り。……のはずなのに、妙に綾坂の機嫌がいい。
リョウヘイは綾坂の顔をじっと見る。
「なんか……いいことあった?」
「うん、あったよ?」
綾坂は嬉しそうに笑った。
「こっちきて」
「え、なに?ちょっと怖い」
「いいから早く♪」
ルンルンの綾坂に腕を組まれ引っ張られ、そのまま家の防音室へ向かう。なんなら綾坂の方が待ちきれない様子だった。
綾坂が扉を開けたその瞬間、リョウヘイの足が止まった。
「…………なっ!」
昨日まではなかったものが、部屋の中央に置かれている。
最奥に鎮座するドラムセット。ただし、生ドラムではない。ゴムや化学素材で作られているが、見た目はほとんど本物に近い。
「おお、おおおお!!こ、これはぁ!!!!」
興奮したリョウヘイが電子ドラムに駆け寄った。
「電子ドラム!!ローランド!!」
ラック。スネア。タム。シンバル。ハイハット。キック。そして音源。更には追加のシンバルまでついた完全装備のフルオプションだ。
リョウヘイには一目見ただけで分かる。
入門機レベルなんかじゃない、プロユースの最高級品だ。
「V-Drums 5シリーズじゃねーか!!V51音源に、デジタル・ハイハットとノイズ・イーターまで……なんだこれ!!なんなんだこれは!!!」
今まで見たことがないほどのテンションで、リョウヘイがセットの周りをぐるぐる回り、細部まで確認する。
もうすでに叩きたくて仕方ないようだ。
ヒナが後ろから覗き込んだ。
「やっぱりリョウヘイさんなら、そうなりますよね」
「喜んでる喜んでる!」
ユイも楽しそうに頷き笑っている。
「いや待ってくれよ!これマジでどうしたの!?これハイエンドモデルなんだぞ!?」
リョウヘイはまだ最高級電子ドラムから目を離せない。綾坂が少し照れたように笑った。
「買ったの。それ、ウチも含めてみんなからのプレゼントだよ」
「……え?プレ…?」
ようやくリョウヘイの目線がドラムから離れた。ユイが得意げに胸を張った。
「もうこれで『家でドラム叩けない』とか言わせないから!」
「いや……これ……いくらすると思ってんだよ……」
リョウヘイの理解が追いつかない。ヒナが少し申し訳なさそうに付け加える。
「私とユイさんは、ちょっとしか出せなかったんですが……」
「ちょっとって言っても、アタシ達なりにメッチャ頑張ったんだからね!」
「はい…!それは間違いなく…!」
胸を張るユイとは対照的に、申し訳なさそうに小さくなるヒナ。
綾坂がハルナを見る。
「ハルナが半分出してくれたんだよ」
「綾坂さん!」
慌てたハルナが大きく手を動かし、真っ赤な顔で声を小さくながら綾坂に言い寄る。
「それは言わないでって言ったのに…!」
リョウヘイの表情が変わった。
「……ハルナ……が、買ってくれたのか?」
「違うよ!みんなで出し合ったの!」
「なんで?」
「え?」
「なんでそこまで……」
ハルナの視線が、リョウヘイの右足へ落ちる。
あの傷。今ではもう、この足でドラムを叩く方法も見つけた。ツインペダルにも慣れた。
もう誰も気にしてないと思っていた。
リョウヘイは気まずそうにハルナに聞いた。
「……もしかして、昔の……足のこと気にしてるのか?」
「ち、違う!」
ハルナはすぐ否定したが、
「……ことも、ないかも……」
それもまた否定した。
「ハルナ」
「でも、本当はそれも違くて!」
ハルナはリョウヘイに発言をさせるつもりは無かった。
「償いたいとか、そういうことじゃ、ないの」
ハルナは必死に言葉を探す。
なるべくシンプルに想いを伝えたかった。
「リョウヘイくんが、この家から出たくなる理由を減らしたかったの……」
「……え?」
「だって、家じゃドラム叩けないって言ってたでしょ?」
ハルナは電子ドラムを見る。
「これがあれば、この家でもみんなで練習できるよね」
「……うん」
「スタジオ代も減らせるし」
「…うん」
「本物とまではいかないけど、このグレードならリョウヘイくんも満足でしょ?」
ハルナの言葉にリョウヘイは下を向いて頷くしかできなかった。
ヒナも頷く。
「配信の幅もかなり広がりますよ、この家でlunatiライブ配信なんかもできちゃいます」
ハルナはもう1度リョウヘイを見る。
少し照れながら。それでも、真っ直ぐに。
「ここを出ていく理由を無くしてあげたかった……それに、ここにいたくなる理由を、増やしてあげたかったの」
リョウヘイは何も言えなくなった。自分は4人に気を使って、いつか出ていった方がいいと思っていた。
でも4人は自分が出ていかない理由を、わざわざ作ってくれた。
「いや……でも」
リョウヘイはもう1度、電子ドラムを見る。見れば見るほど分かる。
「100万はするだろ……こんだけオプションもつけたら」
綾坂は待っていましたとばかりに、1枚の紙を差し出した。4人分の名前と金額だけが書かれた、簡単な負担表だった。
「先に言っとくけど、lunatiの活動口座は1円も触ってないよ」
「……え!?経費じゃないの!?」
リョウヘイは驚く。これだけの高級品を買って領収書を切らない理由がない。
「更新用の53万も運転資金もそのまま。これは4人の個人のお金で買ったの。lunatiの経費にもしてない。だってこれはプレゼントなんだもん」
あまりにも綾坂らしい説明に、リョウヘイは一度だけ紙へ目を落とした。ハルナが半分。残りの半分を、綾坂、ユイ、ヒナの3人で分けている。とはいえ綾坂が35万ほど出している。
「展示処分で少し安くなってた新古品を綾坂さんが見つけてくれたの」
ハルナが説明する。
「それぞれが今まで貯めていた分でなんとか足りたんだよ、本当は新品を渡したかったんだけど」
「ちゃんと4人の生活費と貯金も残してありますよ、安心してください」
ヒナが補足する。
「この電子ドラムでまた稼がなきゃね!」
ユイも小さく笑う。
家賃と原価と交通費を引けば、ほとんど残らなかった頃。そこから2年かけて、活動口座と生活費と個人の貯金を分けられるようになった。
守るべき金を守ったまま、大切な人にプレゼントを買えるところまで来た。全部自分のために。リョウヘイはしばらく電子ドラムを見つめていた。
「……マジか」
ゆっくりスローンへ近づく。
「超嬉しいんだけど」
「マジ!?やったー!」
ユイの顔が明るくなる。
「マジで。普通に今まで貰ったもんの中で一番嬉しい」
「よぉし!」
綾坂が両手で小さくガッツポーズをした。
ハルナとヒナはハイタッチしている。
リョウヘイはスティックを手に取った。
完全に子供みたいな顔で、我慢の限界なのが誰の目にも明らかだった。
「……叩いてみていい?」
リョウヘイの手は勝手に電源ボタンを押していた。
「もちろん!」
全員から許しが出た。
スローンへ座り、ペダルを合わせる。
まずはスネア。本物さながらの打感と音。目を瞑ると本物と錯覚してしまいそうになるぐらいリアルだ。
ハイハット。キック。タム。シンバル。1つずつ反応を確かめていく。強く弱く。叩く位置を変えて。
ハイハットを少し開いてまた閉じる。リョウヘイの顔がどんどん明るくなっていった。
「すごいな……最近の電子ドラム、ここまでリアルなのか……ハイハットすごい…」
更にモジュール音源を触り、設定をいじくる。
「え、そんなことも……!?個別でEQとFX!?」
また叩く。止まる。設定をいじる。また叩く。
リョウヘイはこれを何度も繰り返している。
おもちゃに夢中な子供だった。
ドラムを得たドラマーと、水を得た魚はほとんど同義語だった。
ハルナがその夢中な横顔を見ながら、小さく笑う。
「喜んでもらえたみたいで嬉しい」
綾坂はハルナの肩に優しく手を置いた。
「よかったね、ハルナ」
「うん……」
ハルナは自分の事のように喜びを噛み締めていた。
ヒナが嬉しそうにリョウヘイへ言う。
「リョウヘイさん!これでもう、リョウヘイさんはこの家じゃないとダメですね!ドラムが叩ける家なんて他にありませんよ?」
「そうそう!もう引っ越す気なんて失せたでしょ!」
ユイも乗っかる。
リョウヘイはスティックを持ったまま、電子ドラムを見る。
「うん、もう引っ越す理由なんてないよ」
あまりにも素直な返事だった。4人が少し驚く。
リョウヘイは少し照れくさそうに笑った。
「ずっとドラム叩ける家に住むの、夢だったから」
電子ドラムへ軽く手を置く。
「夢、叶っちゃった」
「…………」
4人が一斉に黙った。
ハルナは胸元を押さえている。
リョウヘイの発言は4人に強くて甘い衝撃を与えたが、本人だけはその言葉が4人に深く刺さったことに気づいていない。
ハルナが少し慌てて口を開く。
少し恥ずかしがりながらも陽気に話題を変えた。
「ほ、他にも叶えたい夢とかあるの?」
「ん?」
「せっかくだし、全部叶えちゃおうよ!」
リョウヘイは少し考えた。
「他……」
しばらく黙る。
「あれ」
首を傾げる。
「もう……ないかも……」
「え?ないの?」
ユイが聞き返す。
リョウヘイは指を折り始めた。
「バンドは順調で」
1本。
「ドラムの仕事もあって」
2本。
「家でいつでもドラム叩けて」
3本。止まる。
「……あれ、他に欲しいもの……」
リョウヘイは自分に問いただした。まだ何が欲しいものはないのか、まだ足りてないものはあるのか。
「欲しいもの……欲しいもの……」
何も出てこない。ヒナがその姿を見て、ふっと笑った。
「リョウヘイさんも、完成ですね」
「……え?」
少し前まで、誰が自分の望んだ生活の形まで来たのか、1人ずつ話していた。ハルナ。ヒナ。綾坂。ユイ。リョウヘイ自身も、ほとんど完成しているとは言った。
しかし家ではドラムを叩けない。
いつかこの家を出た方がいいのかもしれない。どこかに小さな引っかかりが残っていたはずだったが、それももう解消されてしまった。
「は……」
リョウヘイは間抜けな声を出した。
満たされるとはこういう事なのかと気が付く。
ユイが嬉しそうに笑った。
「ほぼ完成だったのが、マジの完成になったんだよ!リョウヘイ!」
「……完成?」
リョウヘイが呟く。
「完成……したのか……?」
綾坂がリョウヘイの前までゆっくり歩いてくる。
「おめでと、リョウヘイ」
綾坂は優しく笑った。
「これでずっとここにいられるね」
少しだけ眉を下げる。
「2度と、あんなこと言わないでね」
「…………」
突然。リョウヘイの目から涙が落ちた。
一滴。また一滴。何かを堪える暇すらなかった。
無言のまま、頷く。
「……うん」
ハルナもリョウヘイの隣へ来る。
「講師のお仕事も続けるんだよね。ユイちゃんみたいに、やりたい仕事だからやめないんだよね」
「……うん、ぐず」
リョウヘイは情けなく鼻をすする。
涙と鼻水が大洪水を起こしている。
「好きだから……それは続ける……」
「じゃあ」
ハルナが少しだけ笑う。
「最後に1つだけ確認したら、本当に完成なんじゃないかな?」
リョウヘイが目元を拭う。
「確認……?最後……?」
ぐず、と鼻を鳴らす。
「なんだっけ……ぐず……」
ハルナは少し待った。
「ねぇ、リョウヘイくん」
「…うぅ……ぐすん…う…ん」
涙だけが只々流れる。
ハルナは真っ直ぐリョウヘイを見る。
泣きじゃくるリョウヘイがしっかりと言葉を受け取れる状態になるまでハルナはじっと待った。
「リョウヘイくん」
ボロボロの顔でリョウヘイはハルナを見る。
「私たちは、リョウヘイくんの探していたイカれたメンバーですか?」
「……あっ」
息が止まった。
「あ……あ……」
言葉にならない。
ハルナも泣きそうな顔で笑う。
「確認して?」
リョウヘイの顔を下から覗き込みながら、ハルナは言う。
「ちゃんと、1人ずつ」
リョウヘイは涙を拭うことも忘れた。
真っ直ぐにハルナを見る。
「……うん」
ユイ、ヒナ、綾坂にも一人一人、真っ直ぐに見て確認した。
目が合うと3人は大きく頷いてくれた。
「うん……うん……うん……」
声が震えた。
「みんなイカれてる……」
ハルナ。
「ハルナも……」
ユイ。
「ユイも……」
ヒナ。
「ヒナも……」
綾坂。
「綾坂も……」
もう声がまともに出なかった。
「みんな……俺の……」
息を吸う。
「イカれた……バンドメンバー……」
ヒナの目からも涙が落ちた。
「リョウヘイさんだって……」
声を震わせながら笑う。
「私の……イカれたバンドメンバーですよ……」
「……うん」
リョウヘイは泣きながら笑った。
周りを見る。ハルナ。ユイ。ヒナ。綾坂。そして自分の後ろには、ずっと欲しかったドラムがある。
リョウヘイにはもうこれ以上必要なものなんてなかった。ここに全部あるからだ。
「……ずっと」
リョウヘイの声が震える。
「ずっと、このままでもいい……!」
誰も口を挟まない。
「できるだけ……1秒でも長く……」
一度口にすると、もう止められなかった。
「みんなと一緒に……lunatiやっていたい……!」
涙が溢れる。
「売れなくなってもいい……!格好悪くてもいい……!貧乏でもいい……!」
リョウヘイは剥き出しだった。
何度も息を詰まらせながら、それでも言葉にする。
嗚咽しながら必死に言葉を搾り出す。普段のクールさなんてもうどこにも無い。
「だって……バンドが1番楽しいから……!」
ハルナが静かに隣へ座った。
「俺には……!バンドしか無いから……!」
ヒナも近づく。
「みんながいるから……叩ける……」
ユイも。綾坂も。気づけば4人が、すぐそばにいた。
「……みんなが……いてくれたからぁ……!俺は…!俺は…!」
もう顔はぐしゃぐしゃだった。
それでも、ちゃんと4人を見て少しでも気持ちを伝えようとしていた。
「ありがとう……」
ハルナは自分の胸にリョウヘイを抱き寄せた。
顔を埋めながら泣きじゃくるリョウヘイの頭を優しく撫でた。
「頑張ったね、リョウヘイくん」
「……うん……」
「いっぱい頑張ったね。もう大丈夫、大丈夫なんだよ」
ユイも隣からリョウヘイを抱いて頭を撫でてあげた。
「えらいえらい。もう大丈夫だから」
「子供扱い……すんなよぉ……ぐず」
「いつものお返し。いいじゃん、今日ぐらい」
ヒナもそっと近寄り、リョウヘイを抱いて頭を撫でてあげた。
「ずっと私達のそばに、いてくださいね」
いつもの優しく静かな声。
「私達にはリョウヘイさんが必要なんですから」
「ヒナ…」
ヒナはリョウヘイに言ってもらえた言葉をそのまま返してあげた。その言葉で今のリョウヘイがどれだけ救われるのかを、ヒナは随分前から知っていた。
綾坂もリョウヘイの背中から腕を回す。
「大丈夫だよ、リョウヘイ」
綾坂の体温を感じる。
綾坂は短く。でも、はっきりと言った。
「ウチらなら、きっと大丈夫だから」
「……うん」
その言葉が嬉しくて、リョウヘイはまた涙を流した。涙が止まる気配は全くしなかった。
4人から頭を撫でられる度に、涙が止まらなかった。
今まで何度も苦しいことはあった。
死んだ時も。15歳に戻った時も。足を怪我した時も。バンドが壊れそうになった時も。金がなくて悩んだ時も。前世からバンドをやっている分、修羅場という修羅場はかなり潜ってきた。
それでも、こんなふうに泣いたことはなかった気がする。全部終わったような。全部報われたような。それなのに、ここからまだ何十年も続いていく。
リョウヘイは、今日が人生の節目なんだと確信した。そしてこれからまた、バンドはいろんな節目を迎えるのだろうとも思った。
リョウヘイの大泣きはしばらくしても収まらず、結局その日は4人に散々慰められた。
「今日はもう寝た方がいいよ、泣き疲れたでしょ?」
「うん…」
ハルナに言われ、リョウヘイはやっとハルナの胸元から離れた。
「ほら、立てる?」
「うん…」
ユイに引っ張られる。
「お水飲んでください」
「うん…」
ヒナにグラスを渡される。
「今日はもう何もしなくていいから、ベッドいこ?」
「うん…わかった…」
綾坂に頭を撫でられながら言われた。
誰からも完全に子供扱いだった。
そのまま自室まで連れていかれ、ベッドへ押し込まれる。
「おやすみ、リョウヘイくん」
「リョウヘイおやすみー!」
「おやすみなさい、リョウヘイさん」
「おやすみ、リョウヘイ」
「……おやすみ」
扉が閉まった。
静かになった部屋で、天井を見る。
今思えば、なんて情けない。
いい歳した男が、女の子の前であんなに泣いて。
慰めてもらい、寝かしつけてもらって。
でももういい。
全部終わって、全部始まる。
不思議な感覚だった。あの時の俺と、ようやく並んだ気がした。
いや違う。
きっと今の俺は、あの頃よりもう少し先にいる。
ここまで来るのに、時間がかかった。
それは今も昔も変わらない。
何度失敗しても、遠回りしても、逃げても。
結局、俺はドラムを叩いていた。バンドを探していた。一緒に音を鳴らせる、イカれたやつらを探していた。
そして今、その4人がいる。ずっとドラムを叩ける家がある。好きな仕事がある。帰ってくる場所がある。欲しかったものは、最初から全部ここにあった。
きっとこうなる運命だったんだ。
いや。そういう運命にしたんだ。
何度でも選んで、何度でもドラムを叩いて。
何度でも、こいつらと一緒にいる方を選んだ。
全部俺が選んだ。選んできた。
だから、今俺はここにいる。
そう思うと、不思議なくらい全部納得できた。
明日になれば、またいつもの生活が始まる。
明日は月曜日だったっけ。もう忘れた。
明日になれば、また起きて、また飯を食って。
ユイが掃除をサボって。ヒナがギターを弾いて。ハルナが曲を書いて。綾坂が音を作って。俺がドラムを叩く。
またライブをして、また金のことで悩んで、みんなで話し合って。
バンドという俺たちの船は笑いながらみんなを乗せて荒波を越えていく。
目的地はない。船が壊れるまでずっと航海は続いていく。
それでいい。それがいい。それだけでいい。
リョウヘイは泣き疲れて、どんどん瞼が重くなっていった。
疲れた
今日はもう寝よう
明日もあるしな
おやすみ
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lunatic 〜転生してもバンドがやりたい〜
-完-
lunatic 〜転生してもバンドがやりたい〜
これにて完結となります。これまでのご愛読、本当にありがとうございました。
感想や評価をお待ちしております。
企業案件もお待ちしております、書籍化やアニメ化されたらもう最高です。
ランキングにたくさん乗ったら第二章も番外編として書けたらと思ってます。
クッソ楽しかったです。また会えたら嬉しいです。




