11-2 TS美少女と夜のご奉仕
窓の外から、カーテン越しに夏の朝の日差しが入ってくる。
蝉の声で目を覚ますと、目の前には大好きな和也の顔があった。
軽く寝息をたてているその口に私の唇を当てると、和也はもぞもぞとその目をぼんやり開いてくれる。
「おはよ、和也」
自分でも驚くくらい、優しい女の子の声が出る。
言いながら私は、上半身だけ部屋着の和也に、下半身だけ部屋着のままの自分の足を絡ませていった。
まだ私は処女のままだけど。
和也は昨晩、ちょっとだけ大人になった。
「お、おう」
和也の照れまくった顔が、もう好きで好きで仕方ない。
ぐいぐい体をくっつけていくと、何とは言わないが昨晩はあんなに頑張ってくれた和也の股関が、また元気に主張しているのがわかった。
さすがは若者。朝だもんねえ。
「……ふへへ、昨日はあんなにすっきりしたくせに、朝から和也は元気だねえ」
昨日のあれやこれやの名残で少しベタベタする、その和也の股間のご立派様がもう愛おしく感じて仕方ない。
もうこれは絶対私のものなんだ。一生、誰にも渡しはしない。
ああもう。早く私の生理、終わってくれないかなあ。
「だ、だめだぞ紬。もう朝だからな。いつ桜が入ってくるかわかんねえよ……!」
和也のご立派なアレに昨晩同様に顔を近づけようとすると、和也は両手でぐぐっと私の顔を引きはなそうとする。
な、なんだよ、やめろよ無駄な抵抗は。
「えー? でも和也のこれは朝からこんなにやる気満々なのに? ほら、美少女のあったかいおくちだよ? 気持ちいいよ?」
あーんとした自分の口を指さしながら、ニヤニヤと笑ってしまう。
私としたことが、とんだふしだらな女になってしまったものだ。
でも和也はプイっと反対を向いて、体を丸めてしまう。
「あああああ! 我慢! 我慢だオレ!」
ああもう。抵抗なんて無意味だっていうのに。
私の前で我慢なんて、一切必要ないんだよ。好きなだけ、したいように私を使って欲しいのにな。
「ふーん。じゃあいいよ。もうブラも付けちゃおーっと。お触りもなしだからねー」
そう言いながらも、私は横目でチラチラと和也の頭に目を向けながら、ゆっくりゆっくりと、上の部屋着を着る……フリをしていく。
自分の美乳がちゃんと和也に見えるような角度で。
「こんなかわいい彼女が、せっかく誘ってあげてるのになー。和也は冷たいなー」
チラチラと覗き見る私の視線が、頭を上げた和也の視線と交差した。
もちろん、そこで和也はすっかり私のお乳の誘惑に陥落してくれたのだった。
「ふふ、正直でよろしい。いい子だね和也。夜も本番なしで、ちゃんと我慢できたね。いい子いい子」
自分のふわふわ生おっぱいで、和也の顔を挟むようにしながら、その髪を精一杯撫でてやる。
どうも和也にはこのおっぱい、ちゃんと気に入ってもらえたみたいだ。
この恥ずかしがりつつもきちんと甘えてくれる感じ、最高に幸せ。
昨日もさんざん嬉しそうに触ってくれたし。
思い出したら、またゾクゾクしてきてしまう。
それじゃあ、仕方ないから朝から一回くらい、和也をスッキリさせてあげちゃおうかな……!
「……おりゃー! 昨晩はお楽しみで……うわ、エグ! 何を甘やかしてんのそれ、グロいもん朝から見せないで! てか裸! キモ! 紬ちゃんから離れろバカ兄!!」
朝から元気よくやってきたお邪魔虫、もとい桜ちゃん。
私に甘やかされ、おっぱいの谷間に挟まりデレッとしていた下半身丸出しの自分の兄が視界に入るなり、勢いよく蹴りをお見舞いしてきたのだった。
お泊まりからの帰り道。
お互い寝不足であくびが止まらないけれど、しっかりと手を繋ぎ指を絡めて、和也は私をお見送りしてくれている。
外は暑いのに、わざわざ私のために一緒に歩いてくれて。
大切にされるって、幸せだ。
朝ご飯に作ったホットサンドは大成功で喜んでもらえたし。
家庭的な部分もちゃんと最後にアピールできて良かった。
桜ちゃんとも色々お話できて、また少し仲良くなれた気もするし。
何より、大好きな和也のとなりで眠れる幸せは、他の何にも代えがたい喜びがあった。
総じて今回は、最高のお泊まり会であったといえよう。
「そもそもさ、何で和也は私のアパートに来てくれないの? 一人暮らしなんだから、いつでもオッケーなのに」
並んで歩きながらも、私たちの距離はこれまでよりまた少し近くなったような気がする。
たぶん私の胸の感触がずっと和也に伝わるくらい、私は和也の腕にひっついたまま歩いていた。
和也は内心恥ずかしがっているかもしれないが、そこは一切考慮しない。
でもこれで和也が私の部屋にも来るようになってくれたらな。
私の部屋ならくっつくだけじゃなくて、どんなイチャイチャやえっちも無制限だっていうのに。
「いや、ほら、それはまずいだろ。絶対オレ、サルになっちまうし」
和也のそういう真面目なところも大好きなんだけど。
でもむしろ私は今、けだものみたいに自分を求めて欲しいとすら思っているのになあ。
「いいじゃん、好きなだけしよ? 私はしたいよ?」
美少女の全力の上目遣いでアピールしておくと、和也は一度足をとめて私の手を離し、まだ包帯に巻かれた右手をかばうようなそぶりでうつむいた。
「くっ……! いや、ダメだ! オレにも童貞なりの意地がある! オレはちゃんと勉強もやって、就職とかも頑張って、将来はちゃんと紬にふさわしい男になるんだからな!」
そういう考え方が、また逆に童貞っぽさが際立つんだよな。
あと、私がおかしくなっちゃいそうだから、これ以上あんまり喜ばせないで欲しい。
こいつ、私をこれ以上惚れさせてどうするつもりなんだよ。
自分の瞳がハート型になってしまっていないか、本気で心配しそうになってしまう。
「……ふへへ、今のままでも和也は、わたしにぴったりなんだよ? もしお馬鹿になっても、貧乏でも、ずっと大好きなんだよ? 和也はずっと、私のものなんだからね」
和也との未来。
そんなの考えるだけでもう、私は思い切り叫びだしてしまいそうなくらいだ。
大好きで大好きで。
私は歩く和也の前に回り込み、その左手を両手で包む。
指を絡めて、また上目遣いに。
「……ね、来週のキャンプ、楽しみだね。夜はテントの中で、和也の童貞、ちゃんと私にプレゼントしてよね?」