犬派か猫派か(どっちでもいい)
三話目ですね。
帰り道。
恵と帰るいつもの道。
何度目かの出会い。
「あ、猫」
「んあ、猫」
黒と白で良い感じに配色されてる。
首輪がついているので、飼い猫だということはわかる。
「ようしようーし、撫でてしんぜよう」
「誰なんですかね」
「この猫ちゃん、どこの家の子?」
「わからん」
何回か寝転んだりうろついたりしてるのは見かけてるけど、どこか家に入るのは見たことがない。
「わーっしゃわーっしゃ」
「こらこらこら」
撫で方が雑になってるぞ。
「ところで、犬派と猫派の戦争が各地で止まない日々ですが」
「そうなの?」
「うむ。この2派には切っても切れない縁がありつつ、お互いを認めることのできぬ悲しいサダメというのがあってだな」
「本題」
「犬派? 猫派? まあかなちゃんはどっちでもいい派だけど」
「なんで分かってて質問する?」
アホなの?
「まあ戦争がどうの言いつつ、自分もどっちでもいい派なわけですが」
「じゃあ解決?」
「犬派と猫派の戦争はなぜ起きると思う?」
「それが本題じゃねーか」
まあまあ、と恵があたしをなだめる。怒ったりはしてないんだけどね。
「で、なんでだと思う?」
「ええ、そりゃまあ……片方の方がもう片方より好きだからじゃないの?」
「うーん、でもそういう人ってあんまりいないと思うんだよね」
「あたしたちみたいな?」
「そうそう。別にそこまでこだわる必要がないというか、めんどくさいというか」
「それは恵の意見でしょ。恵が思ってる以上にこっちの方が好きって人はいるんじゃないの?」
「でもさあ、犬は好きだけど猫は嫌いって人とか、少数だよ絶対そうに決まってる」
「ひとりで勝手に終わらすな。そしてさっきめんどくさいって言ったな」
「そこ指摘されちゃうとわたしも弱いわけでー……かなちゃんの頭を撫でちゃうわけでー」
猫から離れ、あたしの頭をなで始めた。
「うーりうーり」
「……ぐぅ」
嬉しいと思ってしまうのが何故か情けない。軽いなぁ、あたし。
あ、でも恵以外からこんなことされても嫌でしかないなぁ。
「さっきからそわそわしてたねぇ」
「…………そこを 指摘されちゃうとあたしも弱いわけでー……」
くっそう。これで恵の頭を撫で返してもニコニコされるだけだから、なんかこう、悔しいような。
「あ、金曜日泊まりに行っていい?」
「また唐突な……犬猫の話はどうした」
「わたしはかなちゃん派だ!」
「……あたしは恵派だよ」
呆れるけど、全部飲み込んで、承諾してしまう辺り、やっぱり恵派なんだろうな、あたしは。
今日は火曜日。金曜日まで、あと2日挟まれてる。
頭を撫でられ、顔の熱が恵の手のひらに伝わらないよう懸命に平静を保ちなから、今週の目標を今さら立てる。
「かなちゃんかなちゃん」
「うん?」
「お泊まりデートだねえ」
今週の目標。うかれない。
犬派か猫派か聞かれると、猫派とは答えますが、「どちらかというと」という程度なので、実際はどっちも好きです。
猫なら細身のやつ、犬なら狼犬が好きです。
さて、最近暑くなってきました。季節の変わり目なので、体調に気をつけて、夏風邪などひかないようお気をつけて。(わたしはひきました)




