第24話:優奈の目撃情報
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ーーエスパダ第七県第八区のバーブルーマンションの近辺にある被害現場となった公園にて。
被害現場である公園に到着した翔真と辰久は、そのまま公園内へと入る。
公園内の被害範囲にある場所は関係者以外立ち入り禁止のロープが置いて敷かれている。その場所は、二人の異能騎士が倒れている所を発見した茂み裏を含めて公園の半分の範囲が立ち入り禁止となっている。
立ち入り禁止ロープ付近では、警備に当たっている数名の異能騎士。中には二人程の異能騎士と日本魔導機関所属の魔導士である江本 小太郎が調査していた。
そして警備に当たっている異能騎士へ軽い挨拶をした後、辰久は立ち入り禁止内へと入る。その後に辰久のお陰で特別許可を取り、取り立ち入り禁止内に入る事か出来た翔真も後に続いた。
「あ! 澤田先輩! と、あ……あああおまえは!!」
被害現場の公園の立ち入り禁止内で調査していた小太郎が、立ち入り禁止内に入ってきた辰久に気付いて呼んだのだが……その後に辰久の後ろから出てきた人物……彼にとっていけ好かない少年である翔真を目にした途端、驚いて翔真に指をさしながら大声で叫んだ。
「小太郎。 ちょっとこっち来い」
「そ、そんなことよりなんでこい……彼がここにいるのですか!? もしかして先輩が連れてきたのですか!? なぜ!?」
「落ち着け。 その理由も含め、今から説明するから」
「は、はい」
慌てる小太郎に、辰久は宥める。 そして辰久の言葉に従い、二人の所へ来た小太郎。 そして辰久は翔真との話した内容を伝えた(翔真も優奈探索に協力する事に、小太郎は少々不満な表情であったが)。
そして起因となる書状の在り処を探ろうと指示を出すが……小太郎は首を振り、「その書状を探し出すのは無理ですよ、先輩」と言う。
理由を聞けば、既に二人がここへ到着した時には公園全体とその付近を調査し尽くしており、その際に真っ黒な書状なんてものは見つからなかったとのこと。
「これで手掛かりになるものもなくなってしまったか……」
「いや、まだ諦めちゃいけないですよ先輩!」
「どうしたら手掛かりがなくなっただけで諦めるんだよ。 他の探し方法で優奈を見つけにゆく」
「え? な、なんだ〜……は、ははは! そうっすね!」
「…………」
慌てて誤魔化す小太郎に、ジト目を向ける辰久。
どうやら少なからず、小太郎は辰久が諦めたのだと思っていたのだろうと、翔真は苦笑いしながら思うのだった。
「お前なぁ〜。 はぁ、まぁ今どうでもいいか。 優奈の見つけ出す事が先決だ」
「それなんですけど、少し別の方に偏った思考を向けてはどうですか?」
「「なに?」」
「この事態が、ある者達にとって好都合だということを」
「「ーーっ!」」
翔真のその言葉を聞き、二人は何かに気が付いた様な表情を浮かべる。
「「風ノ忍衆か!」」
こんな時に、優奈が行方を暗ました事に好都合な者達。 二人はそれが風ノ忍衆なのだと気付く。 その二人から発せられた言葉に、翔真は頷く。
「これは俺の考えなんだが……優奈に送られた書状は風ノ忍衆からのもので、その書状に目を通した優奈はそれを知った事になる。そして書状に書かれてある内容には、優奈にとって無視できない事が書かれてあったとしたら。……そしてその内容の一部には誰にも見つからないよう姿を暗ませと書かれていたとしたら」
「なら、この事態は風ノ忍衆の仕業ってことっすね。 けど……なぜ優奈はその書状をオレ達に報告しなく……仮に先輩の考え通りにするなら、その書状に行方を暗ませと書かれている通りに行ったんですかね? 無視できない内容なら、尚更オレ達に報告すべき思うけど」
その小太郎の疑問に、二人はわからないといった表情になる。 それをみた小太郎は溜息を吐く。
それでも、今回の事態を仕掛けたのが風ノ忍衆である可能性は確かであろう事は分かった。
優奈を探し出すとは別の成果は得た。
だが結局の所、優奈を探し出す手掛かりはない状況のままだ。 辰久がいった様に、別の方法で優奈を探すしかない。
そんな時、辰久のスマホから着信音がなった。
誰か辰久へ電話してきた様だ。
スマホを取り出し、電話に出る辰久。
「もしもし? ああ、フェリックか。 なんだ? お前の方はなんか掴めたか?」
辰久へ電話してきたのは、アメリカ魔導機関所属のB級魔導士であるフェリック・ダンバートであった。
彼は同じ同僚で後輩の金髪美少女であるB級魔導士のエミリー・フォリーヌと共に、第七県内で優奈の探索に協力して貰っている。 勿論、風ノ忍衆の居処の探索もしつつだ。
そしてフェリックと電話をしている辰久は、突然「なに!!」と驚く。 そんな辰久に二人はどうした!? といった表情で辰久へ速やかに近く。
「ーー優奈を目撃したという情報を入手しただと! それは本当なのか!?」
「「ーーっえ!」」
辰久の口から発せられた言葉に、二人は驚きの声を洩らす。そして辰久の真偽の言葉に、電話越しにいるフェリックは『ああ、本当だ』と告げた。
どうやらフェリック達は優奈の目撃情報を掴んだ様だ。
後に聞けば、翔真達がいる第八区の隣区……第九区の東部の一般市民達が車を猛スピードで発進させる優奈を目撃したのだと。 そしてフェリックは、自分とエメリーはその目撃した第九区の東部の場に現在待機してると言う。
そしてその後ーーフェリックは更なる情報を辰久へ伝えた。
「ーー風ノ忍衆の居処をある程度絞れたのか!」
声を上げる辰久。その辰久の言葉に翔真と小太郎は……優奈の目撃情報どころか、風ノ忍衆である奴らの居所をある程度絞れたという成果まで遂げた事とは! ……と目を丸くする。
これで派遣された辰久達の任務は上手く進んでいるといえよう。 けれどその反面、優奈が行方を暗ました事やそれが奴ら風ノ忍衆の仕業によるものなど、予想外な事態も起きてしまったのもあるが……。
「ある、分かった。 俺たちも直ぐにそちらへ向かう。 では切るぞ」
そしてフェリックの電話を切った後にスマホをしまった辰久は、二人へ指示を出す。
「小太郎は俺と共に第九区の東部に行くぞ。 フェリックとエミリーと合流する」
「はい!」
「加藤くんは……申し訳ないが、優奈の探索から退いてもらいたい」
「っ! なぜ? いや、そうか。 なるほど……先ほどまでとは状況が変わったからですか?」
「……早く理解してくれて助かる。 ああ、そう通りだ。 当初は確かに君から優奈探索の協力を申し出た事には賛成した。 だが今は違う。 優奈が行方を暗ましたのが、奴ら風ノ忍衆の仕業によるものだと分かった」
ただの人探しなら兎も角……A級犯罪集団である『風ノ忍衆』の仕業であったのならば別だ。 一異能者が危険の多い魔導士の任務に首を突っ込み、関わっていいものではないのだ。
それが分かっている翔真は、ここで引き下がるしかないだろう。 だが、それでも、優奈を探す事から退くなんて翔真はできなかった。
それには様々な理由がある。 ならその理由を言えばいいのではないかと思うが、無理であった。何故ならその理由には、己が秘密にしているものもあるのだ。 故に、辰久達には言えない。
どうすれば協力して貰えるよう考える翔真だったが……そんな悠長してる暇は辰久と小太郎にはなかった。
辰久と小太郎は速やかに翔真へ別れの挨拶をした後、第九区の東部にいるフェリック達の所へ向かう為、付近に停めていた黒車へ乗り込みに行ってしまったのだ。
「…………」
その場に残った翔真は二人が乗る車が発車された後……公園から出て行くが、
(僕は本当にこのままでいいのだろうか? …………いや、やっぱり引き下がるなんて無理だ)
人道を遅い足取りで歩いて行く翔真だったが……やはり引き下がる事はできなかった。
足取りが早くなり、そして再び件の事について思い浮かべた。
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