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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第1章:舞い戻り召喚師
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第19話:とある執務室にて

 ◆◆◆



 小さな雲が浮かび星が点々とする夜空の下。

 そこには数多くの高層ビル等の建物。

 様々な音が響く大道路の数。

 その人道で多くの人々が歩いており、車道ではトラックや普通車にバイク等の乗り物が行き来しており、線路では列車が走る音も響く。


 ここは、日本国の首都ーー東京都だ。


 そして場面は東京二十三区の内の一区にして、ほぼ中央にある千代田区。


 その千代田区のとある高層ビルの最上階一室内にて。


 その一室は、明かりはつけてあるが若干暗く、奥に壁の半分上は窓ガラスであり、その隅には派手な色の大きなカーテンが縦畳んで縛り収めている。


 そしてそこから見える景色は夜空なのか綺麗で様々な彩りな明かりがあり、歩道には多数の人々が行き来し、車道は多数の車が行き来する、都会の景色だ。


 その奥の左右から真ん中には高級な執務机や椅子があり、執務机の上に小さな棚がありそこには様々な資料が整備して置かれ、これ又高級なパソコンが置かれている。

 その他にも、この一室の左右の壁には多くはないがある程度絵画等が飾れている。


 床には生地の良いカーペットもあり、中央には高級な大きなソファーと一人席ソファー、テーブル等もあり、お偉いさんが持つ執務室。


「…………」


 漆黒とも言える短髪と、鋭い黒眼、ガッシリとした体格をした三十代後半と見える褐色の大男。

 まとう雰囲気は周囲を畏敬させるものだ。

 日本国軍・日本魔導機関の機関長にしてS級魔導士の"(やなぎ) 志郎(しろう)"だ。


 事実的、日本の全魔導士のトップ。


 その柳 志郎は執務室の奥に窓ガラスの中央付近で、その景色を眺めていた。


 ーーコンコンコンコン。


 と、ここで執務室の出入り扉へ外から誰がノックが来た。


「誰だ?」


『柳機関長、清水です』


「入室を許可する。入りたまえ」


『はい、失礼します』


 それに入る事を許可した柳機関長に、ノックした者は許可が下りた後執務室へ入室する。

 

 入室した者は、女性で肩の少し下まで届く整えたられた黒髪と黒目で眼鏡を掛けた如何にも女秘書と言った服装と雰囲気だ。

 その秘書官服から胸は服越しからボン! と出ており、また腰回りも丁度良くくびれていて、黒のガーターストッキング越しからはぷにぷにとした太腿と……抜群のスタイルの体型をした三十代前半の美人女性だ。

 その片方の手には数枚の調査資料を持っている。


「清水、要件は?」


「現状のA級犯罪集団『(かぜ)忍衆(にんしゅう)』の件についての報告です」


 景色を眺めながら志郎は入室して来た美人女性へそう言い、それに美人女性は要件の内容を伝えた。


 美人女性の名前は、"清水(しみず) 矢菜子(やなこ)"。


  彼女は前方で景色を眺める、日本国軍・日本魔導機関の機関長である柳 志郎の秘書官。

 本当に秘書の職についてる女性であった。


「では報告を」


「はい。ですが、その前に現状まで振り返り説明をしても宜しいですか?」


「ああ、構わないよ」


 柳機関長の許可が下り、清水秘書官はお礼を申し手元にある調査資力……風ノ忍衆の件の資料を見ながら説明し始める。


「ありがとうごいます、柳機関長。ではーー現在、エスパダ第七県内に風ノ忍衆が隠れ潜んでいており、その地へ我が国の二人のB級魔導士の澤田 辰久と江本 小太郎……そして我が国の友好同盟国であるアメリカから二人のB級魔導士のフェリック・ダンバートとエミリー・フォリーヌ。 計四名が対処しに派遣されました。 ですか、これは二番目に優先するもの」


 そこで清水一度言葉を切り目を通して行ってる資料を一枚捲る。そこには風ノ忍衆の目的が記している。


「風ノ忍衆の目的は優奈さんです。 故に派遣された四名の魔導士は奴らから優奈さんを守護する、これが最優先されますね。と、ここで説明を終わりにします。 そしてここから本題になります。 どうやら、風ノ忍衆はある組織からの命令により優奈さんを捕獲せよ、との情報を入手しました。 そして風ノ忍衆はそのある組織の傘下だと事も分かりました」


「うむ、私の憶測が当たったようだな」


「そのようですね、流石柳機関長です。 そしてその組織は……どうやら《ペティルファミリー》だと言う事も精密な調査で知れました」


「ペティルファミリー……アメリカの犯罪組織、マフィアとはな。 そして同時に、奴らの三大幹部組織の一角と来たか……」


 柳機関長は苦悩する。だが、優奈を狙う者達が誰なのかは柳機関長は分かりきっている故、今更悩むのは手遅れだ。

 ペティルファミリー、それはアメリカで最も強大で危険な異能犯罪マフィアで、その構成メンバーは一族なるもの。一族全員が異能者で犯罪者だ。


「この事はアメリカ魔導機関は知ってるのか?」


「いえ、まだです。 柳機関長に知らせる事が最優先ですので」


「そうか。 なら丁度いい。 この事はアメリカ魔導機関上層部にだけ知らせろ。 それ以外は他言無用とな」


「……やはり優奈さんが狙われる理由を秘密にするのですか?」


「ああ、そうだ。 もし優奈が狙われる理由を、優奈の秘密を公になれば……優奈は世間から害なす異端者になってしまう」


 窓ガラス越しから景色を眺める柳機関長は、とても……とても悲しい表情をしていた。

 それは清水とそうであった。

 2人は優奈の秘密を知ってる。

 優奈に隠された秘密。

 それは余りにも残酷な運命と言えるもの。


(のが)れられない運命を背よう少女を救いたい。 だかそれは私達では到底救い出す事は出来ない。 故に、私は唯一救い出す事が出来る希望ーー」


 そこで言葉を切り、一拍の間の後、



「ーー『白銀の召喚師』なら、彼女を……優奈を救い出せると、私は信じている」



 そう希望にすがる柳機関長の背中を目にする清水も、あの英雄ならきっと……と同じく信じるのであった。


お読み下さりありがとうございます!


次回から第1章の後半へ突入です。

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