番外編・魔王になってしまった私がハーレム能力を持っいた幼馴染と一緒に旅をする話- 後編
缶詰などを購入した私達は、久しぶりに周りを見て回ろうという話に。
そこでクリスが私に聞こえない声でぶつぶつと何かを呟いていた。
「よし、今日こそはアリスに俺だって……ぶつぶつ」
「クリス、何かっているみたいだけれど」
「! 気のせいだ! そ、そうだアリス。その、また雑貨屋に行こうとか……」
「うーん、今日はいいや」
「そ、そうなんだ……」
クリスが何となくがっかりしているようだった。
何でかはよくわからなかったが、
「何か欲しいものでもあるの?」
「ノ、ノートかな。情報をメモしてまとめておけば今回はどんな展開になるのか分かるし」
「なるほど、じゃあ行く?」
「そういえばアリスは何処か行きたい場所でもあるのか?」
「ん? 今、ハルザ公園のミミカ花が綺麗らしくて、二人で見に行きたかったけれどそうだね雑貨……」
「と思ったがそういえば、家にまだノートが残っていた気がするな! よし、公園に行こう」
クリスがノートが家に残っているのを思い出したらしい。
そんなわけで私たちは公園に向かったのだった。
さて、花を見ていた私はそこで、迷子のお女の子と遭遇した。
一人でぼんやりと空を見つめている少女。
めったに見ないくらいの綺麗な少女で、この子は何で一人なのだろうと思ってすぐに、迷子だと気づいた私。
「君、迷子なの?」
少女に聞くと頷く。
だから、この公園を管理している事務所に連れて行こうと私はする。
少女は素直に私の手を握りついてくる。
大人しい子で、あまり言葉を発さない。
そこで後ろの方で声がした。
「いたぞ、あのガキだ!」
あまりよろしくない声が聞こえたのだけれど、振り返ると三人ほどのあまり人相の宜しくない人物が三人ほどこの少女を捕まえに来ていた。
家に連れ戻そうというふうには到底見えない三人組だが、
「アリス、その子を連れて走れ! 俺はこいつらを片付ける」
「分かった!」
そしてクリスに彼らをおまかせして少女を抱き上げる。
奇妙なほどに軽い少女。
そこで少女が、
「まおうさま」
「え?」
「つれていってください。みなみのに」
「この公園の南にある森ってこと?」
そうきくと頷く。
そして私はそちらに向かう、そこで、
「あら、魔王様、どうかされましたか?」
「ウィント、何でここに」
「いえ、この森の主である妖精が世代交代したのですが、名前は言えないのですが捕まえようとしている方がおりまして……あら? その子ですね、森の主。魔王様が保護してくださったのですか?」
「う、うん。クリスと歩いていたら会ったの。クリスがそういえばさらおうとした男三人倒していたけれど大丈夫かな?」
「只の人間三人程度に遅れを取るようでは勇者としては駄目ですね」
相変わらずウィントは手厳しい。
そこで、少女がふわりと浮かび上がり、
「まおうさま、まりょくもらってもいい? すこしだけ」
「いいよ」
私がそう答えると、少女は微笑むと同時に背中には根が生える。
私の魔力が本当に少し減ったけれど、そこで少女な妖精さんが、
「ありがとう、これでほかの人にはつかまらない。あとでおれいする」
そう言って消えてしまう。
ウィントが言うには、森の主として完全に皇太子自身を守ることが出来るようになったらしい。
私の魔力は妖精と親和性が良いのだそうだ。
そしてクリスに事情を話すと、そうなのかと言っていた。
ちなみに倒したその少女を追いかけた三人は、ウィントが連れて行ってしまった。
何をするのか聞いたが答えてもらえなかった。
そして次の日窓辺に幾つかのこの時期に食べられる果実が、私とクリスの家の窓際に置かれていたのを、ここに記しておく。




