Trial & error ∞
インフィニティの綴り忘れました。
今、変換で出てきてましたけど、面倒なのでそのままgo!
エイプリルフール、四月一日。
ブルーの水玉模様のカーテンを開け、窓から外を覗くと、空には厚い雲がかかり薄暗いけれど、ネットの天気予報によると雨の降る気配はない。
「おはよう」
返事がないのは分かっていたけど、百の部屋に一応声を掛け、寝ぼけて滑り台しないように慎重に階段を降りた。
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
父も母もいつもよりも緊張しているのが分かる。二人の表情を見て、私の緊張が少し和らいだ。
テーブルには、まだ湯気の立っている白米と、お豆腐とワカメのお味噌汁、筒状の容器に入った味付け海苔が並んでいた。
「いただきます」
3人揃って合掌して、揃ってご飯に箸をつけた。
「でだ」
父が戦闘の端緒を開く。間違えた。会話のきっかけを作ってくれた。
「今日からは白も社会人だ。車壊人として大切な事は研修で教えてくれるだろうが、一つだけ言っておきたい」
(あれ?今、誤字ってなかった?)
「白は今日から責任を背負わなければならない。アルバイトが責任を背負ってないとは言わないが、今日からは千倍になると思いなさい」
(メンドクサソウなの来た。)
「お父さん?社会人初日から鬱病発症しそうな発言やめていただけませんか?」
「白、今日からセキニンっていうの白のところでしか買えなくなるの?」
?
……?
!
「お母さん!専売じゃなくて千倍!十の三乗。十倍百倍千倍」
「あぁ。千倍。分かった。セキニンって責任ね。社会人ってすごいのねぇ」
vsお父さん、母の仲裁により引き分け。
「行ってきまーす」
入社式は公共交通機関で来るように指示があったので、近くのバス停までのんびり歩く。公園の桜は満開の花を咲き誇らせている。
バス停に着くと、発車時間までは7分程の時間があった。
スマホを取り出し、雄輝くんにラインを送る。
「入社式に出発します。ちょっと緊張するけど頑張るね」
雄輝くんの就職した会社は小さな個人経営の電器屋さんなので、入社式は特に無いらしい。
(まだ寝てるな。)
今までの経験から考えると、絶対マナーモード要請くるな。
賢い私はスマホの右脇のボタンを長押しし、電源を切るをタップした。
入社式会場の駐車場にはスーツを着せられた高校生が沢山集まっていた。私も周りから見ると背伸びした高校生なんだろうな。なんて思いながら、スマホと仲良くしてる人達の間を抜け、チラチラと辺りの様子を伺っている女の子に声を掛ける。
「おはようございます。オバトラの入社式ですか?」
「はい。あ、おはようございます。知らない人ばっかりで緊張してて……。声かけてくれて、ありがとうございます」
「私もです。あ、私は村越白です。親しい人たちからは『ぐみ』って呼ばれてます。よろしくおねがいします」
「ぐみさんですね。美味しそう。私、倉敷葉月です。よろしくおねがいします」
くらしきはづき……くらしきはづき……。
(テツの人たち誘惑するチャンス?)
「"キハちゃん"とお呼びしてもいいですか?」
「きは……?初めて呼ばれました。はい。分かれば大丈夫です。私もぐみちゃんて呼びますね」
「キハちゃんも高卒就職組ですか?」
「いえ、大学目指して浪人してたんですけど、ちょっと難しくて就職した口です。ぐみちゃんは高卒就職組なんですね」
「えーー!年上の方だったんですね。お気軽に"ちゃん"付けしてすみません」
「大丈夫です。むしろタメでお願いします。おばさん扱いされるのヤダ」
「了解です。同期全員タメ口計画執行しましょう」
二人で小さく頷き合ったところで、入り口から出てきた何か偉そうなオッサンが叫び始めた。
「オーバーラップトライアングル入社式に集まったヤツ!もう受付始まってるぞ!さっさと中、入れ!」
入り口の一番近くに陣取っていた男の子が、
「ほーい」
と気だるそうに返事をしながら建物に入っていったのを皮切りに、周辺に屯っていた人たちが続く。
「なんか偉そうなオッサンだね」
「そうだね」
私達が最後に中に入っていった。
受付には、十二、三人の列が出来ていた。微笑みを崩さない受付のお姉さんがテキパキとさばいていく。私の順番が回ってくるまで5分とかからなかった。
「お名前と事前にお知らせした受付番号をお願いします」
2,3秒目が合い、
「村越白です。受付番号は13番です」
答えると、右上に"13mt"と書かれたA4サイズの封筒が渡された。
「どうぞ。入社式、及びオリエンテーションで使う"はじめましてセット"です。中に入って、お好きな席でお待ち下さい」
とびきりの笑顔のあと、軽い会釈で見送ってくれた。
小会議室に入ると、席は5つ空いている。後方の並んで空いていた席に座り、封筒の中を覗き込むと、十枚ほどのA4サイズの紙とボールペン、そして薄いプラスチックケースに入った名刺が入っていた。
隣の席にキハちゃんが座る。
「いよいよだね」
「うん」
演台に30代くらいの女の人が立ち、ゆっくりと話し始めた。
「予定の時刻はまだ来ていませんが、全員揃ったようなのでオーバーラップトライアングル社入社式を始めさせていただきます」
【次回予告】
次々と登壇するおっさんとおばさん達!
果たして奴らはモブなのか?
そして明らかになる真実"次回予告は嘘っぱち"
また次回も見てくださいね♪ジャンケン……サービスサービスぅ。




