第55話 気が付いたら二カ月?!
あー……そういえば強敵と戦ったな。
なんか懐かしく感じるけども。
エグゼバグとか魔王、勇者等、ここ最近濃い奴等が多かったから、そんなこともあったな?程度の感じになってしまったが。
それにしても、ほぼ俺が倒したと確信している聞き方だな。
ジェネラルが死んでいたんですが、何か知っていますか?とか、あの周辺で何かありましたか?みたいな聞き方なら情報収集なのだが、今の聞き方は、ほぼバレている感じだな。
そもそも冒険者の登録時には、職業は書いてなかったし、普通の鑑定では剣術2ぐらいしか戦闘特技がない事が分かるはず。にも関わらず、魔術師ですか?と言う聞き方をするという事は、ある程度の確証があっての事だろう。
ゴブリンジュネラルの討伐事態は、絶対にバレたくないとかではないから別にいいし、そもそも証拠隠滅とかもしていないから、いつかはバレる事態であったのだろうか。
まあ、もう面倒くさい事にはならないだろう。
「そう、ですね。一応そうなります」
とカトライナさんを見ながら答える。
「そうですか……。では神崎さんにお伝えしなければならない事が2つあります」
カトライナさんは姿勢を正し、
「まず、神崎さんの冒険者ランクが上がります。最低でCランク、上がる意思があるのであればAランクとなっております」
え!?マジで!?
ビックリして隣のサーシャを見ると、若干ジト目で(何したんですか?)と目で語ってきた。
いや俺は何もしていない!
無罪です!
そんな俺たちを見ながら説明をしてくれるカトライナさん。
「アルスメットのギルド長曰く、ジェネラルが死んでいた周辺を調べてみると、中級魔法や複合か上級の魔法が放たれた形跡があり、さらに4種類から5種類の中級魔法を50発以上放たれていた後を発見し、さらに足跡をたどってみると、それをやったのが一人である。と結論づけたそうです」
隣で聞いていたサーシャが、額に手を当て「はぁ」と溜息をついていた。
「神崎さん。それ、大魔導士の行いじゃないですか……」
「え?でも、ほとんど中級魔法しか使ってないよ!?」
「そういえば、その辺の事情と言うか現状をお伝えしていませんでしたね」
帰ったら、その辺の常識を教えますね。と、良い笑顔で言われてしまった。
――どんなプレイを強要される事やら。
コホンと咳ばらいを一つしたカトライナさんが、
「話を戻しますが、冒険者ギルドとしては、それほどの実力者であれば上を目指していただきたいのですが、何か事情がありそうでしたので、面談を設けお話し合いをさせて頂きたいと思います。よろしいでしょうか?」
あー……つまり、ジェネラル討伐を名乗り出ない上に、実力を隠して去って行ったから、何か事情があると踏んで、お互いの納得できる関係を作りませんか?って事か。
「まあ別に構いませんよ。お答えできる事なら答えますし」
「――もっと難色を示されるのかなと思いましたが、そうでもないんですね。では質問させていただきます。でわまず・・・」
◆◆◆
なんだよ、どこぞの国の要人で使命を帯びた超一流魔術士って。
いやまあ、自分の世界に帰るために、やりたいことはあるけど使命って感じじゃないしな。
とりあえず、戦闘能力はAランクのCランク冒険者として登録してもらった。
とは言え、目立ちたい訳では無いので、公表するとか宣伝する事などは控えてもらっている。
んで、当分の間はここを拠点として活動すると言ったら、ものすごく喜ばれた。
なんせ魔王騒動で、ほとんどの冒険者は去ってしまい、ギルドに運ばれる案件が解決しないで溜まっていく一方だったらしい。
中には、厄介な案件もあり相当悩んでいたらしく、戦闘能力が高い冒険者がいるだけで相当な数が捌けるとの事。
冒険者の数が一定以上になるまでは、特別手当も付くらしく、相当条件のいい仕事を回せるらしいので、クエストをこなしてほしいと頭を下げられた。
ついでに、俺にかけられていた変な情報も取り下げてもらった。
ただの能力の高い魔術師として、冒険者ネットワークを流れる事になった。
と言う訳で、明日から暇を見て、冒険者ギルドのクエストをこなしながら借金をサーシャに返し、竜王メフィル・ナーガを探しだすのがとりあえずの目的になった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そんな訳で。
あれから、冒険者ギルドのクエストをこなしたり、ウラヌス教の人達に色んな事を話したりと、ゴドフの作った装備品の試運転をしたりと、約2ヶ月、のんびりと過ごさせてもらった。
竜王メフィルの目撃情報は出てくるのだから、常に世界中を飛び回り暴れ回っているらしく、いかんせん先回りする事など出来ず、どうしようか悩んでいるところだ。
マジで何してんだアイツは。
ただ朗報なのは、エルフの里のあるフランケンヴァルトの大森林地帯周辺では、見かけない事であろうか。
世界樹が折られると、さすがにヤバ過ぎるので、それだけは助かっている。
それにしてもこの2ヶ月、本当に静かだった。
ウラヌス教がてんやわんやしていただけで、アトモス王国も引くぐらい動きは無かったし、帝国も、獣人領への攻撃を行ったという話はなかった。メギド王国も、ロムルスに魔王出現の一報は届いているはずなのに、何も言ってこなかった。
そして一番の驚きが、ウラヌス教の新体制発表に対して、どの国も反応を示さなかった事であろうか。
特にアトモス王国には、司教聖枢機卿がいるにも関わらずアトモス王国は黙認という形をとったのである。
もう怖いぐらい、嵐の前の静けさだよね。一体これから何があるんだよ。




