第32話 ご対面、神専用武器達!
ミッドガルの目抜き通り沿いにある宿屋に一泊した。
とりあえず今日は、情報収集にあてようと思っている。
「にゃ~。うまいにゃ!」
宿屋近くの食堂で、お肉を頬張りながらネオンが絶賛する。
まあネオンは、お肉好きだからなー。
肉食わしておけば、機嫌も良いし。
「さて、神専用の装備品の在りかはどこなのかな?」
「普通は、どこにあるかわかりませんよね?基本的にドワーフ族の秘密とかになるんでしょうか?」
「そうだよね~誰か教えてくれるかな?」
「そうだねぇ~。王城の方にあるポロッカ火山の山頂付近に、神殿があってそこに祀られているはずだよ」
サーシャと二人で、バッと声がした方を見ると、食堂のおばちゃんがガハハハハと笑いながらそこにいた。
「別にドワーフ族の秘密じゃないんだよ!むしろ観光名所的な扱いさ!」
好きなだけ見に行けばいいさと教えてくれた。
お礼を言って、ひたすら肉にかぶりついている、ネオンを引きずり山頂に行くことにする。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
舗装された山道を登る事3時間ほど経った。
さすがに足がパンパンだ。
人が歩きやすい用に、石造りの階段と坂になっており、結構な標高を登ったはずだが、その割には疲れていない気がする。
ネオンとサーシャは割と余裕そうな顔をしている。
もうおじさんだからだろうか……・
少し悲しくなってきた。
そんなことを考えていると、どうやら目的の地に着いたらしい。
そこは、それほど開けた場所ではなく、こじんまりとした石造りの神殿がたっていた。
その入り口にドワーフの兵士が2人居り、その入り口に近づくと、
「おう?我らがドワーフの最高傑作を見に来たのか?」
「ガハハハハ!人族にしては、良い心がけだ!」
自分が作った物でないが、自分らドワーフ族が作った物を他種族に自慢したいのか。
「中に入るのに、何か注意事項などありますか?」
写真撮影ダメとか、飲食禁止とか、触れるのはごご遠慮くださいだとか、こういったところは何かあるはずだけど……。
「「ないな!」」
2人で同時に答え、ガハハハハと笑うドワーフの兵士二人。
おいお前ら仕事しろ!
「まあ基本触れないようになっているし、仮に触れても、持つ事が出来ないからな!」
サーシャと目を合わせ、3人で首を傾げる。
……ネオンはただやっているだけだけどな。
「じゃあ……まあ、行ってみればわかるか」
拝観料的なモノもないらしく、好きに行っていいとの事。
なんか、想像していたのと違うな。
もっとこう、厳戒態勢で侵入するのも大変。
人がごった返してるイメージだったけど、なんかこうさびれた感じだな。
入口から入り、すぐ目の前にある階段を下りていく。
天井には、見ても良く分からない明かりが灯っていて、太陽光は一切入らない
階段を一段一段下りて行くごとに空気が変わっている気がする。
いつもならにゃーにゃ―五月蝿いネオンも静かにしている。
サーシャも後ろからついて来ているが、じっくり観察している感じだ。
そして階段を下り終え、廊下らしき一本道を進む。
その廊下には壁画みたいものがあり、その壁画にはドワーフっぽい者たちが跪いて、後光が差して空中に浮いている人に武器などを差し出している絵だ。
「神崎さん、こんな事していたんですか?」
何やってたんですか。
みたいなジト目でこちらを見るサーシャ。
「俺の記憶にはないけどな」
無罪だと思います。
壁画だけ見ると、なんか徴収してるみたいだな。
そして、その廊下が終わり、廊下の先の室内に入る。
そこは地下神殿のような、広大なところであった。
直径4メートルほどの石柱が何10本も整然と立ち並んでいて、高さはビル6階建てぐらいの高さであろうか、そして、この広大なホールみたいなホールの真ん中に、スポットライトのように、光が集まっている場所がある。
天井や柱に取り付けられた、光源から、そこに向かい光が向かっている。
そこに無言で進む。
透明なアクリル板みたいな物でつくられた、部屋みたいの倉庫みたいな建物の中に、いくつもの装備品が置いてあった。
そして、その透明な建物には入り口がなく、どうやって入ればいいのか分からない。
ただ1か所、棚らしきものが置いて在り、それを神の目で見るとこう書いてあった。
====================
”ここに神の武器職人が作った武具を置き、武具を神に奉納する意思を持った時、その武具は神の武器職人という役割を通し、神の力が注がれ神専用武具としてこの宝物庫の中にしまわれる。それと同時に神の武器職人という役割は神のもとに還る。”
====================
ほー。なるほど、そういう仕組みだったのね。
初めて知りました☆
って事は、この中にしまってある武具は全部”神”専用武具なんだね。
……そんなに数はないな。
「これ、どうやって持っていくんですか?」
「にゃにゃ!?持ってっちゃダメにゃ!勝手に人の物を持ってったらドロボーにゃ!」
いや、神に奉納しているんだから、すでに所有権は俺だろ。
まあ占有権はドワーフだろうけど。
腰に手を当て、フンスとドやるネオン。なぜドやっている。
「まあとりあえず宿屋に帰るか。持って行くにしても今じゃないな」
「……確かに誰が持って行ったかすぐにバレちゃいますもんね」
帰り道も結構長いしね、早めに出ないと夜になっちゃうからな。
階段を上り、神殿から出るとドワーフ達二人が喋っていた。
こちらの足音に気付たのか、
「おうどうだった?ドワーフ族の神髄は?」
「ガハハハハ!」
「言葉に表せない所でしたよ。あの透明な神殿も凄いですし、地下大神殿もびっくりしましたし」
「「そうだろう!」」
ガハハハハと笑う二重奏を、機嫌よく発している。
「まあ装備品がどう凄いのか見ただけではわかりませんでしたけどね」
と伝えると、
「素直な人族だな!いつもの奴なら装飾がーとか品がーとか、グダグダ言うんだがな!」
「そうそう、俺たちでも何が凄いのかわからんからな!」
ガハハハハと笑いながら、いつでも来な!見学は自由だからよ!と、二人の兵士とお別れをし、宿屋に戻る事にする。
山をある程度下りたところで、周りに誰もいない事を確認し、宿屋の借りている部屋にテレポートで飛ぶ。
「だー。疲れたー」
「にゃー!」
「ふう、お疲れさまでした」
と、三人部屋の自分のベッドに倒れこむ。
アルスメットでは一人部屋を二部屋とっていたが、サーシャとはテントで一緒に寝てたし、ネオンも増えたことにより、ミッドガルでは3人部屋を一部屋借りる事にした。
それから少し休憩と身支度を整えて、近くの食堂に移動し晩御飯にする。
宿屋から出るときおかみさんに、
「あんたらいつ帰って来てたんだい?」
と若干訝し気に見られてしまったが、しょうがない。
だって疲れたんだもん。
ここドワーフ領の主食はジャガイモみたいのものである。
ヤギも多くいるので、ヤギ肉とヤギチーズ、ヤギミルク、ジャガイモ、トマトが食卓によく並ぶ。
今日は猛禽類の焼き鳥にチーズをかけたものと、ジャガイモの蒸かしたやつである。
質素に感じるが、お腹が減っているとそんなことは思わず、おいしく頂く事が出来た。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「で、どうします?」
宿屋に帰って来て、部屋で食後のミルクティーを飲みながらサーシャが聞いてきた。
「とりあえず、今から偵察に行って実行は明日かな」
「にゃにするにゃ?」
「ネオンはお子ちゃまだから早く寝なきゃな」
「にゃ!?お子ちゃまじゃないにゃ!淑女にゃ!」
「お!偉いぞーそんな難しい言葉知ってるなんて」
と言いながら、ネオンの頭を撫でてやる。
当たり前のようにしっぽは立つ。
ちょろすぎませんかね?
ジトーとサーシャがこっちを見ている気がするが、見たら負けな気がするから見ないことにする。
「取りあえず夜中に行ってみてから考えるよ」
「分かりました。私も連れて行ってもらえるのでしょうか?」
「……いや、ネオンを見張っといて。さすがに一人で置いておくのは不安だし。それに、帝国の奴らが狙ってる可能性も否定できないからね」
「そう、ですね。わかりました。神崎さん無理はしないで下さい」
「もちろん!」
と、ネオンと二人でうなずく。
横目でネオンを確認しながら心の中で問いかける。
お前は、本当に14歳なんだよな?




