表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻人録  作者: ポカ猫
32/36

第27話 果し合い中編

お待たせしました!

Twitterなどでも報告しましたが、読みやすくするために空行を増やしました。


では、本編をどうぞ!

「どうだ妖怪もどき、そいつらは強いだろ?」


 俺は今、草履屋が呼びだした凶暴化している人達と戦っている。


「毒も体に回ってきて辛いだろ?そろそろくたばったらどうだ」


 草履屋はニヤニヤと笑いながら、俺達の戦いを眺めている。

 確かに強い、でも剣術の心得がないのか攻撃が隙だらけだ。その隙を的確に突いていけば、体力の消費を最小限に抑えて戦える。


「この状況だと、Boostも使えないな……」


 この人数相手に機動力を捨てるのは、流石に死にに行くようなものか……


「おい、あの鳥の羽が付いた妖怪を斬れ!」


 草履屋が何かを思ったように、ふとそんな事を叫んだ。

 すると、ミスティアさんの近くにいた人が、俺ではなくミスティアさんに刀を振りかぶった。


「えっ……!?」

「危ない!!」


 急いでミスティアさんの前に行ったはいいが、刀を構える事が出来ず、そいつの攻撃をまともに貰ってしまった。


「ぐっ……!」


 腹の辺りを斬られ、かなり深かったのか傷口から血が噴き出す。


「義人さん!!」

「大丈夫ですか……?」

「義人さんが守ってくれたので私は大丈夫です…… でも、義人さんが……」


 ミスティアさんが俺の傷口を見て涙目になる。


「ミスティアさんを守れたのなら、こんなのかすり傷ですよ」


 ふらつきながら立ち上がり、草履屋を睨む。


「おい、ミスティアさんは関係ないだろ!」

「攻撃が当たってなかったみたいだから、そいつを攻撃したらお前の方から当たりに来るんじゃないかと思ってな」


 草履屋が笑いながら俺にそう言った。

 これ以上戦ってると他の人にも被害が及ぶかもしれないな……

 草履屋以外の奴らは元は一般人だから使いたくなかったが、やるしかないか……


「妖夢さん、これを預かっててください」


 そう言って俺は、妖夢さんに親父の刀を投げ渡す。


「義人さん!?何をするつもりですか!?」


 身軽になった俺は、空に魔法弾を打ち込む。

 すると、それを見たアリスさんが何かに気づいたらしく、焦りの声を出す。


「義人!?やめなさい!!あなた死ぬつもり!?」

「アリス?どういう事だ!?」

「魔理沙、空を見て!」


 空にはあの時と同じ雨雲が集まっていた。


「義人には今杖がない…… ってことは!!」

「雷を伝える溶媒に自分を使うつもりよ……」


 気づかれちゃったか……

 でも、皆さんに迷惑をかけないためにも、もうやめるなんて出来ないんだよな。


「皆さん、今までありがとうございました……」

「そんな事言わないで!!」


 アリスさんが叫び、そのまま泣き崩れた。


「雷符「雷神の息吹」!」


 スペルを宣言すると、俺を中心に草履屋のいる所まで届く大きな魔法陣が作り出される。


「なんだこれは?妖怪もどき!お前、何をした!!」


 草履屋が魔法陣から出ようとした瞬間、雷が俺に直撃し、周りの手下を含めた全員に電撃が打ち込まれる。


「―――――――っ!!」


 悲鳴すら出ないのか……

 消える意識の中、周りの手下達と草履屋が倒れているのが見えた。




 目を開けると、俺の周りには沢山の彼岸花が咲いていた。


「よう、起きたか?」


 声が聞こえた方を向くと、そこには親父を迎えにきた鎌を持った女の人が立っていた。


「あなたは…… 確か……」

小野塚小町(おのづかこまち)だ、お前の親父を迎えに来た時にあったな」


 木の近くに腰を下ろし、俺にも座るように促す。


「俺はやっぱり死んじゃったんですか?」

「いや、まだ死んではいないよ。正確に言えば危篤状態にある、お前が無茶するからこうなったんだよ。海斗が怒ってたぞ?」


 親父も見てたのか…………


「でも、女の子を助けたのは偉いって褒めてたよ。流石俺の息子だってね」


 俺の頭をクシャクシャに撫でて、小町さんは笑顔でそう教えてくれた。


「今のお前に出来ることはない。良く頑張った、後はあいつらがお前を何とかできるかだ。それまで暇だろ?私に海斗に話す予定の話を聞かせておくれよ。あいつに自慢したいからさ」


「分かりました」


 そうして俺は、小町さんに幻想郷に来てからの事を話し始めた。




 義人の電撃をくらった草履屋は何とか意識を取り戻し、バレないように里から逃げ出していた。


「ぐっ……!まだ体が痺れてやがる…… あの野郎!絶対に許さん!!」

「誰を許さないの?」

「えっ……?」


 草履屋が顔を上げると、そこには博麗霊夢と……


「い、伊吹萃香(いぶきすいか)!?」


 里の人間が恐る鬼、伊吹萃香が立っていた。


「あんた、義人と果し合いをしてたんじゃないの?」

「はっ!あの妖怪もどきなら雷を浴びて自滅したよ!」


 草履屋は霊夢達に笑いながらそう伝えた。


「天狗達から事情は聞いてるの、あんた散々卑怯な事した癖によくそんな風に言えるわね……」

「霊夢、お前先に行け。こいつには私が義人とやらの代わりに制裁を加えてやる」


 霊夢が卑怯な事と言った瞬間、場の空気が凍ったようになり、萃香が草履屋に近づいた。


「ん、分かったわ……」


 霊夢は萃香が怒っているのを察したらしく、言われた通りに人里に向かった。


「私は嘘や卑怯な事が大嫌いなんだ」


 萃香は、草履屋の頭を掴み、睨みをきかせる。


「悪かった!た、助けてくれ……!」


「嫌だ……」


 そのまま、勢いをつけて近くにあった岩に草履屋を投げつける。


「ぐっ……!!」


「これでいいか、よし、霊夢の後を追おう」


 萃香は草履屋が息絶えたのを確認すると、人里を目指して走り出した。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


またスランプに入りました……


次回更新は来週までには上げたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ