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東方幻人録  作者: ポカ猫
27/36

バレンタイン前編

大変お待たせしました!


1週間のお休みありがとうございました。

今回はバレンタインの特別編です

えっ?2日遅いって?


では、本編をどうぞ!

 今日は現代世界においては菓子メーカーの陰謀の日。いや、バレンタインと言った方が妥当だろうか。

 幻想郷にもバレンタインがあり、恋する少女達は意中の相手にチョコを渡そうとしていた。



 今日はバレンタインか…… まぁ、俺には縁のない日だな。幻想郷に来る前も特にこれと言ったこともなかったしな。


「義人、ちょっといい?」

「レミリアさんどうしました?」


 図書館に向おうとしていたら、レミリアさんに引き止められた。


「あなた男だからこれあげるわ」


 そう言ってレミリアさんが俺にチョコを差し出した。


「えっ?いいんですか?」

「あぁ、咲夜に今日は男にチョコをやる日だと聞いてね。それでちょうど良く義人がいたから渡そうと思ったのよ」


 うわぁ……! 初めてだな、バレンタインにチョコ貰ったの。


「ありがとうございます!」

「気にしなくていいわ、どこかに行こうとしてたんでしょ?邪魔して悪かったわね」


 レミリアさんはチョコを渡し終えると、満足したのか自分の部屋へと帰っていった。


「一旦部屋に戻って夜に食べよう!」


 レミリアさんから貰ったチョコをしまい、再び図書館へ向かう。




「パチュリーさん、失礼します。あれ?いないのかな?」

「パチュリーなら珍しく買い物に出掛けてるわよ〜」


 いつもパチュリーさんが読書をしている机にアリスさんがいた。


「最近よく来てくれますね」

「ここだと魔法の研究が捗るのよ。後、会いたい人もいるしね」


 パチュリーさんのことかな?


「そうだ義人、これあげる」


 アリスが取り出したのは可愛くラッピングされたチョコレートだった。


「あ、ありがとうございます!」

「手作りなんだからしっかり味わって食べてね?」

「はい!」


 余程嬉しそうな顔をしていたのか、俺の顔を見てアリスさんがニヤニヤと笑っていた。


「じゃあ私はこれで帰るわ」

「パチュリーさんを待ってたんじゃないんですか?」

「義人にそれを渡すために待ってたのよ。それじゃあ」


 そう言ってアリスさんは帰ってしまった。




 図書館でしばらく勉強をしていると、図書館に誰かが入ってきた。


「お兄様!!」

「うわぁ!びっくりした……」


 フランさんが後から抱きついてきた。足音をたてないために飛んできたのだろう。


「びっくりしたでしょ?それと、これあげる!」


 フランさんは、俺の膝の上にチョコを置いた。


「咲夜と一緒に作ったんだ、美味しいと思うからちゃんと食べてね。後、咲夜?早く来なよ〜!」

「あ、あの…… 義人さんに合わせる顔が……」

「もう、反省したんでしょ?せっかく作ったんだから渡さないと意味無いよ?また『これからはあなたの咲夜です』とか言わなきゃダメだよ〜」


 フランさんが咲夜さんを部屋に引っ張ってきたけど、途中からフランさんがニヤニヤしだして咲夜さんで遊んでるのが目に分かった。


「あの…… あの時の私は本当にどうかしてました。許してほしいなんておこがましいかもしれませんが、謝らせてください。すみませんでした」


 咲夜さんが顔を赤くしながら頭を深く下げて誤ってきた。


「いや、もう気にしてないですから大丈夫ですよ。頭を上げてください」

「良かったね咲夜、許してもらえて」

「はい!あ、これ良かったらどうぞ!本命チョコと言うものです!」


 咲夜さんが嬉しそうに俺にチョコを手渡した。って本命チョコ!?ど、どうすれば……


「返事はまだ大丈夫です。いつか時期が来たらしっかりとお話しますので」


 咲夜さんは俺にそう伝えて仕事に戻っていった。


「あ、咲夜抜けがけして言うなんてずるい!お兄様?私のも本命だからね!」


 そう言い、フランさんも咲夜さんを追うように図書館を出ていった。


「4つもチョコを貰えるなんて、恵まれてるな俺……」




 チョコをしまいに部屋に戻ると、机の上に妖怪の山に来てくださいと書かれた紙が置いてあった。


「文さんかな?言ってみるか」


 山に着くと、文さんが待っていた。


「お待ちしてました!では、行きましょう」


 新聞屋に着き、またこの前と同じでソファーに座るように言われた。


「お久しぶりです義人さん」

「エルさん、お久しぶりです」


 エルさんがコーヒーを持って俺たちの前のソファーに座った。


「今日はどうしたんですか?こっちに来て欲しいなんて」

「いや、特に重要なことがあった訳ではないんですけど、これを渡したくて」


 エルさんは机の上にラッピングされたチョコを置いて俺に差し出した。


「諜報部から義人さんへのバレンタインチョコです」


「諜報部の皆が義人さんにチョコを上げるって聞かなくて大変でしたね。結局そんなに沢山の渡すと義人さんが困るってなって、皆でお金を出して代表としてエルさんが渡すことになったんですよね」


 文さんが笑いながらそのチョコを見ていた。


「ありがとうございます、大切に食べさせてもらいます」

「それと、これは私個人からのチョコです」


 文さんが懐からチョコを取り出し、俺に手渡してくれた。


「あの…… 義人さんに少しお願いがありまして……」


 文さんにお礼を言ってチョコをしまうと、エルさんが顔を赤らめて上目遣いで俺にそう話しかけてきた。


「どうしました?」

「あの…… 頭を撫でて欲しくて……」

「あっ!私もお願いします!」


 それから10分程二人の頭を撫でると、二人は満足したようで俺の手を引いて山のふもとまで送ってくれた。


「二人ともチョコありがとうございました」

「諜報部からのチョコは市販の物ですけど、私のは手作りですからね」


 二人に改めてお礼を言い、俺は妖怪の山を離れた。




 どうせここまで来たなら白玉楼に行って妖夢さん達に顔を見せていこうと思い、白玉楼に向かっているとミスティアさんの屋台が見えた。


「こんにちは、まだお昼前なのに営業してるなんて珍しいですね」


「あ、義人さん。今日は定休日なんですよ。でも、もしかしたら義人さんに会えるかなと思ってここで待ってたんです」


 ミスティアさんは笑顔で俺を屋台の中に招き入れた。


「なにか俺に用事でもあったんですか?」

「はい、今日は何の日かご存知ですか?と言っても義人さんはいろんな方にもらってるから分かってると思いますけど」

「バレンタインですよね」


 そう答えると、ミスティアさんは笑顔になり正解ですと俺の頭を撫でた。


「ということで、これ義人さんにチョコレートのプレゼントです」

「ありがとうございます、いいんですか俺が貰っても」

「もちろんです!」


 そう言うと、ミスティアさんは俺の隣の椅子に座り、腕を組んできた。


「そのチョコは私の愛の詰まった手作りです。私の愛に答えてくれますか?」

「えっ……?」


 突然のミスティアさんの告白に焦ってまともな思考ができない……


「ふふふっ……冗談ですよ。やっぱり義人さんは可愛い反応をしてくれますね。でも、愛が詰まっているのは本当なので大事に食べてくださいね?」

「はい…… わかりました」


 最近よくミスティアさんにからかわれてる気がする……




 ミスティアさんの屋台を出て、白玉楼にたどり着き扉を軽く叩く。


「は~い、どちら様ですか?」

「こんにちは、近くまで来たので寄ってみました」

「義人さん!どうぞ入ってください!!」


 妖夢さんに引っ張られ、居間まで連れていかれる。


「あら、義人いらっしゃい」


 そこには幽々子さんもいて、俺を暖かく迎えてくれた。


「ちょうど今紅魔館に行こうとしてたんですよ」

「どうしてですか?」

「これを渡しに行くためです」


 そう言って、二人が取り出したのはハートの形にラッピングされたチョコレートだった。


「これを俺に?」

「はい、迷惑でした?」

「いやいや、そんなことないです。すごくうれしいです!ありがとうございます!」


 俺がそう答えると、二人は顔を見合わせてよしっ!とガッツポーズをとった。


「ちなみに二人の手作りよ?妖夢が一生懸命作ってるから私も一緒に作ってみたの」

「そうだったんですか」


 他の人同様に大事に食べないとな。


「それより、義人さん他の人からもチョコ貰ったんですか?」

「はい、沢山の人から貰えました。バレンタインにチョコを貰うのなんて初めてだったのですごくうれしかったです」


 すると、妖夢さんはやっぱり……と肩を落としてしまった。


「一番に義人に渡したかったわね~、来年はがんばりましょうね妖夢」

「はい!!」


 妖夢さん達とお昼を食べて、そろそろ紅魔館に戻ろうと思い、白玉楼を後にした。


「いや、それにしても出掛けた先で5つもチョコが貰えるなんてびっくりしたな……」

最後まで読んでいただきありがとうございました。


次回更新予定日は月曜日か火曜日になります

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