第9話 大宴会
お待たせしました。
異変解決後の宴会時の話です。
それでは、本編をどうぞ
博麗神社に着くと、もう宴会が始まっていた。
「おい霊夢!主役が帰ってきたぞ!」
魔理沙がこっちに来いと手招きをしてきた。
「随分と遅かったのね、何かあったの?」
霊夢さんがコップに透明な液体を注ぎ、俺に渡しながらそう聞いてきた。
「いや、フランさんと一緒にゆっくりと来ただけですよ。後、俺は空飛べないですから」
俺の隣で羽をパタパタさせているフランさんに、笑顔を向けながら俺はコップを受け取った。
「そうだったわね、ほら飲みなさいな。あんたのために取っておいたお酒なんだから」
「あの、俺の20歳前なんですけど……」
見た事ない水だと思ったら酒かよ!
ってことは、周りの皆が飲んでるのってあれ全部酒!?
「何言ってんの?幻想郷じゃあお酒なんてよほど子供じゃない限り皆飲んでるし、規制もないわよ」
そう言いながら霊夢さんは、自分のコップに入っている酒を一気に飲み干した。
「そうだぞ、霊夢が珍しく人に酒を残しといたんだから飲んだ方がいいぞ」
魔理沙さんも、笑いながら酒を飲んでいる。
マジで皆飲んでるな…… 本当に飲んでいいのか疑いの方が強いけど、折角の祝いの席だし飲むか……
「じゃあ、いただきます」
覚悟を決めて一気に酒を喉に流し込む、喉を通る酒は予想より遥かに美味しく、そのまま飲み干してしまった。
「いい飲みっぷりじゃない、どう?初めてのお酒は」
「とても美味しかったです」
それなら良かったと言い残し、霊夢さんは他の人達の所へ行ってしまった。
暫く、魔理沙さんとフランさんと話しながら酒を飲んでいると、慧音さんと妹紅さんが俺たちの方へ来てくれた。
「よう、義人。結構飲んでるみたいだが酔ってないみたいだな」
「自分でもこんなに強いとは思いませんでした、お二人も一緒に飲みませんか?」
二人分のコップに酒を注いで二人にに手渡す。
「あぁ、いただくよ」
慧音さんが二人分のコップを受け取り一つを妹紅さんに渡した。
「では、今回の異変解決を祝して乾杯」
三人で静かにコップを鳴らし、それから皆で和気あいあいと話しはじめた。
「そう言えば魔理沙、私と義人が修行してた時に義人に会えなくてしょげてたみたいじゃないか」
すると、魔理沙さんが顔を真っ赤にして妹紅さんに怒鳴った。
「そんなこと言ってない!それに慧音の方だって霊夢に異変を伝えた時に、「義人は大丈夫だろうか……」とか言っておどおどしてたじゃないか!」
「今の話に私は関係ないだろう!」
そんな会話をしながら飲んでいると……
「じゃあ私は鬼と飲み比べでもやってくるよ、慧音はここで飲んでな」
そう言って妹紅さんは俺に空のコップを渡し、そのまま立ち去ってしまった。
「義人さん!」
そう俺の名前を呼んで、そのまま俺に女の子が抱きついてきた。
「ええと…… どちら様でしょうか?そしてなんで抱きついているんでしょうか?」
「私は射命丸文と言います、文って呼んでください。義人さん!あなたに愛を伝えに来ました!!」
文さんは俺から一旦離れ、自己紹介を終えた後再び抱きついてきた。
「愛!?俺にはさっぱり何を言っているのか分からないんですが……」
俺が困惑していると、文さんは俺の頬にキスをして俺から離れた。
「一目惚れです。長年生きてきてこんな事初めてです、こんなにも人が愛おしいと思ったのは。でも、義人さんの周りには義人に好意を寄せている相手が沢山います。だから私も仲間に入れて貰おうと思いまして」
文さんが頬を赤くして俺への気持ちを言ってくれた。
ていうか、キスをされたんだが……
「義人さん!あなたの事が大好きです!私、他の皆さんに負けないように頑張りますから!」
そう言って、文さんは物凄い勢いでどこかへ飛んでいってしまった。
「義人、私の気持ち忘れた訳じゃないよな?まだ1日も経ってないぞ?」
慧音さんが頬を膨らまして俺の腕を掴んだ。
「いや、忘れる訳ないですよ」
「なら、いいんだが…… もう1回言っておくが、私は2番なんて嫌だからな?絶対にお前を振り向かせてやるからな」
そう言って慧音さんは俺から離れ、コップに注がれた酒を飲み干した。
魔理沙さんが酔いつぶれて、寝てしまい。フランさんもいつの間にかどこかへ行ってしまった。
慧音さんと静かに二人で酒を飲んでいると、前から見覚えのある銀髪の女の子がやってきた。
「義人さん!」
「妖夢さん、またまた心配させてすみませんでした」
妖夢さんは俺の体の怪我を見て、少し安心したような顔をした。
「怪我はありますけど、そこまで大きなものじゃなくて良かったです」
そう言った後に、妖夢さんが俺の横にある酒瓶の数を見て怒り出した。
「義人さん、飲みすぎです!酔っていないからって、初めてなのにそんな量を飲むのは体に毒です!」
そんな怒られる程の量を飲んでいたのかと自分の隣を見ると、そこには10本程の空の酒瓶が転がっていた。
えっ?これ本当に俺が飲んだの?飲みすぎじゃないか?
「すみませんでした妖夢さん、こんなに飲んでるなんて自分でも気づきませんでした。この1本でやめますね」
「1本じゃなくて1杯にしてください!」
妖夢さんと話していると、後ろに何かが乗ったような感覚があった。
「お兄様!ただいま!」
その感覚の主はフランさんだった。
「おかえりなさいフランさん、どこに行ってたんですか?」
「お姉様達に義人のお嫁さんになるって話してきたの!」
その瞬間、慧音さんと妖夢さんの動きが一瞬にして止まった。
「義人さん?今の話、どういう事ですか?」
「義人?お前は私よりそんな小さな子供がいいのか?」
二人が俺に詰め寄ってきて来た、妖夢さんに至っては目のハイライトが消えてるんだけど……
「実は…………」
俺は急いで事の経緯を話した。
「なんだ、本当に嫁になる訳ではなく希望と言うだけか。そういう事なら安心した、私は明日の授業の準備があるからこれで失礼するよ、義人も明日は無理して来なくてもいいからな?」
そう言い残し、納得した顔で慧音さんが帰った。妹紅さん置いて行っちゃったけどいいのかな?
フランさんは俺が二人に説明をしている時に、疲れてしまったのか、俺の膝の上で寝てしまった。
「義人さん…… あの…… さっきは怒ってしまってすみませんでした……」
妖夢さんが俯き、申し訳なさそうな声を出した。
「別に気にしないでください、心配させるような事をしたのは俺の方なんですから」
そう言って俺は妖夢さんの頭を優しく撫でた。
「はぅ…… よ、義人さん…… 恥ずかしいです……」
顔を赤くしながらもとても嬉しそうな表情で撫でられるままになっていた。
そんな事をしていると、咲夜さんがフランさんを引き取りに来てくれた。周りを見てみると、もう宴会も終わりを迎える雰囲気だった。
フランさんを咲夜さんに預けて、最後に残った酒を一気に飲んで空を見た。
「綺麗な星ですね」
「そうですね、でもどの星よりも月が綺麗です」
俺は、その言葉の意味を知っていたけど、今はその時じゃないと思い徐ろに立ち上がった。
「そろそろ、帰りましょうか?」
「そうですね、幽々子様はまだ紫さんと飲んでると思いますし、先に帰りましょうか」
二人で並んで博麗神社を後にして、ゆっくりと白玉楼へ向かった。
次の日、酒の飲みすぎで物凄い頭痛に見舞われ、妖夢さんに暫くの間、酒禁止令が出たのはまた別の話……
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回の更新は月曜日までに投稿したいと思っています。




