第7話 初勝利の代償と、新たな脅威
第7話です。
初めての防衛戦に勝利しましたが、
当然それで終わりではありません。
勝った後だからこそ見えてくる、
“次の段階”の気配が描かれます。
翌朝。
村は、少しだけ明るかった。
「昨日は本当に……助かった」
何人もの村人が、そう言ってくる。
信頼。
それは目に見えないが、確かに増えている。
だが――
「浮かれるな」
俺は自分に言い聞かせた。
ゴブリンの死体を調べる。
違和感は、すぐに見つかった。
「……装備が違う」
昨日までの個体より、
革鎧の質が明らかに良い。
短剣も、錆びが少ない。
「統率されてる……?」
嫌な想像が浮かぶ。
(群れの上に、何かいる)
森の奥。
見張り役の老人が、震えた声で報告する。
「見たことのない個体が、おる」
「普通のゴブリンより、大きい」
(上位種か)
その瞬間。
【警告】
周辺エリアの脅威レベルが上昇しています
視界の文字に、背筋が冷える。
(まだ勝てる相手じゃないな)
「全員、作業を急ぐ」
「柵を二重にする」
「罠は増設だ」
指示を出しながら、
俺は頭の中で計算する。
戦力は、俺と村人の連携のみ。
純粋な戦闘力では勝てない。
(なら、削るしかない)
その夜。
森の奥から、
低く重い声が響いた。
「グォォ……」
明らかに違う。
今までの甲高い鳴き声ではない。
村人たちの顔から血の気が引く。
「……ボス級だ」
小声で呟く。
ミラが、隣に立つ。
「勝てるの?」
「今は、無理だ」
正直に答えた。
「でも、弱らせることはできる」
【クエスト更新】
【村の再建:段階2】
・上位個体の撃退
・村人の戦闘参加を1名以上達成
報酬:???
(戦わせる……?)
村人を危険に晒すのか。
葛藤が胸を締め付ける。
だが、このままでは守れない。
「……戦える者を、育てる」
それが次の段階。
俺一人の戦いは、終わりだ。
森の奥で、
赤い光が揺れた。
新たな敵が、
確実にこちらを見ている。
小さな村の戦いは、
もう一段階、上へ進もうとしていた。
読んでいただき、ありがとうございます。
今回は
「勝利の余韻」と
「格上の存在の気配」を描きました。
ここから物語は
“主人公一人の成長”から
“村全体の成長”へ移ります。
次回は、
ついに最初の戦闘仲間が動きます。
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