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膨張する徒花

 ヴィダが槍を身構え「やれ!」と号令を放った。するとギルドメンバーが素早い動きでリゼリア達を取り囲み、先ずは細身の身のこなしに長けたギルド忍者が刀を手にエルを襲った!


「おっと! ──剛炎(ブラスト)!」


 エルの中級呪文が、ギルド忍者にヒットした。しかし中級呪文程度でやられる面々な筈もなく、ダメージはあれど怯まずに刀を振るった!


「クッ! 野郎!!」


「させないよ!」


 フェリーがすかさずギルド忍者の首を刎ね飛ばした! フェリーは感付いていた。エルの魔力は連戦で既に残りわずかであることに……そして自分達がやられれば、残されたリゼリアやマニエルでは到底太刀打ち出来ないであろう事に…………!!


聖焰(イグニス)!」


 リゼリアが放つ白魔道士の上級攻撃呪文が後方で杖を構えるギルドウィザードにヒットした。ギルドウィザードは聖なる焰に包まれ、呻き声を上げながらその身を焦がし倒れた。


「──シッ!!」


 ヴィダが素早く槍を薙いだ! 槍が風を切る音が鳴らす前に、マニエルの体を強く弾いた。マニエルが身構えた時には既に槍の太刀打ちはその身に強く食い込んでおり、骨の折れる音と共に、マニエルは地面を転がされ倒れ込んだ。


「いけません……!!」


 フユハが治癒呪文の詠唱に入るが、ヴィダの閃眼がフユハを標的と捉えた。返す槍でフユハの足を払うと、フユハは体制を崩し詠唱は止まってしまった。地に手を突いたフユハが上を見上げると、槍の石突きが目に止まった。


「──!!」


 フユハは素早く転がるが、ヴィダの石突きは的確にフユハの鳩尾を突く。フユハの息は酷く乱れ、噎せ返り、そして吐いた。


 大鉈を振るう巨漢のギルドナイトがエルの首根っこを掴み、首を刎ねようとしていた。


「が……あが……なせ……!!」


 ジタバタと暴れ狂うエルだが、力の差は歴然で、フェリーがギルドナイトの腕を切り落とそうと小刀を振るうが、その時既にエルの意識は絶えていた。


「マズいよ!! オイラ一人じゃ……!!」


 倒れるエル、マニエル、フユハ。リゼリアはそれでもその瞳の奥に抗う意思を燃やしていた。



窒息(アスフェク)!!」


 リゼリアの呪文で残されたギルドメンバーが次々と倒れてゆく。ヴィダは辛うじて呪文を免れ、倒れるマニエルに穂先を向けた。


「中々やるようだが、そこまでだ。 引かねばこの娘の命は無いと思え」


「卑怯者……!!」


 ぎりぎりと歯に力を込めるリゼリアだが、仲間を人質に取られては何も出来ず、仕方なく両手を上へと上げた。


「リ、ゼ……リァ…………」


 マニエルは霞ゆく意識の中、リゼリアの身を案じた。そしてその意識が絶える間際、ヴィダの首に迫る脊椎の杖を見たのだった。



「……そこまでだ」


 鋭い眼光から放たれる殺意は、その細い首を刎ねる事に、何の躊躇いも感じさせなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ラスボスの後に更に強敵がいたけど、最後にまた?
[一言] 複雑な戦い、これは次々と明らかになる事がありそうで目が離せません。
2020/12/14 20:49 退会済み
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