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地下二階で奮闘すること暫く、彼女達の懐具合も多少はマシになりつつあった。宵越しの銭を持たぬ探索者は、少なくは無いが、万が一に備え多少の蓄えに回す者や、装備の充実を欠かさぬ探索者だけが生き残れる世界ではない。故に、どのような使い方をしても、誰も咎める事は出来ない。
十人十色ならぬ四人四色──彼女達は解散となると、それぞれが思い思いの場所へと向かう。
リゼリアは武具屋でため息をついていた。
「アレ、痛そうだなぁ」
店の一角に置かれた樫の杖のその先には、激しく尖った鉄の刺が着いており、殴打された者に激痛を与えるメイスとなっていた。
「ハウマッチ? …………フッ……」
リゼリアの口から失笑が漏れた。メイスの持ち手に下げられた値札には、700Gと書かれていた。
リゼリアは財布を覗いた。意外なことに財布には300Gが入っており、もう暫く地下二階で無事ならば買えないことも無い値段であった。
「もう暫く保ってくれよ~」
自前の樫の杖を撫で、リゼリアは家路へと着いた。
フランシスは解散後、家へと直行した。普段ならお菓子やケーキや、お菓子やケーキを買いに行くのが日課であったが、リーゼットから野盗の籠手を買った際の500Gの為に貯金をしていたのであった。
「……今日もモヤシかぁ…………」
モヤシだけの野菜炒めを食べながら、フランシスは自らの職業写真を眺めていた。籠手を買った時、リーゼットから言われた言葉が脳裏に過る。
「クラスチェンジ……か」
お世辞にも白魔道士の適性があるとは言い難いフランシスは、自らの行く先に心を曇らせていた。
フユハはリーゼットから手に入れた魔道書で、更なる高みを目指していた。
「あ、これ……攻撃呪文……かな?」
白く細い指先でなぞられた文字列は、赤丸で大きく囲まれ、横に赤文字で『人ならギリギリ死なない♪』と可愛い文字で書かれていた。
「この人は、人に向かって使ってたのかな?」
フユハはこの魔道書を書いた人物について、あまり素行が良くなかったのではないかと疑った。しかし、高位の呪文についても多く書かれており、同時にかなりの実力者だったのではないかと推測出来た。
「私には、まだレベルが足りない……」
フユハは魔道書を読めば読むほどに、自らの力不足に歯痒さを感じていた。
一方マニエルは──
「……Zzz」
帰宅後速やかに眠りに就いていた。
これにて三章はお終いとなります。
読んで頂きましてありがとうございました!!
──次章については気長にお待ち下さい。
(*´д`*)




