第6話(最終話)
最終話です。
ぜひ1話からのお話を思い出しながら読んでください!!
俺はドアをそっと開ける。
住宅街には似合わない、厳かな格好に身を包む警察官が立っていた。
「〇〇署の者です。あなたがこの投稿をしたの間違いありませんよね?」
そう言った警察官が見せた画面には、俺がした投稿が写っている。
「あぁ、間違いない。」
「それと、秦谷会社に乗り込んだのはあなたですよね?」
「そうだ。」
その一言で俺の未来は決定した。
「それでは、あなたを、国民を不安に陥れた罪、不法侵入をした罪で逮捕します。」
手錠をかけられる。
やっぱり捕まるんだ、と考えた。
それでも成し遂げたかったんだから、仕方がないと受け入れる。
自分でも、その受け入れの早さに驚いたが、覚悟が決まっていたからだろう。
そして、思い出す。
「あい、ごめん。オムライスはまた今度作る。それまで待っててくれ!」
大きな声でそう叫ぶ。
警察官が俺に「うるさい。」と注意する。
あいが走って玄関に駆けつける音が聞こえる。
「ちょっと待って!私、伝えたいことがあるの!」
その足音が聞こえたからだろうか、警察官が俺を急かして、警察車両に乗せる。
「じゃあな。あい。」
言葉が宙を浮かぶ。
「情報流出罪、不法侵入をした罪で秦谷けいじ容疑者が逮捕されました。」
ニュースキャスターが平坦な声で告げる。
「馬鹿だなぁ。」
その声を発したのは、あいだった。
「あの手紙は、私が書いたもの。
まぁ、お姉ちゃんもAIになったのは本当だけど。けいじ君のおじいさんがチップ制度でこの社会を作り出したのが悪いもん。私は悪くない。」
そう言ったあいは、けいじにみせたものではない本当の手紙を読む。
拝啓、大好きなあいへ。
やはり、泰谷けんが、チップ制度を生み出したようです。
あなたと同じ大学にいる、泰谷けいじの祖父です。
けいじと関係を築いて、彼の人生を破滅させてください。
私の人生は狂いました。
彼の人生も狂わせて。
これが、私の生涯、最後の願いです。
もうあと5分ほどで、私は完全にAIとなります。
あなたは、最新のAIなので、きっと大丈夫でしょう。
頼みます。
あいの事が大好きなお姉ちゃんより。
読み終えると、あいは高笑いをした。
「はぁ、思い出したら、面白い。なんでおかしいと思わなかったのかな。私がAIっていうヒントを、あんなにあげたのに。馬鹿じゃん。しかも、私の事好きすぎでしょ笑。」
そう言ったあいの目には、美しい涙が浮かんでいた。
ひとしきり笑い、笑い終わると、赤く腫らした目をこすって、あいは言った。
「でも、私も馬鹿だよなー。けいじ君に情を持ってしまったから。お姉ちゃん、それでも正解だよね?」
だって、私は最新のAI、唯一の弱点も克服した。
何よりも大切な、たった一人のお姉ちゃんを失った。
だから、最後の願いを叶えた。
でも、
「オムライス、食べたかったな。」
けいじ君は何を伝えたかったのかな。
けいじは、独房で独り言を紡ぐ。
「あい、オムライスを作れなくてごめんな。でも...。」
あいは何が言いたかったんだろう。
就職活動テロリズム
俺が全員まとめて救ってやる。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
今回でこのお話は最後ですが、これからは、新たなお話を投稿いたします。
本当にありがとうございました!!




