第五十話 依頼書
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
人だかりの中心。
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掲示板には、一枚の依頼書が貼られていた。
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周囲の冒険者達も、それを見ながら話している。
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「危険度は銀級か……」
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「報酬は悪くねぇんだがな」
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「行った連中が帰ってねぇ」
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そんな声が聞こえてくる。
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マリーが少し不安そうな顔をした。
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「人が消えるって……」
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「物騒だな」
マッキーが腕を組む。
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雪猫は依頼書を見ていた。
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内容は簡潔だった。
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『北方古城周辺における失踪事件の調査』
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『必要に応じて討伐を許可』
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『推定危険度 銀級』
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そして。
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依頼書の下。
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見慣れない紋章。
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マリーもそれに気付く。
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「これ、何の紋章でしょう」
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「知らん」
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即答だった。
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「雪猫さんでも知らないんですね」
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「全部は知らん」
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マッキーが笑う。
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「そりゃそうだ」
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その時。
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後ろから声がした。
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「珍しいな」
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三人が振り返る。
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そこに立っていたのは、一人の女性だった。
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年齢は二十代半ばほど。
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長い黒髪。
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細身。
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腰には細剣。
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冒険者らしい装備をしている。
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彼女は依頼書を見ながら言った。
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「その紋章を見るのは久しぶりだ」
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マリーが目を瞬かせる。
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「知っているんですか?」
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女性は頷いた。
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「古い領主家の紋章だ」
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「昔、この辺りを治めていた一族のものらしい」
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「らしい?」
マッキーが聞く。
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「詳しくは知らない」
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「ただ、今はもう存在しない家だ」
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どこか含みのある言い方だった。
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雪猫が依頼書から目を離さない。
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「古城はその一族の城か」
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「そう言われてる」
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女性は軽く肩を竦めた。
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「だから余計に気味が悪い」
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「最近になって急に人が消え始めたからな」
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周囲の冒険者達も頷いている。
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あまり良い噂は無いらしい。
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マッキーが依頼書を見上げる。
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「で?」
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「受けるのか?」
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マリーが雪猫を見る。
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雪猫は少しだけ考えた。
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沈黙。
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数秒。
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そして。
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「報酬次第」
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「結局そこか」
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マッキーが吹き出す。
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女性も思わず笑った。
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「面白いな、あんた」
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「よく言われる」
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「絶対言われてないだろ」
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マッキーが即座に突っ込む。
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広場の空気が少しだけ和らいだ。
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女性は三人を見る。
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そして。
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少し真面目な顔になった。
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「もし受けるなら」
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「一つだけ忠告しておく」
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マリーが姿勢を正す。
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「何ですか?」
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女性の視線が依頼書へ落ちる。
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「古城そのものより」
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「城へ向かう途中の森を警戒しろ」
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風が吹いた。
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依頼書が揺れる。
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「帰って来た連中は」
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「全員、同じことを言っていた」
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周囲が静かになる。
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女性はゆっくり続けた。
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「森の中で」
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「誰かに見られていた、と」
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雪猫の耳が僅かに動いた。
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マッキーも表情を引き締める。
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マリーは無意識に息を呑む。
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つい先日。
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似たような感覚を経験したばかりだったからだ。
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女性はそれ以上何も言わなかった。
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ただ。
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意味深な視線を古城の方角へ向けていた。




