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第59話 オムライスとプリン

 何はともあれ一発目は京都になった。晴明に連絡を入れるといつでもどうぞということだったので、晩ご飯を食べてから出掛けることとなった。

 晩ご飯は鈴音に合わせてか、オムライスが用意されていた。しかも中にチーズたっぷり。ああ、さっきのダメージが少しは癒やされる。

「美味しいですか?」

「うん。久しぶりのチーズだ」

 ユキの確認に鈴音は満面の笑み。一緒に食べている健星もがつがつ食べているし、紅葉は不思議そうな顔をして食べていた。

「そうだ、お母さんだったら京都の妖怪って何がいるか知ってるんじゃない?」

 そんな紅葉を見て、鈴音は妖怪に詳しくないかと訊ねてみる。

「京都だったら、橋姫様かしら」

 紅葉はすぐに名前を挙げてくれた。しかし、橋姫とはどんな妖怪なのか。

「橋姫だったら晴明がいるから大丈夫だろう。もとより反対していないとのことだし、挨拶だけで終わる」

 それに対し、もうオムライスを食べ終えた健星が、それは簡単だと言ってくれる。だから橋姫って。

「橋姫様は綺麗な方よ。元々は人間だった方だし」

 首を傾げる鈴音に、紅葉が笑顔で教えてくれる。へえ、綺麗なお姫様か。それなら挨拶に行くのも良さそう。

「嫉妬深いがな。男を呪い殺すために鬼になったほどだ」

 しかし、すかさず健星がそんな説明をぶっ込んでくれるので鈴音は咽せた。そ、そんな人なの。

「大丈夫よ。今は縁切りの神様だから」

「選挙期間に縁切りの神様に会ってどうする? 紅葉、あんたから挨拶をしておいてくれ。娘の選挙活動くらい手伝えよ」

 健星はアホかと紅葉にまで容赦がない。まったく、なんでこんなに口が悪いんだろう。

「元があの篁だとすれば、それは仕方ないかと」

 そんな呆れる鈴音に、諦めた方がいいと進言してくるのは左近だ。身分社会だった平安時代に平気で命令違反や天皇への悪口を言ってのけた男だ。冥界なんてやりたい放題で当然であると言う。

「ははあ。普通に生きていた頃からぶっ飛んでるんだ」

「左様にございます」

 その左近は兵部省から戻ったところだった。反対勢力であり攻撃してくることを厭わない鬼たちの牽制をしてくれているのだ。

「お疲れ様。どうなの? その、酒呑童子だっけ」

「反対する者が急速に減り、イライラしているようですね。とはいえ、屋敷は兵部省と我々でがっちり固めておりますので、謀反は難しいでしょう」

「ふん。そう楽観視は出来ん」

 そこでも健星が一言挟んでくる。この男はいちいち何かを言わないと気が済まないのか。しかもデザートのプリンを食べようとしている。

「プリン、私の分もおいておいてよ」

「ダイエットになっていいんじゃないか」

「いや、何しっかり食べようとしてるのよ。それより、鬼ってやっぱり強いの?」

 鈴音は自分の分のプリンをしっかり確保してから訊く。

「本気になれば強いに決まっているだろ。奴らは武芸の達人だぞ」

「へえ。って武芸?」

「ああ。元はと言えば朝廷に反対する勢力が鬼とされたんだ。つまり、地方豪族だな。それがあれこれ伝承と相まって鬼となった。つまり、武将としての部分も持っている」

「へ、へえ」

 鬼って何なんだろう。さっきの橋姫も人間から鬼になったっていうし。まだまだ難しいなあと鈴音は悩みつつも、しっかりプリンを食べていた。

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