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第46話 「トロの自己趣味」

トロの日本でのニート生活が蘇る?




 ••✼••マウケサ付近の森沿い••✼••


 ••✼••夜 野営中••✼••



「ねえトロ?」


「なんだい?」


「ソレ、今度は何を作ったの?」


「ムフフ よくぞ聞いてくれました!」


「「「「!・・・(汗)」」」」



 ナディーの質問に、なぜだかトロは得意げだ。

 だがこんな時のトロが出す物は、大抵は使い物にならなかったり、無駄だったりする。

 そしてやはり今回も・・・



「ジャジャ~~~ン!

 今じゃお前達もよく知る大人気アニメ『ゴンドラ・ボール』に登場する、対象人物のステータスを見る事ができる魔導具(アイテム)、その名も『ステータス・ビューアーNo.38』だあ!」


「「「「わあ~~~すごお~~~い」」」」(棒読み)


 パチ⋯ペチ⋯ポチ⋯パチ⋯(まとまりの無い拍手)


「はい! 静粛に、静粛に~~~」


「「「━━━・・・(汗)」」」(元々静か)


「No.38ってことは、これまで37個も失敗したのね・・・(呆)」


「痛い所を突っ込まないでくれるかい? ナディー君・・・(汗)

 ネズミーのロリ&スチッテのスチッテが成功したのは626号だぞ?

 だが俺は、38号で完成したんだから凄いんだぞ?」


「「「・・・???」」」


「何の事だか全く分からないけど、とにかく凄く自信があるようね?」


「そうさ! 失敗作がたったの2桁なのh・・・「聞いてあげるから、早く話してくれない?」(被り気味)


「おう! これはな・・・」



 確かにナディーの指摘するように、38回目にしてやっと完成(成功?)したトロにとっての大の自信作なのだ。

 トロが作り出したのは、世界的に有名な超人気アニメ『ゴンドラ・ボール』の宇宙人の戦闘民族が装着していた所謂『スカウター』である。

 それの、完璧なパクリであった。

 確かに機能的には申し分無し。

 対象人物に目線を合わせメインボタンを押せば、対象人物のステータスがAR表示されるシステムである。

 また、マップ機能やナビ機能もあり、表示マップの拡大収縮、追跡、誘導、方向、距離測定、などなど様々な便利な機能付き。

 だが・・・



「ねえ、トロ?」


「なんだい? ナディー君!

 なんでも質問してくれたまえ!」


「ソレってさあ、【索敵スキル】があるから、あまり使う意味が無いんじゃない?」


「チッチッチッ! 解ってないなあ~~~ナディー君?

 それをあえて使う事に意味があるんだよ!」


「そ・・・そう?」


「そうとも! それは、ズバリ『カッコ良さ』だ!」


「「「・・・・・・(汗)」」」



 トロのその、『カッコ良さ』が全く理解できないナディー達。

 そんなナディー達に構わず得意げに話し続けるトロ。



「冒険者の中には、索敵を使えない者も居るのは知ってるよね?」


「ええ、まあ・・・」


「そんな冒険者達に、索敵が使える魔導具として売れば、きっと大儲けができるとは思わないかい?」


「そりゃそうかも知れないけど、今でも十分に魔物討伐で稼いでるんだから、わざわざソレを売る必要ある?」


「・・・まあ、金儲けに関してはそうだねえ?

 でも、ただ索敵スキルを使うよりも、なんかカッコ良くないかい?」


「「「「・・・・・・」」」」



 なんとも言い難い、気不味い空気。

 ナディー達は、まったくトロの言う『カッコ良さ』が理解できない。



「あ・・・あれぇ? なんなんだこの空気?(汗)」


「トロにとっては、ソレを使う事がカッコ良い訳なのね?」


「そうだとも!」


「「「「・・・・・・(汗)」」」」



 皆んな、トロのせんとする事に理解できない様子。

 なにせナディー達は、トロとはカッコ良さの概念も価値観も違うのだから仕方がない。

 それも当たり前である。

 この世界は『剣と魔法』の世界である。

 わざわざ機械に頼り、それを美とするなんて、トロの居た魔法の存在しない化学の発展した世界から来た地球人にしか理解できない事である。(たぶん)

 いや、トロの個人的な感覚なのかも知れない。


 結局、トロの言う『ステータス・ビューアーNo.38』を使うのは、トロ1人だけだった・・・

 索敵スキルが使えるのならば、ナディー達にとってはハッキリ言って視野が狭くなる様な邪魔なだけなゴミである。

 一応トロは、仲間全員にもステータス・ビューアーを渡したのだが、皆んなマジック・バッグに仕舞い込むのだった。



「あのねトロ?

 少なくとも私にとっては、何度も言うけど、ソレを使う意味が無いと思うのね?」


「え? 意味が無い? ううむ・・・そうか

 それは、索敵スキルがあるからかい?」


「そうね! だから・・・」


「チッチッチッ! 解ってないねえ君はあ~~~」


「そ、そうかしら?」


「「「・・・(汗)」」」


「確かに俺達には、【索敵スキル】を持っている

 だが、それは他の全ての冒険者達にも言える事かい?」


「「「「!!・・・」」」」


「君達は、俺の種生成スキルによって索敵スキルを持つ事ができてはいるが、他の冒険者達が索敵スキルを持つという話しは、あまり聞かないとは思うのだが?」


「そ、それは・・・まあ、それはそうね?

 索敵スキルを持っている冒険者達は少ないと聞くわ」


「だろう? だからこそ!

 こんな索敵のできる魔導具があっても良いと思うんだよ!

 ナディーだって知ってるだろ?

 索敵魔導具は、高レベルの冒険者達か、もしくは冒険者ギルドからでしか貸出しできないほどに高価な物だってことを」


「そうね 確か索敵レベル1の索敵メガネは、100万Tiaだったかしらね?」


「だろ? それに魔導具の索敵レベル1だと、対象の名前しか見る事ができない

 そして索敵レベル2で、人ならやっと性別と職業と種族が見れるようになり、アイテムなら簡単な効果効能が見えるようになる

 そして索敵レベル3になって、人ならステータスが見れるようになり、アイテムなら呪いや隠れ効果を見えるようになる

 普通の冒険者達が索敵魔導具を持つって例は、よくてレベル2のレンタル魔導具がやっとだよ?

 レベル3の索敵メガネともなると1億Tiaにもなるらしいから、冒険者ギルドや王侯貴族でしか持つ事ができないほどに高価だ

 だから貸し出しはレベル2までで、それ以上のレベルの物は貸し出しはできないはずだ

 俺は、そんなふざけた物の価値を壊してやりたいんだ

 冒険者達だって、鑑定もそうだが、索敵は是非とも欲しいモノだと思うんだ

 無駄に命を落とす冒険者達が少しでも減るといいなと思ってね」


「「「「!!・・・・・・(汗)」」」」



 トロの話しは、お金を稼ぎたいのか、魔導具を広めたいのか、よく分からなかった。



「う、うん トロの他の冒険者達を思う気持ちには賛成だけど、そんな凄い魔導具をばら蒔いてしまったら、トロは冒険者ギルドや王侯貴族達に目を付けられる事になるわよ?」


「ふん! 構わないさ!

 俺は、種生成のスキルを使って、この世界を変えたい

 この世界の常識や価値観を変えてやりたいんだ

 少しでも生きやすい世界的にね

 特に冒険者達が理不尽に命を落とす事が少しでも減らせるのなら・・・ってね!」


「「「「・・・・・・(汗)」」」」



 と、トロはそう言う。

 ナディー達にも、トロの言いたいとする事の意味は理解できるが、世界を変えるだなんて壮大すぎて、あまりにも現実的に聞こえくて話について行けない。

 もちろんトロだって、自分1人の力でこの世界を変えられるなんて思ってはいない。


 変えるのは、『種生成で作った豆』である。


 そんな豆から作った物の中には、必ず幾つかの『基の種』が生成される。

 例えば、胡椒の生る豆を栽培すれば、その中には幾つかの『胡椒の生る種』が生成される。

 もちろん収穫せずに放ったらかしにすれば、やがて枯れてしまい、枝豆から大豆になるように、全てが『胡椒の生る種』に変化するが。

 その基の種を失わなければ、きっとこの世界に広がり続けるはず。


 と、言うのは建て前で、本当は『カッコ良くなりたい』という失いかけた『厨二病精神』がトロを奮い立たせている。

 つまりトロは、『嬉しい子』なのだ。

 カッコ良くなって、チヤホヤされたいのだ。

 身体は50過ぎのオッサンなのに、頭の中身はお子ちゃまである。

 そこでトロは、大人気の少年探偵アニメの主人公の決めゼリフを自分なりにアレンジして言ってみた!


 

「見た目はオッサン! 頭脳は厨房! その名は、迷冒険者トロ!」


「バカなの?」


「あはは・・・すぃません(汗)」


「「「・・・(汗)」」」



 ウケなかったようだ。 自爆だった。

 玉砕(ぎょくさい)したい気分だ。

 この少年探偵アニメもナディー達にも人気があり、この決めセリフもシッカリ覚えていた。

 だからこそ、ナディー達を余計に呆れさせてしまったようだ。


 いや違うんだ! おっさんとは、こういうモノなのだ!

 日本人男性の平均精神年齢は、中学生くらいだと聞く。

 そんな事を誰が言ったんだ!!と聞こえてきそうだが、当たってると思う。

 『ステータス・ビューアーNo.38』を装着すれば、カッコ良く見えると信じているのだから、まあトロの生い立ちでは咲く事のなかった厨二病精神の遅咲きだろう。

 ナディー達も、本人がそう言うのだから、何も言うまい・・・と言ったところだ。



「そ、そうなのね? ま、頑張ってね?」


「ああ! きっと、やり遂げてやるさ!」


「「「「・・・・・・(汗)」」」」



 生暖かい眼差しでトロを見るナディー達だが、トロはまったく動じなかった。

 今はまさに、どっぷりと自分の世界へはまってるトロだった。



カチン! カチカチン!


「ふふふ なかなか良いなこれ!」


「「「「・・・・・・・・・・・・(汗)」」」」



 トロは、ステータス・ビューアーNo.38を操作して、1人ニヤけている。

 そんなトロは、ナディー達の生暖かい眼差しに、自分を受け入れてくれていると思い違いをしているが、ナディー達はあえて何も言わないのだった・・・

 それでも、トロは『トロ愉快な仲間たち』のリーダーであり、頼り甲斐のあるオッサンなのは違いないのだから。



「じゃあ、そろそろ私達は寝る事にするわね」


「ああ、見張りは俺に任せてくれ

 3時間後にワイサに交代を頼む よろしくな!」


「はい! 分かりしました師匠!」



 そう言って、ナディー達はテントの中へ入って行った。

 トロはまた、別の魔導具の開発に専念する。


 トロにとってこの世界での魔導具作りは、面白くて楽しくて仕方がない。

 ガラスやプラスチックに似た素材も、ゴムや布製の物も白野菜から作れるし、鉄などの金属製の物も鉄鉱石があれば最良だが、白野菜からも作ろうと思えば作れるので、小物ならほぼほぼ白野菜だけで作れる。

 トロが主に白野菜から作る鉄製品とは、釘やボルトナットや蝶番(ちょうつがい)や歯車や回転部の芯に使われるベアリングなどの硬くて丈夫な部品などである。

 ステータス・ビューアーNo.38も全て白野菜から作った。

 それを今度は、【種生成】で種を作り、後は栽培すれば幾つものステータス・ビューアーができるだろう。

 そこで、鉄製品に代わる素材を開発した。

 何も鉄製品に拘らなくても良いと思い、鉄のように硬くて丈夫な部品なら、なんでも良いのだ。

 なので、鉄のように固くて丈夫な素材である、『魔導硬物(まどうこうぶつ)』なるものを開発。

 ただ、慣性の法則を利用して回転を安定させるための『フライホイール』などは、重力波魔法を利用した方が良さそうだ。

 今のところ、フライホイールの使う事は無さげだ。

 また、魔導硬物は、鉄のように重くなく、プラスチックのように軽くて硬くて丈夫で摩擦や熱に強い素材の魔導製品なので、回転部や関節部に使うのには最適である。

 【種生成】では、トロが実際に使った事がある物ならほぼほぼなんでも作り出せる。

 だが、実際に使った事の無いものや、存在しない物でトロが想像した物は、今回の様に作ってみてからでないと【種生成】では上手く作れない。

 いきなり【種生成】から作るとしたなら、シッカリとイメージしなければ、失敗に終わってしまう。

 なのでトロは、種生成のスキルに殆どお任せ状態である。

 なぜか不思議と、これで上手くいく。

 この現象は、トロのイメージ力が作用しているのではなく、『イデア』に精霊が干渉いている事に大きくさようする。

 デザイン作画やレリーフなどの複雑なデザインな部分に作用した作品が作れるという事になる。

 例えば壁紙などをデザインをイメージした時に、トロが『曼荼羅のようなデザイン』とイメージしたなら、精霊がトロの思考を読取り、イデアに干渉して、曼荼羅模様をイメージとして生成段階に取り込むのである。

 なので、トロに曼荼羅模様に特別な知識やイメージ力が無くても、それなりのデザインを表現したものが出来上がるのである。


 それでも作るのに失敗した物達は、異空間収納内の肥やしとなっている。

 もしそれら失敗作らを取り出したとしたら、荷馬車1台分くらいにはなるだろうか。

 今では、失敗する事は少ないが。

 それも、【種生成Lv8】にまでベルが上がったからであろう。


 しかし、兵器などは何度やってもダメだった。


 おそらく、この世界の戦争に使われる事を懸念する精霊が邪魔をしているのだろう。

 もちろんトロには、兵器などが作れない仕様については、この世界に地球の戦争に使われるような兵器などは持ち込めないように何かしらの力が働いている風にしか考えておらず、その力が精霊によるもの(精霊の倫理に反する)とは知る由もない。


 だとしたなら、魔物と対決する時に有利になれる補助的な効果を現す魔導具しかない。


 ステータス・ビューアーNo.38(以後略して、『SV38』と称する)も、その1つだ。

 もう1つのトロの自信作は、『鑑定魔導具』だ。

 その名も、『鑑定タブレット』だ!!

 地球のタブレット端末を参考に作ったもので、カメラアプリで覗き込むだけで、鑑定結果が表示される仕組みだ。

 鑑定魔導具も民間なら、豪商、冒険者ギルド、門番くらいしか持っていないと聞く。

『鑑定虫眼鏡』を冒険者ギルド職員や門番が使っているのをよく見るが、それがそうだ。

 呪いがかけられていたり、ステータスを隠蔽されていたとしても気付かれないのだから、レベル的には、おそらく鑑定スキルLv3以下程度だろうと思われる。

 それもやはり、かなりの高価な物だ。

 並の冒険者達には、おいそれと買えるものではない。

 トロ達の様に、鑑定に索敵スキルを持つ者からすれば、そりゃあ確かにゴミアイテムである。

 だが、この鑑定タブレットは、鑑定した物を日時まで記録し、写真も表示され、サムネイル付きでリスト化される。

 また、自分でも鑑定結果の説明分の付け足しができるし、『あいうえお順』や、『アルファベット順』や、『登録順』に並び替えもできる。

 魔法の不得意な冒険者達にも使えるので便利なはず。

 そんな魔導具を、トロは格安でばら撒きたいと考えている。

 この世界の人達だって、きっとトロの作った魔導具のコピー品を作れるはずだ。

 だってこの世界は、魔法の世界だから。



 ゴソゴソ・・・


「ん?」



 ワイサがテントから出て来た。



「師匠 交代しましょう!」


「おお、そうか! もうそんな時間か・・・

 じゃあ、後を朝まで頼むな」


「はい! おやすみなさい」


「おう! おやすみ」



 トロは、ワイサと見張りを交代して眠る事にした。


 ワイサは、野営キャンプファイヤーを見詰めながら考えていた。

 ステータス画面を見ると、もう少しで広範囲殲滅魔法剣の『流星雨』を覚えられる。

 




 ・⋯━☞朝日が昇る頃☜━⋯・



「おはよう トロ!」


「ああ、おはようナディー」


「もう、皆んな起きたのか」


「うん! ワイサも朝ご飯の用意をしてくれているわよ」


「そうか よっこらしょ!」


「ぷっ! クスクスクス(笑)」


「ん! なんだ?」


「こうして見ると、トロってやっぱりオジサンなのね?」


「え? 当たり前じゃないか

 女の子の姿が、仮の姿なんだよ

 って、今でもステータスの性別は『女』になってるけどな」


「ふうん 私はトロはオジサンの方が素敵だと思うわよ?」


「へっ?! そ、そうか? そりゃ、どうも(照)

 だが、こんな俺みたいな、普通に何処にでも転がっている小石のような普通のオッサンの何処が良いんだ?」


「ふふふ そう思っているのは、きっとトロだけよ!」


「・・・そうかい?」



 この世界は、剣と魔法の異世界。

 異世界名物と言えるのか、なぜかこの世界の人達のビジュアルは、地球の人達なんかよりもかなり良いと思う。

 その理由はよく分からないが、ちょいと心あたりがある。

 日本で暮らしていた時にネットで見た記憶があるのだが、地球人を作ったのは、通称『ヒューマノイド』と呼ばれる飛び切り美形な異星人と、通称『ドラコニアン』と呼ばれる怪獣みたいな容姿の異星人なのだそうだ。

 そして生まれた最初の地球人とは、飛び切り美形なヒューマノイド系地球人と、怪獣みたいな容姿の『レプティリアン』と呼ばれる『リザードマン』みたいな姿形だった。

 実は、それこそが地球人の本来の姿なのだそうだ。

 どちらも背の高さが3m以上もあり、腕力も魔力も寿命の長さも現代の地球人とは比べ物にならないくらいに高かったそうだ。

 だが、あまりに出来が良すぎた。

 それに、ヒューマノイド系とレプティリアンとはそれはそれは仲が悪く、戦争ばかりしていたそうな。

 このままでは地球人を生み出した異星人達の立場も危うくなるばかりか、地球さえも破壊しかねないと懸念され、わざと身体も小さく腕力も魔力も寿命も少なくブサイクにデチューンしたと・・・

 もし、その話しが真実なのなら、腕力や魔力は別としても、地球人ってばきっとかなりブサイク揃いなのだろうな。

 そんな地球人の1人であるトロだが、自己評価としてもけっして『男前』とは言い難い。

 本当に、普通に何処にでも転がっている小石のような普通のオッサンだ。

 ナディーはいったい、こんなトロの何処に惹かれているのか?

 まあ、人の持つ価値観というものは、人それぞれだし他人には理解し難いものだ。

 下手に突っ込んでも、この世界では意味は無いだろう。


 そして、何時ものように朝ご飯を食べて、テントや野営セットを片付けると、またリトキヤに向かって整地しながら進むのだった。


 そして、昼になり休憩となる。




 ■===========■

 ・⋯━☞STATUS☜━⋯・

 ■===========■

 名前 トロ

 性別 女

 年齢 54

 種族 人族

 職業 種生成術師/賢者/テイマー

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 状態

【健康】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 LV 548

 HP 548

 MP 648

 STR 310

 ATK 247

 DEF 131

 DEX 136

 INT 465

 MAT 58

 SPD 70

 LUK 117

 EXP 9957843

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得魔法

【ヒールLv7】【ハイ・ヒールLv4】【種生成Lv8】【ファイヤー・ボールLv6】【ウォーター・ボールLv5】【エアー・カッターLv5】【アース・ニードルLv5】【アース・ウォールLv5】【テレポーテーションLv6】【全ステータス強化魔法Lv6】【全ステータス弱化魔法Lv6】【光魔法Lv6(ライト)(ライト・セイバー)】【状態異常回復魔法Lv5】【浄化魔法Lv7】【付与魔法Lv7】【変身Lv8】【誘導ファイヤー・ボールLv6】【超冷却Lv4】【スーパー・インパクトLv4】【パーフェクト・バリアLv5】【いただきます】【奴隷解除魔法Lv4】【掘削&整地魔法Lv8】【運搬魔法Lv7】【彫刻魔法Lv7】【土木整地魔法Lv9】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得スキル

【ステータス】【鑑定Lv7】【異空間収納∞】【剣術Lv7】

【熱耐性Lv6】【冷耐性Lv5】【物理耐性Lv5】【魔法耐性Lv5】

【テイムLv6】【索敵Lv7】【恐怖耐性Lv6】【麻痺耐性Lv5】

【呪い耐性Lv5】【魅了耐性Lv6】【混乱耐性Lv5】

【隷属耐性Lv5】【石化耐性Lv5】【即死耐性Lv6】

【幻覚耐性Lv5】【洗脳耐性Lv5】【毒耐性Lv6】

【獲物自動解体Lv7】【限界突破Lv6】【茨の縛りLv5】

【御用だ!Lv6】【鋼の鎖の楔縛りLv6】【不意打ち回避Lv5】

【防音結界Lv5】【隠匿Lv5】【隠密Lv5】【錬金術Lv8】

【魔導インターネットLv6】【索敵Lv8】【眠りLv4】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 称号

【召喚巻き込まれ異世界人】【賢者】【ロンデルの主人】

【色女】【ワイサの師匠】【賢者テイマー】

【パーティー名『トロと愉快な仲間達!』リーダー】

【ドラゴン・スレイヤー】【魔法土木工事作業主任者】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 資格

【普通自動車】【原動機付自転車】【サファイア級冒険者】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 従魔

 ●ロンデル 

【ワイルド・フォレスト・キャット】

 ●ロプロプ

【ファイヤー・ナパーム・ワイバーン】

 ●ロキシー

【エルダー・ロック・ゴーレム】

 ●ミケ

【ビッグ・フォレスト・キャット】

 ■===========■



 トロは、あれからまたレベルが2も上がっていた。


 驚異的なスピードのレベルアップである。

 どうやらトロと、そしてトロと活動を共にする仲間達は、戦闘だけが経験値を得られる条件ではなさげだ。

 トロの様に、スキルなどの技術的な進歩や熟練度さえも、経験値として得られるようである。

 これも異世界転生もののテンプレだろうか。


 何の気なしに『種生成』で作った【錬金術】スキルを覚える豆を以前に食べていたが、知らずの内にレベルが上がり、今ではなんと【錬金術Lv8】?!

 魔導具を種生成で作る前に、元となるプロトタイプを錬金術で作るのだが、そのせいか、いつの間にか錬金術のレベルが8にまで上がっていたのだった。

 錬金術Lv8なら、ほぼほぼ何でも作れそう!

 ただ、錬金術で白野菜からは、紙製品、木製品、樹脂製品、石製品などは比較的簡単に作れる。

 だが、重く硬い木製品や石製品となると話しが変わってくる。

 それは、比重に関係しているようである。

 白野菜の大きさはソフトボールほどで実がギュッと握り潰したようにシッカリとしていて、意外に重く1個約200g。

 日本の野菜に比べると、割と餅の様に重いものである。

 なので、1kgの金属製の部品を作ろうと思えば、単純計算で白野菜5個が必要となる。

 もちろん全て鉄製品の物も白野菜だけでも作れるが、鉄製品は質量がかなり重くなるので、元となる白野菜は質量は少ないので、小物部品程度なら良いが、大きな物、重い物、となれば膨大な数の白野菜が必要となる。

 白野菜から錬金術にて金や金剛石(ダイヤモンド)などを作るには、天文学的な数の白野菜が必要となるらしい。

 なので、錬金術にて金を作ろうとする者は居ない。

 魔力も白野菜の数も馬鹿にならないし、割に合わないからだ。

 なのでトロは、鉄製品に代わる『魔導硬物』を開発したのだ。

 金やオリハルコンやミスリルなどの特殊な金属は白野菜から作るのは現実的ではないが、だが不思議と、『種生成』からならポンポン作れてしまう。


 種生成スキルとは、まさに、『チート』である。


 なので、トロが種生成にて『ユニークのミスリル・ソード』を作ろとう思えば、面白いようにポンポン作れてしまうのだ。

 その点は、トロはチートであり恵まれていると思う。




 ・⋯━☞昼頃☜━⋯・


 ••✼••リクツネフ・マウケサ街道沿い••✼••


 ••✼••休憩中••✼••



「ねえ、トロ?」


「なんだい?」


「今度は何を作っているのかは知らないけど、また身体が女の子に戻ってるわよ?」


「はえっ?!・・・ありゃ?! 本当だ!」



 そうなのだ。

 トロはまた、金髪碧眼の美少女に変身していた。

 魔導具開発などの細かな作業では、女の子の方が器用さも上がり、小さな手の方が物作りには最適なのだが、それが理由だろうか。



「いつの間に・・・(汗)」


「師匠、可愛いっす!」


「やめろワイサ! 可愛いなんて言われても嬉しくない(汗)」


「トロさんって、男と女のどちからが本当なのですか?」


「男だよ!」


「でも、ステータスの性別では、『女』となってるんですけど・・・(汗)」


「やめろ! 見ないでくれ! でも、本当に俺は元々男・・・オッサンだったんだよ!」


「へ、へえ・・・(汗)」


「ではなぜ、今は女の子なのですの?」


「ええと、まあ、初めて変身魔法を使った時に、色々と試して後に性別も変えられるのかと試したんだが、その時にはもう既に魔力が枯渇状態でな・・・

 足りない魔力を体力から補ったせいか、気を失ってしまってな

 その時に助けてくれたのが、とある貴族の若い領主だったんだが、結構長い間その領主邸で世話になった

 だから人前で男に戻る事ができずに居たら、いつの間にかステータスの性別が『女』に定着しちゃって・・・(汗)」


「あらまあ・・・」



 そう。

 トロは、変身魔法で女の子に変身した時に、それ以前にも色んな姿に変身していたために魔力が枯渇状態に陥っていた。

 なのに、無理に異性に変身してしまったために気を失い倒れてしまったのだ。

 その時にトロを助けてくれたのが、まだ若きエッセン男爵だった。

 そしてしばらくの間は、エッセン男爵邸で世話になったのが、この世界へ来てからというもの、女の姿で居た時間の方が長くなり、ステータスの性別も女に定着してしまったのだ。



「じゃあもう、女のまんまでいいんじゃないですか?」


「やだよ! ワイサお前だって、女の姿は嫌だろう?」


「俺は母さんが女のまんまで居てくれって言うから・・・

 それに俺は女だらかって、別に嫌じゃないですよ?」


「マジか?! ふん ま、それも人それぞれか?

 でも俺は女のまんまだと、力が存分に発揮できないんだよ

 女だからって他の冒険者達に舐められるのも腹が立つしな

 そりゃあ若い身体だと、サクサク動けて楽っちゃあ楽だがな」


「「「ふんふん・・・」」」


「私はトロがオジサンのまんまが良いんだけどなあ~~~」


「「「「・・・あはは(汗)」」」」



 『おじさま好き』のナディーの気持ちは、横に置いといて・・・


 男の姿のまんまで活動したいのだが、この頃は女の姿も楽で良いと思う自分の気持ちにも戸惑う今日この頃。

 なにせ、男に戻った途端に、プールから上がった時の様に、身体が妙にズシリと重く感じるのが辛い。

 何にしても、若い身体というものは良いものだ。


『だったら、若い男の身体の方が良いのでは?』


 とも思うのたが、若い男に変身したら、万が一にも仲間達に手を出してしまうかも知れないと思うと・・・

 情けない話したが、その心配があり、とてもできない。

 いくら理性で抑えていても、仲間達が仮にでもその気になってしまったら?

 もし、誘われてしまったら、自分は自分を抑えられるだろうか?

 何があっても仲間に手を出すのは倫理的に良くないからな。

 同意の上でなら?とは思うのだが、やはり年齢差が引っかかる。

 この世界には、年齢差による恋沙汰なんて概念は無さそうだが、ダメはものはダメだ。

 なんだか色々考えていたら、魔導具作りの勢いが萎えてきてしまった。。。



「はあ・・・やぁ~~~めたっ!」


「あれ? もう、やめちゃうの?」


「え? ああ、うん・・・他の事で頭がいっぱいになっちゃったから(汗)」


「他の事って?」


「う、うぅん! なんでもないよ!」


「うん? へんなの」


「「「・・・???」」」


「・・・(汗)」



 他の事って、まさか今話している貴女達の事だよ!と言えず、困ってしまうトロ。

 1人真っ赤な顔して黙り込んでしまうのだった。


 そんな時、ロンデル達が居ない事に気付くトロ。



「そう言えば、ロンデル達の姿が見えないなぁ?」


「あ、はい! ロンデルさん達は、軽く運動をしてくると言って、何処かへ行きましたよ?」


「運動?」



 ロンデル達が言う『運動』とは、格闘ゴッコである。

 もちろん、本気でやり合う訳ではないが、それでも魔獣の姿でやり合う光景は、さながら怪獣バトルであり壮絶である。



 スドォ━━━ン!


「うわっ!「きゃあ!「おわっ!「なに?!「ひゃあ!」


 ドダダダダダダダッ!! ドス━━━ン!!


「なんだなんだ?! なんの音だ?! し、師匠!!」


「ああ、きっとロンデル達が格闘ゴッコしているんだろう?」


「「「「格闘ゴッコお?!」」」」



 トロ達の休憩している場所から約1キロほど離れた場所で、ロンデル達は本当に格闘ゴッコをしていたのだった。

 

色々思うところがあるが、トロも一応は考えているのです。

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