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この手に  作者: 詞乃端
終わりの日
4/11

彼らの終わり

本編でとんだ部分の補完的なもの

「――ああああああああああああああああああああああああああ――」

喉が裂けんばかりに出た声は、無意識のもの。

「いやだいやだいやだいやだ――」

頭を振って、非情な現実を拒絶する。いくら否定しても、変えられないのに。

握りしめすぎて、壊れてしまった、携帯電話。届かせたい人に、言葉はもう、届かない。遺されたのは、(すが)ることができないくらい、短い言葉。

どうして、と(うずくま)る頃には、声はもう、枯れ果てて。

「――ひとり、に、しないでよ――」

涙と共に、絞り出した言葉は、酷く擦れて、ほとんど音にならなかった。


手に入れる前には、思いもしなかった。失うときが、来るなんて。

二人が、出会わなかったら。自分の名を呼ぶ静かな声も、抱きしめてくれる温もりも、――それらを失う痛みも、知らずに済んだのに。

それでも。

もう、何も知らなかった頃には、戻れないのだ。


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