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聖地・ライトリアス



やや、重たい空気の中を進む


アリアは…今までと何も変わらないけれど……


「……ヒロインとのイベント。少ないなとは思ってたんや」


そんな事を言う凍慈。


やっぱり、少なかったんだ……。


「……てか自由行動、シゲはアリアと動いてへんかったもんな」


「うん。月の都とかオルブラッドとか……。基本的に…帰り方調べてたから」


それに、そんな事を考える余裕もなかったし……。


というか…、ヒロインとのイベントってなんだ?


「本来はどんなストーリーがあったんやろな」


「俺は…なくて、少しほっとしてるよ……」


昨日の会話は、シゲと凍慈とアリアしか居なかったのは……


少しだけありがたかったけれど……



「……二人とも!ついたよ~」



くるっと振り返ったアリアはいつものように笑っていて


そして、指差すその先


左右先の見えない巨大な白い門


天まで昇る大樹は下から見れば横幅は門と同じ程ある


 

その門の前に立つ、一人の男性

 


【聖地を守りしパールの騎士・オルス】



オルスは爽やかに微笑んでシゲ達を迎える


「オルランドにて、マナの女神が皆様をお待ちです」


そして、一言だけそう発した


その一言だけで、全員の背筋はピシッと伸び、謎の緊張感に包まれる


「……まず、昨日もテントで言うたけど」


凍慈がボソッとシゲに囁く


「あと3人分の最強装備を買うまではライトリアスをクリアしない、だろ?」


今ある換金アイテムや、いらない物を売ったら3人分は捻出可能


「……倍にしなきゃならないのか。無駄な買い物も出来ないな…」


ん?そもそも聖地なのにモンスターっているのか?


道中のこの街道に戻って金策しながらのレベル上げ?


「オルランドには強力な防衛装置が張られております」


 

待って欲しい…

俺はフラグを建てた訳じゃないぞ…


 

「……………え?それってもちろん、外敵対策ですよね?」


「いいえ」


 

え?待って待って待って。いいえ?


いいえ……ってなに?


爽やかに言ってるところ悪いけど、え?俺達勇者一行だよ?


 

「ですので、しっかりと準備をしてから」


「お待ちですって、待ち構えてますの間違いじゃないか!!」


「しゃーない、街の中以外はダンジョンが付きもんや……」


 

何それ、やっぱり理不尽!!

 


「まぁ、あとは……」


何かを思い出したかのようにボソッと呟く凍慈


「……あとは?どうかした?」


「……………いや、やめとく」


待って待って待って

こっちも謎のフラグ建築してないか?


「まぁ、あれや。お決まりってのがあるんや……」


「何それ、やっぱり理不尽じゃないか」


絶対にそれ、良い意味じゃないだろ!!



「本日はこちらが用意した宿にお泊まり下さい。明日、また迎えに来ますので」



宿までの道中

ライトリアスの街中を案内されながら歩く


真っ白い町並みはどこか、この世のものとは思えないほどだった


「……目がチカチカするぅ~」


ふと、何かを思い立ったように……


元々切れ長の目を、さらに細めるリア


「なれない方だと、よくそう言われます」


苦笑いをするオルスと


こら、失礼だろうとガルーダに窘められるも右から左


そしてちらっと後ろを見て……


「……僕、後ろ歩くから黒い人が前歩いてよ。眩しいの誤魔化して」


黒い人ってリア……


セピアの事か?確かに全体的に黒いけどさ……


「なら私の後ろを歩けば……」


そう言ったガルーダの背中を蹴って、ガルーダと後ろへ行くと…、アリアはニコニコとセピアの背中を押して前へ。


「え?なに?」


首根っこを凍慈に捕まれたシゲと、あっという間にセピアがオルスの隣へ。


「セピア。久しぶりですね」


「……騎士学校の時の特別講師で来られた時以来、です」


しどろもどろのセピアと。


「まさかクリスタルの騎士に選ばれるとは。魔法操作に四苦八苦していた頃が懐かしいですね」


「もう!いつの話をされてるんですか!」


あ、そういう事か…。


「意外と、そういう空気は読めたんやな…」


シゲと凍慈の感心した表情と、未だにちょっとわかってなさそうなガルーダと。


「僕をなんだと思ってるのさ」


リアはちょっと照れ臭そうにふいと横を向く


「ちょっと見直し…」


「あ!聖地限定の光饅頭!」


振り返った先にはもうリアはおらず……


「こっちは聖地団子に、クレープもあるのか~」


所持金から一瞬で500ルートが減った


前言撤回


「やっぱり前歩けーー!!」


 

「納得行かなぁい」

 


ガルーダに担がれながら団子を頬張るリア。


「カップアイス美味しそう~」


「なんぼ程食う気や!」


ちらっと前を歩くセピアとオルスへと視線を投げる


「ほら、なんか暑いしぃ」


「気のせいや」


「せめて最強装備全員分が揃ってから!」


1ルートだって無駄に出来ないというのに、この食いしん坊!


「僕の最強装備のお金使って良いから~」


「ダメ!絶対!!」





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