外伝(500PV目前記念)彼女達の日常 ショートストーリー詰め合わせ
500PV目前企画として短編集をお送りします。
好評でしたら似たような短編集を作製します。
1.【イヤホンを買いに】
梓がワイヤレスイヤホンが欲しいとの事で家電量販店に行くと言うので、アタシと英玲奈もついて行くことにした。
家電量販店のイヤホンコーナーには色々な種類の物がたくさんあり、梓はそれを見るとはしゃいでウロウロしては試して、またウロウロしては試してを繰り返していた。
「あっ!これいいかも!」
彼女が手に取ったのは一万程するワイヤレスイヤホンで予算が五千円程なので余裕でオーバーしているが試すだけ試してみたかったらしい。
「"ノイズキャンセリング"は周りの音が聞こえなくなります、か。試しに……お!全然聞こえない!」
店内で大声で叫ぶので"シーッ"とジェスチャーで伝えると照れ笑いして両手を前で合わせ謝っていた。
「本当に何も聞こえないのかな?英玲奈、試しになんか梓に言ってみたらどうだ?」
どれほど聞こえないのか実験したかったので英玲奈にお願いすると、通常会話するより少し大きめの声で「やーい!パッツン前髪ー!」と後ろから叫ぶと、梓はイヤホンを取って振り向き「酷いよ、英玲奈ちゃん……」と涙目になっていた。
「いや!嘘やで!めっちゃ髪似合っとるで!本当に可愛いで!さっきのは……」
英玲奈が身振り手振りを大きくして言い訳しフォローするのに必死になっていた。
結局この事がきっかけになったかは知らないがノイズキャンセリングの付いていないイヤホンを購入していた。
2.【犬に好かれやすい人】
ウチは犬に好かれやすい性格なのかわからないが、散歩中に向こうから歩いてきたワンちゃんはウチを見ると笑顔で駆け寄ってきて「撫でて」とせがんでくる事がある。
それも1回だけではなく何度もあるので偶然ではないらしい。
それを羨ましがり、あずーも「私もワンちゃんに好かれたい!」と言ってきたので学校帰りその辺を一緒に歩いていた。
涼しくなってきている下校時はワンちゃんがたくさん散歩しており、行く先々で私の所に懐いて来てくれるのだが、あずーが手を伸ばすとプイッと向きを変え飼い主の所に戻っていく。
それが何回か続き梓は泣きそうになっていた。
「なんで私には来ないの……ぐすっ……?」
「多分やけど上から触ろうとしてるからやろか?ワンちゃんの下から触るようにすればええのかも」
ウチのアドバイスを聞くと少し元気になったあずーは「次来たワンちゃんを絶対撫でる!」と意気込んでおり、向かい側から散歩して来たセント・バーナードへ「おいで!」と言いしゃがんで両手を前に伸ばしていると、それを見たセント・バーナードが梓目掛けダッシュで走ってきた!
小柄な梓とぶつかった時、事故でも起きたのかと錯覚するくらい吹き飛ばされ仰向けになって倒れた。
「あずー!!!」
慌てて近寄ろうとした時、セント・バーナードもまた近寄って梓の顔をベロベロと舐め回しており、その舐め回されている方の顔は笑顔で「よしよし」とワンちゃんを撫でて満足そうにしている。
それを見てウチと飼い主さんは助けた方がいいのか、本人が満足しているからそのままにした方がいいのか複雑な気持ちになった。
3.【手相占い】
部活の時に占いの話題になり、ちなみが手相を見れると言うので私の手相を見てもらうことにした。
「風花先輩の手相は生命線長いですね!この長さだと……だいたい100歳くらいまで生きると思います!」
長生きなのはいいけどちょっと長すぎる……
他の人はどうだろうと見てもらうと、頭脳線が長いから花は熟考するタイプ、感情線が長いから英玲奈は恋愛等に情熱的、梓は太陽線が太いので人望があるなどだいたいは当たっている。
それを見ていた先生も「面白そうなので私も占ってください」とちなみに手を差し出していた。
何を占ってほしいか聞かれた先生は"結婚運"を占って欲しいと要望しており、上向きの結婚線が小指を超えて、薬指の付け根まで伸びていた。
「かな姉、これ"玉の輿線"って言って結婚相手が出世とかしてお金に困らなくなるやつですよ!やりましたね!」
その言葉を聞いて満更でもない表情を浮かべる先生と盛り上がる私達。
そんな状況に水を差したのは"梓"だった。
「でもかな姉先生って30後半でしょ?結婚相手が出世した時にはもうどっちもおじいちゃんとかおばあちゃんになってるよ!」
冗談のつもりで発言したのだろう、本人は大爆笑していたが周りは沈黙し先生の方を確認すると、見た事もない表情で激怒しており、勢いよく立ち上がると梓を捕まえてヘットロックを決めていた。
「ぎゃあぁぁぁぁ!かな姉先生やめてぇぇぇぇ!」
悲痛な叫びが教室内へ木霊する中、皆こう思っていたであろう。
"何故そんな事実を言ってしまうのか"と……
4.【彼女にするなら誰がいい?】
何がきっかけでそんな話題になったのかは覚えていないけれど、この中で"彼女"にするなら誰がいいという話題になり各々名前をあげていた……
長宗我部さんは手先が器用で何でも出来そうだからと江島さんを。江島さんは頼りになりそうだと深緑さんを指名したりと盛り上がっていた……
でも最後まで愛川さんだけは選ばれておらず、その理由は"元気すぎて疲れそう"という理由で少し納得したけど花からすればそれが羨ましくて長所だとかんがえている……
「あっあの!……花は……愛川さんが……良いかなと……思ってる……よ……」
思い切り挙手し彼女へ"プロポーズ"のような事をすると愛川さんはキョトンとした表情を浮かべた後に「気を使わなくてもいいよ!」と笑みを浮かべていた……
気なんて使っていない……本当に元気でいつも前へ出てみんなも元気にしてくれている存在が花には大きく、そしてかけがえのない存在……
言葉で説得しても先程のようにはぐらかされそうなので行動で示そうと立ち上がり、座っている愛川さんの手を握ろうと近付いて行った時、何かにつまずいて倒れそうになり愛川さんに抱きついてしまった……
「これは……それほどまでに梓を想って……」
先生は驚愕して、そう言うと拍手し始める……
次第にみんなも拍手し「おめでとう!」と茶化してきた……
離れようとするけど椅子の所に袖のボタンが引っかかり取れず悪戦苦闘していると愛川さんも花を抱きしめてきた……そしてみんなには聞こえないくらいの小声で「ありがとう、花……」と呼び捨てで言われたので照れて顔から火が出そうになる……
ボタンが外れたのはそれから約2分後。
それまで花と愛川さんは抱き合っていて、周りも助けたりしてくれず、ひたすらヒューヒューと声を上げ拍手が鳴り止まなかった……
外れて顔を真っ赤にして席に戻り、愛川さんはどんな表情をしているのかと確認すると、今まで見た事のない幸せそうな笑みを浮かべていたので一瞬心を奪われてしまったのだった……




