ポンコツ彼女は高校2年生です
知らない人から貰ったお菓子を、嬉しそうに頬張る彼女だが、そんな彼女も高校2年生なのだ。
言いたいことは分かる。
俺も同じ気持ちだ。
だがしかし、俺にロリコンの趣味は無い。断じて違う。
ところで、俺と彼女はデートに来ている。
世にいう映画デート。
ここで話は冒頭に遡るわけだが、俺の彼女は高校2年生のはずなのだ。
だがしかし、彼女が持つチケットには、俺の物とは違う金額が記されているのだ。
それも、学割を適用したチケットよりも格安の金額が。
お分かりになっただろうか?
彼女は、なぜか小学生として映画館にいた。
「これはどういうことかな、優乃さん?
君のチケットの金額が小学生料金に見えるのは、俺の気の所為だろうか??」
「???」
こらこら、首を傾げるんじゃない。
「何を言っているの?わたし高校2年生なんだけど。同じクラスじゃない。」
そっくりそのまま返してもいいですかね、優乃さん?
「それにほら、ちゃんと学割の金額、合ってるでしょ??」
「それは俺が買ったチケットだからな」
「え、ともくん、これ小学生料金じゃない??間違えて買ってるよ?スタッフさんに言って来なよ。」
話が通じません。どうしたものか。
とりあえず、彼女を連れてチケット売り場のスタッフに声をかける。
「すみません。先程チケットを購入したのですが、購入するチケットを間違えてしまって、これなんですけど。」
「はい、確認しますね」
担当してくれたのはそこそこ綺麗なお姉さんだ。
人懐っこい笑顔で優しく対応して貰えると、こちらまでほんわかした気分になる。
このお姉さん、接客向いてるなぁ、なんて考えているとすぐに声を掛けられる。
「お待たせ致しました。
こちらのチケットは、そちらのお嬢様のチケットですね。
先程私が担当させて頂きましたが、ご覧になる映画の変更ということでよろしいでしょうか??」
「あ、いえ、映画は同じなんですけど、チケットの料金が間違っていて。」
隣を見ると、まるでしょうがないなぁと言わんばかりの顔で俺の対応を眺めている彼女がいた。
いや、あなたのチケットなんですけどね。
「申し訳ございませんが、お嬢様は小学生でいらっしゃいますよね?チケット料金はお間違いないかと思いますが、、、」
お姉さん、犯人はあなたでしたか。
「あー、彼女、高校生なんです。
なので、学割料金でお願いします。」
そのあと、2人で見た映画も面白かったけど、チケット売り場のお姉さんの申し訳なさそうな顔が、強く印象に残った1日だった。
年齢間違えられたことってありますか??