5.4層目
ラドボルグのダンジョン4層目。
風景は相変わらず地獄だ。
俺達は3層目にいた時に話した矢系魔法の実験を行っていた。
「威力の上げ方は口であれこれ言ってもわからないと思うから、2つのやり方で見せるよ。」
そう言って魔素を着色する魔道具を作動させる。
この魔道具は魔導訓練学校に置いてあったものだ。
電力に相当する魔力はダンジョン内の魔素でまかなっている。
「へえ、ダンジョンの魔素ってこういう集まりかたしてるんだ。」
「確かに、これは意識してなかったなー。」
「魔力溜まりなんて言ってた奴がいたが、こういうことなのか。」
口々に感想を述べているが本題はそこじゃない。
右手の中指・薬指・小指を折り曲げてピストル状にして目標の岩塊を指す。
「スローでやるから見てて。」
ナントカ白書のごとく人差し指の先に自分の魔力で弾丸を作り、そこに空気中の魔素をゆっくりと纏わせてから撃つ。
「こんな感じで空気中の魔素を溜めて撃つのが1つ目。充填時間が掛かるけど自分の魔力限界を容易に越えられる方法。」
へぇ、と感心する雀蜂のメンバー。
あんたら、俺より経験あるんだから編み出せるだろうに。
「それでこっちが2つ目の弾速を上げるやり方。」
そう言って先程と同じように右手を突き出すが、今度は周りの魔素は特に使わない。
人差し指の先に丸い輪をいくつか出して、魔力の弾丸を準備する。
「この輪っかを通り過ぎるたびに弾丸の速度が速くなる。」
そう説明してから超スローで放つ。
弾丸は輪を通るたびに加速し、最後は目で追えるギリギリの速度に到達して的に当たった。
「俺がやってるのはこの2つの組み合わせ。どう?出来そう?」
「難しそうですね。頑張ってみます。」
「それじゃあしばらくあの岩塊めがけて練習しようか。魔物は他の人が片付けてくれるだろうから。」
「わかりました。」
空気中の魔素を膨大に使う着色の魔道具をしまって、練習を開始した。
やはり魔素が見えない状態では難しかったのか、あまり成果が出ないまま時間が経ってしまったのでダンジョンから引き上げることになった。
「成果が出なかったのは仕方ありません。デッサの魔導訓練学校でしばらく自習することにします。」
「あんたをコアのあった14層まで連れて行きたかったが、課題が出来ちまったからな。」
「コアの所に着いたら教えてやるつもりだったが仕方ねえ。
ラドボルグのダンジョンが氾濫したのはコアが複数になったからなんだ。
それでコア同士が争って、その余波が氾濫という形になったんだ。
複数になった原因はよくわかっていないが、確かな筋からの情報だぜ。」
なんか最後に変な爆弾落とされた気がする。
ハサマ君、スチームタービンのトライクで運転しながら水の燃焼をやってたおかげで扱いが上手くなっていたようです




