2.1層目
ラドボルグのダンジョン1層目。
鍾乳洞の様な風景だが、不自然に地面が平らだ。
あちこちに分岐があり、番号と順路の看板が立てられている。
「順路じゃない道は人の往来がないから時々魔物が湧いてくるんで、定期的に駆け出し連中が掃除をして回ってるんだ。」
「へーぇ。」
説明を聞きながら歩いて行くと、また大きな分岐があった。
「ここはどっち行っても奥に繋がってる。往路なんで俺達は左から進むぞ。」
「左に決まってるのか。なんでまた。」
「利き手が右の奴が多いからな。そっちに武器を持って左手に盾を持つ。
不意に襲われても盾で防げるように左を外側に向けるんだ。」
「…ここでも利き手の格差があるのかよ。」
30分ほど歩くと大広間に出た。
「ここが最終防衛ラインだった所だ。ここを魔物に突破されたら負けのラインだな。
ダンジョン1層目の司令所もここにあった。」
そう言って剣を地面に突き刺す雀蜂のリーダーは、スタンピードの時を思い出している様だった。
俺は後方支援で前線がどうなっていたかは知らない。
ただ、作戦本部で人間を数字で追いかけていただけである。
「まあ、1層目は守りきったから2層目に下りる所以外は綺麗なもんだよ。じゃ下に行くか。」
ダンジョン2層目への入り口。
ここもまだ鍾乳洞っぽい風景だが、壁という壁に細かく穴が空いている。
「その穴な、菱形をしてたら矢が刺さった跡。直線なら爪か剣。丸っこいなら魔法だ。」
「ほとんどが奥側向いてますね。」
「迎撃の方向考えりゃ当然だわな。特に3日間ずっと戦ってた入り口が一番酷い。」
よくみれば地面にも穴が無数に空いているし、轍のような跡も見える。
しかし1層目側があるラインを境に痕跡が全く違っているのに気づいた。
「それは魔物の死体を土嚢のように重ねて侵攻ルートを狭めたとこだな。」
「ああ、だから地面が荒れてないのか…うん?」
「どうした?」
「いや、なんでもない。」
狭めたとして、勢いは変わらない…むしろさらに流れが強くなると思ったが、上からも迎撃と言っていたのを思い出したのだ。
つまり魔物の死体の上に乗って攻撃をしたのも居るということだ。
どんだけ過酷だったんだ。
「ここでの戦闘での苦労は酒場で大ボラ吹いてる連中に聞くと良い。
話半分にすれば大体合ってるだろうぜ。」
「それなら嫌というほど聞かされましたよ。」
「だろうとも。前線は司令部の役目がどれだけ重要かを考えなくても良いからな。」
「じゃあ司令部は前線を考えてないと?」
「そうは言ってねえだろ。武勇伝喋くって良い気分に浸れる脳筋は前線で剣振り回してりゃ良いって話だよ。」
「よくわからん。」
「ハッ。2層目入り口まで突破されたときから南方軍が来るまでの間、誰がメシ作ってくれたか。誰が予備の武器を揃えたか。そういった事を考えれば司令部は数字だけ追っかけてたなんて、口が裂けても言えるもんか。」
「そういうもんか。」
「そう。そういうもんだ。」
利き手の格差は何処にでもある。改札口のIC読み取りとかなッ




