1.デッサ帰還
ミアー卿からもたらされた情報、状態魔法がこめられた魔道具。
何をどこまで見れるようになるのかは知らないが、是非とも鑑定しておきたい。
ロフラート家の別館が竣工するまで居るつもりはないが、資材確保の仕事がまだ残っているのですぐに領都デッサには戻れない。
「なに、これだけの目玉商品だ。新聞に載るだろうし、輸送にも時間が掛かるだろうよ。」
というロフラート家当主からの言葉で冷静さを取り戻した俺は、情報収集に努めることにした。
「そう言いつつ新聞読んでるだけだけどな〜。」
「なんの独り言だ?フロアタイル割れちまったんで人造大理石出してくれよ。」
「ああ、すまん。何センチ角だっけ?」
「300ミリだから30センチだな。6枚たのむ。」
サイズがわかってもどの柄かがわからないので現場に行って確認し、言われた枚数を出す。
「サンキュ。戻って良いぞ。」
待機場所に戻る。
最近はこの繰り返しだ。仕上げが近いということなんだろう。
仮置きしていた調度品などの開封作業が始まる頃にようやく解放された。
"仕入れ"での購入のために先払いで貰っていた資金は納品書と共にすべて返し、晴れてお役御免となったわけだ。
ミアー卿はこのまま竣工パーティーまで滞在すると言っていたので、
俺だけ領都デッサに戻ることになった。
帰りの列車は行きと同じく近郊用の各駅停車だ。
顔にエクスクラメーションマークが付く不幸や建築資材の商売といったイベントで
3ヶ月半ほど経ってしまっていたが、モールニヤ店長君は最強生物にいじめられていないだろうか。
「いじめられてはいませんよ。」
「じゃ何かされそうになったとか、未遂事件起こしたとか。」
「唐揚げを閉店間際に大量に作って廃棄品をわざと出す程度の悪事なら現在進行形でしてますけど。」
「あー。持って帰って晩飯のおかずにする気だな。オバタリアン(死語)らしい。」
「ええ。人気商品なので駆け込み注文に大半を持ってかれているので
そこまでの被害はありませんが。」
「うーん。生産制限かけるにも需要があるだけに厳しいしなぁ。
他の弁当も売れ残りは廃棄する前に持ってかれてるんだっけ?」
「はい。指示通りどの弁当にも必ず唐揚げを入れてますから。」
「それはしょうがないか。当面は現状維持で、廃棄の持ち帰りは個数制限をつけるように。」
「わかりました。」
廃棄弁当の持ち帰り制限でパートのおばちゃんから猛抗議が来たが、わざと廃棄品出すのは損害賠償になると言うとおとなしくなった。
自分たちが後ろめたいことをやっている自覚はあったんだろう。
目標まで残り3万文字…あと4話とすこし分のネタを考えないと




