2.見知らぬ、天井
おや、見知らぬ天井だ。
「また死んだのかな。」
なんという冗談を言ってる間に状況を確認せねば。
起き上がると漫画にあるような貴族の使いそうな豪奢な部屋に俺は居た。
「あいっててて。」
そういえば何か硬い物が頭に当たってたな。
部屋に置いてある姿見で自分とみると、顔面にエクスクラメーションマークが赤く付いている。
「…この形は靴のハイヒールかな。ピンヒールじゃなくてよかった。」
丁度へこんでる部分が鼻の位置にあったため、鼻血は出なかったようだ。
「それにしてもきれいに当たったな。内出血起こして紫色になってるじゃないか。
明日になったらヤバい色になってそう。やだなぁ。」
「お目覚めになりましたか。」
「!!」
いつの間に部屋に入っていたのか、使用人らしき人がこちらを向いている。
「あっ…はい。…ここどこです?」
「ここはロフラート家の別邸でございます。」
ロフラート家?どういうことだ?
「ストラお嬢様の投げた靴に当たって倒れましたので、治療のためにお連れいたしました。」
異世界のお嬢様は靴投げるんか。
「いや、おかしいでしょ。人の往来がある道で靴が飛んでくるの。」
「まことに、ごもっともでございます。」
「まったく…こんな綺麗に跡が付けちゃって。」
「そのことなのですが、完治するまでこの屋敷にご逗留なさっては如何かと、ロフラート家当主より提案を頂いております。」
「…そうだな、じゃあそうさせてもらうよ。」
「かしこまりました。」
ここは(おそらく)ロフラート家所有の屋敷で、俺はお嬢さまの投げた靴当たって倒れたという事以外
状況がわからないが宿代はしばらく考えなくて良さそうだ。
夕方、ロフラート家当主に夕食の招待をされたので受けた。
「娘がすまないことをした。この通り謝罪する。」
平民に対する貴族らしく頭は下げないが、これでも最大限の礼をしているのだと思う。
「いったいどうして靴を投げる事態になったんです?」
「うむ…ここ最近のニュースは知ってるかね?」
「お家騒動で最近まで封鎖していた程度ですが。」
「十分だ。騒動は相手の敗北で終わったのだが、結果として娘としていた約束を破ることになってしまってな。」
「約束?」
「ああ、別館を建てるという約束をしていたんだ。」
どんだけ金持ちなんだコイツ。
「建築に封鎖…資材不足で工事が進んでない感じですか。」
「ほぼ正解だ。御用商人にかき集めさせているのだが芳しくなくてな。」
「そりゃあ、遠い地へ物資を買い付けるのは時間が足りませんし、リスクがありますからねぇ。」
どうしたものかと、お手上げポーズをするロフラート家当主。
「君に靴が当たったのも何かの縁だ。良い解決方法があれば聞くぞ?」
「うーん。ないこともないのですが、その御用商人と相談させてもらえますか?」
「いいだろう。」
丁寧語・謙譲語・尊敬語。入り乱れてぐっちゃぐちゃ




