7.その後の弁当屋
精肉卸の「肉のコッカトライス」が今まで肉の廃棄を依頼していたという業者を訪ねる。
「鶏肉?ああ、飼料にしてたよ。」
言われれば確かに元の世界でも再利用してたな。
俺が動画で見たことあるのは人間の食べ残しとかを豚の飼料にする事業だったか。
「そうなると仕入れ先を潰してしまったことになりますが大丈夫ですかね。」
「なに。その分食べ残しが増えるし、最近魚の方が多く流れてきてるんだ。問題ないよ。」
「それならよかった。」
そんなわけないだろ、あの量を毎日だぞ。と思いながら当たり障りのない会話を続けた。
「そこまで心配する必要はありません。」
モールニヤ店長君に怒られた。
「聖人じゃないんだから、そんなとこまで考えなくて良いです。
それよりも貴族様が毎日のように弁当屋を訪れるのをなんとかしてください。」
貴族様?
「ミアー卿本人が来てるの?」
「いえ、誰かは不明ですが明らかに生地の良い平民風の服を着た方や
行列を無視して名乗り出る方がいらっしゃいます。」
「ありゃまぁ。」
それはそれで問題だな。事件が起きたら俺の責任にされかねない。
「しょうがない。ミアー卿に相談して対処することにするよ。」
「本当にお願いしますね?」
「…と言うことで、どうすれば良いのかお知恵を拝借したく。」
おなじみミアー卿邸宅である。
手土産に山盛りの唐揚げを持って行き頭をヘコヘコ下げる。
「むぅ…手土産まで持ってこられてしまったら話を聞かんわけにはいかんではないか。
それでこの唐揚げだったな。お前はどうしたいのだ?」
「他の食事と同じです。
貴族は貴族の厨房で、平民は平民の厨房で調理したものを食して頂きたい。」
「発祥の店舗で食べてみたいという者もいるぞ?」
「しかし平民が怖がって近づかなくなり、潰れてしまいますよ。」
「ならば配達しかなかろう。」
「配達ですか…油の調整が必要になりますね。
ああ、そうそう。レシピはミアー卿にお渡ししますので好きにお使いください。」
「ほう?私にこれを広めろと?」
「何かの見返りとして教えるならば武器になるかもしれませんが、
自分が理解できる範疇を超えていますので、使い方はお任せいたします。」
「言ったな。よろしい、引き受けてやろう。」
こうして店舗に来る貴族の数を減らすことに成功した弁当屋は
日々行列の出来る繁盛店としてデッサの名物となった。
物語が見るに堪えないレベルでなければ評価をお願いします。




