3.パートのおばちゃん
モールニヤ店長君がまーだ悩んでいる。
「ぶっちゃけ仕入れのリクエストと情報連携、
それに仕入れ価格以上の値付け保証、あとは現金輸送さえ担当してくれりゃ
店番を他の奴にやらせてもかまわん。」
「…とんでもない特権ですね。」
「そのかわり店の維持管理という責任はある。売れるようにする努力とかもな。」
「…わかりました。どうせ行く当ても無い。
本当においしい役どころか確かめるために引き受けましょう。」
「そかそか。よく言った。俺は店の立ち上げまではここに居るから
頑張って店を盛り上げてくれ。」
「ええ、獣人も雇って良いんですね?」
「売れりゃ何でも。」
そんな感じで俺、ハサマとモールニヤの間で取引の契約が締結したのだった。
一仕事終えた俺は翌日、グルメ貴族の邸宅に向かった。
本人は不在だったが、使用人の責任者に店舗開設の事を伝え、そのまま辞した。
宿への帰り際、店舗を見るとすでに何人かを雇い入れたらしく、
ケモ度様々な獣人が働いていた。
「結局アレは裏稼業になったようだが表向きは何をやるつもりなんだ?」
ちょっと気になって店舗2階の店長室に行く。
「モールニヤ店長君、1階の店は何屋をやるつもりなんだ?」
「弁当屋です。」
「弁当屋?毛が入るとか言われないか?」
「一部の人からは言われますけどね。
毛が飛ばないようにする防護服を商業ギルドで扱ってるので、それを使います。」
「あ、やっぱ言われるのか。まあ、売り場とキッチンがちゃんとされてれば大丈夫かな。」
「キッチンも外から見えるように改装していますよ。
安心というのは見ないとわからないものですからね。」
本当に優秀な奴だ。
「それに売り場には最終兵器を使います。」
「最終兵器?」
「物怖じしないオバチャンです。」
「ぅーわ。それは最強だ。」
だがパートのおばちゃんは上手く制御できないとお局になって牙をむくけど大丈夫かな。
とりあえずの試作品を数日内に作ると言うことで、
材料を"商品棚《シェルフ》"に並べて店長室の隣に作った倉庫に固定する。
そこから店の冷蔵庫なり本当の倉庫なりに入れてから使用するのだ。
「あ、唐揚げの鶏がないな。」
「鶏肉ですか?唐揚げが何かは知りませんが、なくても問題ないのでは?」
「いや、弁当には唐揚げと相場が決まってるんだ。これは確保しに行かねばなるまい。」
天ぷらはあるのに唐揚げがない世界




