2.嵌められた感
テーブルに乗っているのはシャケ、鱒、サーモン、トラウト、鮭。同じやないかい。
マリューボの特産がこのサーモントラウトなのだそうだが、色味が赤すぎる。
なんでも異世界のオキアミが真っ赤だからだというが、ビーツかというくらいの赤さだ。
怖くなったので鑑定するのだが、どれも"毒なし、美味"と出るので目をつぶって食べる。
「濃ッ。でも美味い…。」
そして脂がヤバい。
アレか。元の世界で言うノルウェー産にあたるのか。南北の違いってだけで。
腹八分目にはちょっと足りないくらいになったので
泥下の蓮の団長らが座っている所に行く。
「お待たせしました。」
「やっときたか。ムグラー殿、彼が迷い人のハサマです。
ハサマ。この方はムグラー殿。大変な美食家であるミアー卿と懇意にしていらっしゃる商会長だ。」
「話は聞いておりますぞ、ハリコの山菜を非常に鮮度の高い状態でお持ちだとか。」
「え、ええ。」
自己紹介する間もなく本題を切り出される。
なにか切羽詰まっているとでもいうのだろうか。
「単刀直入に申しますと、話が本当であればあなたの持ってきた商品を買い取りたい。」
「…この街は許可制では?」
「商人間の取引までは禁じられていません。
許可制なのは街の物価をコントロールするためですから。」
このおっさん相場操作側の人物か…厄介の予感しかしない。
「…まずはモノを見てからにしませんか?」
「それもそうですな。いやいや、急かしてしまい申し訳ない。」
そういって泥下の蓮の団長達と共に別室に案内される。
防諜設備らしきものがあちこちにある部屋に着き、"不可視の商品棚"の起動を促される。
どうやら能力はある程度バレている様だ。まあ、道中で特に隠してなかったし当然か。
どうせバレてるならばと堂々と"商品棚"を起動し、商品を陳列する。
「これらが俺の仕入れた商品になります。」
「!!これは…素晴らしい。」
ムグラーのおっさんが目をむき、商品を手に取る。
仕入れた当時そのままの商品だ。おまけに鑑定を使ってるので質も良い。
「是非!是非この品を買い取らせて頂きたい!」
肩に手を置きぐわんぐわん揺すってくるおっさん。
ちょ、首折れるからヤメテ…
スーパーで売ってるサーモントラウトってどっちを指すんでしょうねぇ




