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「フン・・・貴様を始末するのは後だ。仲間が殺される所を大人しく眺めているが良い」
「主様ぁ!」
床に転がる俺を奴は蹴り飛ばし、中を舞う俺をライラが受け止めアレスの背後に隠れると、俺はステータスを確認して念話で指示を飛ばした。
ライラが俺の中から予備の剣を取り出し、アレスにも予備の刀を渡す。
俯いた状態で刀を受け取ったアレスの全身が怒りで震え、その身が徐々に紅に染まって行く。
「・・・・・貴様ぁ!我等が主を足蹴にするとは何事だ!許さん!貴様だけは許さんぞおおぉぉぉ!」
アレスは全身から炎の様に魔力を噴き出しながら刀を抜き放つと、鞘を捨てて大上段に構えた。
「ハッ!・・・貴様等の攻撃など効かぬと言う事がまだ解っていない様だな」
「知った事か!我等が怒りその身に刻むが良い!キエエエェェェ!」
言い終わると同時にタニアの矢が放たれ、アレスが奴に飛び込み怒りに任せ刀を振り降ろす。
アレスの背後に付いて来ていたライラがアレスの左足元から飛び出し、奴の右脇腹目掛けて剣を振るうと同時にアレスの頭上から箱が奴を襲った。
奴は身動き一つせず、アレスとライラの攻撃など気にも留めずに頭上から襲ってきた箱を手に取った。
「ハハハ!何のつもりだ?!貴様の体当たりなどが効くとでも思ったのか?!フハハハ・・・・・な、何だこれは!か、鞄・・・なのか・・・・・何っ!うおおぉぉ!なっ!どう言う事だ!貴様!何故そこに!・・・グアァ!何故スキルを使える!くっ、離せ!離せえええぇぇぇ!」
(・・・ククククク・・・・・ハハハハハ!ナイスリアクションだ!ハハハハハ!おっと逃がさねぇよ・・・・・流石に抵抗が激しいな・・・だが少しずつでも吸収出来る・・・ククク・・・流石は神を名乗る事だけはある・・・素晴らしい力だ!これなら直ぐに元に戻れそうだぜ!ハハハハハ!)
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時は少し遡り、パンドラが神に蹴り飛ばされ、ライラに受け止められてアレスの後ろに隠れた所からパンドラ達の念話込みでどうぞ。
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(ライラ、予備の刀をアレスに。木箱に戻されたのは予定外だが他は何も問題はない。事前の打ち合わせ通り奴を嵌めるぞ)
(はい、アレスさん予備の刀。アレスさんの演技次第だからがんばってね)
(フッ・・・任せて下され。この時の為にハンスの村の皆の前で練習し、自然に出来る様皆に演技指導もして貰ったのだ・・・・・では、参る!)
「・・・・・貴様ぁ!我等が主を足蹴にするとは何事だ!許さん!貴様だけは許さんぞおおぉぉぉ!」
(おお~!派手だなアレス!かっこいいぞ~!)
(あはははは!アレスさんやりすぎ!)
「ハッ!・・・貴様等の攻撃など効かぬと言う事がまだ解っていない様だな」
(ちょっ!完全に騙されてますよあの人!プッ!・・・ククククク・・・やだもう・・・アハハハハ!)
(こんな所に引き篭ってるから世間ずれしてねぇんだよ。ブハハハハ!)
「知った事か!我等が怒りその身に刻むが良い!キエエエェェェ!」
(良ぉ~し!アレスには主演男優賞をやろう!ライラ!後は頼むぜ!・・・・・よっしゃぁ!ナイスポジション!此処からは俺のターンだぁ!)
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まぁそんな感じでアレスとライラの活躍により、奴の背後から全身を靄で囲んで逃げられない様に拘束する事に成功した訳だ。
因みに投げたのはライラに作ってあげた鞄と同じ物で、木箱に戻されなかった時はアレスの後ろで擬態して宝箱になり、ライラに運んで貰う予定だった。
「グアァ!何故だ!何故スキルが使える!ガハッ!何故私の力で闇が祓えんのだ!グアアァァァ!」
(おーいアレス、俺はもう暫く話せないから、お前が説明してやってくれ。こう、思いっきり馬鹿にした感じで)
(ふむ・・・以前『試験場』に居たバルダーとか言う奴に主殿が取った態度辺りで宜しいでしょうか)
(おお、懐かしいな。そんな間抜けも居たっけ。まぁそれで良いぞ)
(では・・・)「・・・ふぅ・・・・・やれやれ、そんな事も解らん癖に神を名乗るとは恥を知るが良い。自分で言っていたであろう?『システム』で創られた物はと、なれば『システム』で創られた物で無い事位解らぬのか?」
(ブッ!ハハハハハ!良いぞアレス!最高だ!その斜め上から見下ろす蔑んだ感じの目が最高だ!ハハハハハ!!)
奴の力を吸収し続け、俺の力が奴の防御と並ぶと身体が変化して行った。
(来た来た来たぁ~!いよいよ人型に戻れるぜ!)
靄で奴を拘束したまま俺の身体が光り人型を成して行く。
人型に成った俺は、奴の後頭部を右手で掴んで持ち上げると更に吸収して行った。
「・・・・・な・・・何故だ・・・・・何故・・・・・・・・」
「・・・教えてやるよ・・・この力は俺の魂が作り出したもんなんだよ・・・・・てめえを倒す為にな!!」
やがて奴との力量は逆転し、奴の抵抗は全く意味が無くなると、その姿は徐々に小さく成って行く。
そして遂に奴の姿は消え、掴んでいた掌の中には柘榴の様な赤い石が残されていた。
「主様!」「主殿!」「ご主人様!」
俺は三人の呼ぶ声の方へと向いて、残された赤い石を人差し指と親指で摘んで顔の横に持って行くと笑顔で答えた。
「見ろ!遂にやったぜ!これもお前達のお陰だ!有難うな!!」
「「「いえ、服を着て下さい」」」
「あ、はい」
収納から服を出して着た後、奴が『工房』と呼んだこの空間を『システム』ごと取り込み、三人を連れてベルトラン王国へと転移した。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




