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ハンスを送り届けた後、開拓地に飛ぶと魔の森はすっかり無くなっていた。

先行して送った入植者や家畜達にも問題なく、アレスとタニアとも仲良くしていて驚いた。

事前説明はしていたが、ここまで受け入れられたのは二人の人柄のお陰だと思う。


「主殿、倒した魔物と木材、それにこの数日で取れた卵と牛乳も此方に入れておきました」


「ご苦労だったな二人共。悪いが魔物がまだ襲って来るかもしれないからもう暫く頼む。何か不足は無いか?」


「はい!はい!ご主人様の愛が足りません!」


タニアのアホな発言を無視して収納から巨大な鉄の箱を出し、アレス達の家の横に設置する。


「こいつの中には転移陣が有る。行き先はハンス商会だ。アレス、お前にこいつの鍵を渡しとくからここの住人が王都に出かけたい時は開けてやってくれ」


「なるほど、農村に居ながら王都並みの生活が出来る様にとの配慮ですな。流石は主殿です」


「うぅ・・・・・ご主人様ぁせめてご褒美を下さいよぅ」


「ここが一段落したら何かやるからそれまで我慢しろ。それじゃ後は頼んだぞ」


そう言ってハンス商会に飛び、裏庭に同じ物を設置してハンスに鍵を渡して入植者を集める様に告げるとホレスが地図と図面を渡してきた。


「これが入植者達の家と農地の配置になります。後、出来れば水路や溜池の方も用意して頂けると助かるのですが」


「なるほどな・・・水路が有れば直ぐに農作業に移れるだろうしアレスにやらせてみるよ。上手く行かなかったらそっちで頼む」


また開拓地に飛んでホレスから渡された地図を見ながら作っておいた家を配置。アレスに水路と溜池の図面を見せて上手く行かない時は無理にやら無い様にと言い聞かせて出店予定地に飛び、募集看板を片付けて新しい看板を立てた。


[    元聖堂騎士団 玄田 武士    ] 

[     店長就任及び開店記念     ]

[ 開店前日の早朝に事前販売を行ないます ]

[  開店は五日後となっておりますので  ]

[  皆様お誘い合わせの上お越し下さい  ]

[   雑貨と軽食の店 パンドラの箱   ]


これで当日を待つばかりだと立て看板を眺めていると集まってきた人の中から一人の男が声を掛けてきた。


「お、おい、兄ちゃん。五日後に開店って店も無いのにどうすんだ?更地に台でも置いてやる気かよ」


「ははは・・・まさか、そんな訳あるかよ。ちゃんと立派な店を用意してあるし、見た事も無い様な商品も沢山準備出来てるぜ。それではお集まりの皆様!四日後の早朝をお楽しみに!」


そう言って王城北門前に転移し門番に無理やりジェラルドに取り次がせ城内に入り、ジェラルドに海水から取った塩の入った収納袋を渡した。


「その袋ごとやるから盗まれない様にな。後四日後の早朝に開店記念の事前販売をやる。かなりの人が来るだろうから衛兵を十人程送って欲しい。あ、エリクと妹が来たから受け入れる用意も頼むぜ」


「おお!漸く来たか!これで何時でも唐揚げが・・・・・して、何時頃我が家に?」


「塩よりそっちかよ!仕事優先にしろよ!まったく・・・・・一杯行っとくか?」


「あ、いや、塩の事はパンドラ殿を信用しているのでな・・・・・うむ、確認の必要は無いのだ。衛兵の事も手配しておくぞ」


「エリクの件は一通り料理を教えたらあんたの家に送るから誰でも解るようにしとけ。それと妹にも仕事を与えてくれると助かる」


「うむ、その心配は要らんぞ。二人共大事に扱うと約束する」


「なら良いか・・・・・ああ、明日聖都に入って教皇との交渉に入る。以前も言ったが最悪の場合は大聖堂ごと消す事になる。その後各国や残された教会がどう出るか解らんから情報は出来るだけ手に入れる様に。それじゃぁな」


「諜報部員を増やさねばならんか・・・・・何とかしよう。明日の会談の結果、楽しみにしている」


ジェラルドと別れガーランド家に帰り、明日の会談に向けて対策を練りつつ商品を作り続けた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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