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遅くなってすみません。
先ず魔法の定義を考えてみた。
魔法とは『魔力を消費してあらゆる現象を起こす事』と定義してみる。だとすれば魔力を感じ、操作して初めて魔法が使える様になる・・・筈・・・・・
魔力を感じるにあたって、自分のスキルで魔力を消費する物を使って消費する魔力を感じ、それを操作する方向で行こうと思う。
先ずは次元収納・・・・・消費してるのかしてないのか殆んど解らなかった。
次にお宝製造・・・・・消費しているが殆んど感じない。
最後に擬態なんだが箱になると服が脱げるよな・・・・・更に人型に戻ると全裸だよな・・・・・外でやると何か露出狂みたいなので屋内でやる事にした。
一階の空き部屋に入り、木の板で作った衝立で自分の周りを囲んで擬態の使用と解除を繰り返す。魔力の流れを感じながら擬態の速度を調整出来ないか試した。100回を超えた辺りから徐々に頭がボーっとして身体がだるくなって来た。これって魔力欠乏症とかって奴か?と擬態を解除し服を着た所で二人が帰って来た。危ない危ない。
食事を取りながら水汲みの進捗を聞いたが芳しくない。
「主殿申し訳ない、我が不甲斐ないばかりに・・・・・」
「気にすんな。真面目にやってんならしょうがないだろ」
「主様は何してたんですか?」
「俺は魔法が使える様にならないかと思って色々試してんだ。現状俺達は遠距離攻撃の手段を持ってないだろ?投擲は有るけど出来れば範囲攻撃が欲しくてなぁ」
食事を終えて二人は水汲みを再開し、俺は魔法の訓練に戻りひたすら擬態を繰り返す。なかなか上手く行かないが今はこれしか手が無いのでひたすら魔力欠乏ギリギリまで続けた。
床の上に仰向けに転がり、目を瞑って自分の体の内側に意識を向けて魔力を感じる。全身を流れる血液とは違った流れ、俺の力の根源たる闇の塊が鳩尾辺りに有るのを感じた。
暫くそうして居ると何やら外が騒がしくなり、金属を打ち合う音が聞こえてきた。
「敵襲か!?油断し過ぎた!」
俺は飛び起きて部屋の窓から外を見ると、広場への出入り口から鎧を着て剣を持った骸骨が続々と押し寄せていて、ライラとアレスが迎え撃っていた。
「馬鹿野郎!何で直ぐ俺を呼ばなかった!」
「この程度の敵、主殿は不要!」「主様は休んでて下さい!」
俺は急いで外に出て家を次元収納に仕舞いながら二人に指示を飛ばした。
「その程度の敵がこの辺に居る訳ねえだろ!そいつら操ってる奴が居るんだよ!アレスが前、ライラはアレスの補助だ!囲まれない様に少しずつ下がれ!直ぐ行く!」
二人が下がり始め俺が走り出すと、出入り口からローブを着て杖を持った骸骨が数体出てきた。
「やべぇ!魔法使いだ!的を絞らせるな!散開して各個撃破!」
俺の指示と略同時に魔法使い達の杖の先に魔法陣が描かれ、次の瞬間魔方陣から直径20cm程の火の玉が二人に向かって飛んで行った。
ライラは難なく交わして居たが、アレスは交わし切れず剣の腹で受けながら骸骨剣士の相手をしていて徐々に押され始めた。
「アレス!足を止めるな!今数を減らす!」
俺は骸骨剣士の群れに突っ込んで行き、次々と靄で取り込みながら捌き切れない敵は拳と蹴りで倒しつつ魔法使いに向かって行った。
骸骨剣士達の群れの中心で靄を全力展開して一気に数を減らし、飛んで来る魔法を交わしつつ間合いを詰めようとした所で状況が変わる。
魔法使いを守る様に剣士が移動し始め、俺の前進を阻み魔法の集中砲火が始まった。
魔方陣から次々と打ち出される魔法を靄で吸収し、苦戦しつつも前に進んで行くと出入り口からそいつは現れた。
金色の刺繍の施された漆黒のローブを纏い、拳大の髑髏を象った水晶の填まった杖を持つ一回り大きな骸骨。明らかに上位の存在と解るそいつは眼窩に赤く光る目を俺に向けた。
「ワイト?いや、リッチか?」
俺の言葉に耳を貸さずにそいつは骸骨達に指示を出した。
「物共下がるが良い。そ奴は我が殺るとしよう」
骸骨剣士達が下がりボス骸骨が杖を掲げると、頭上に直径3mの魔法陣が描かれ巨大な炎弾が放たれた。
俺は回避不可と判断し、即座に靄を展開して炎弾を受け止め分解、吸収した。
「こんの野郎・・・やってくれんじゃねぇか!覚悟は出来てんだろうなぁ!」
「カカカ・・・なかなか威勢の良い小僧じゃな。じゃが・・・何時までそれが持つかな・・・カカカカカ・・・そなた等は他の二人をやれ」
剣士と魔法使いが二手に分かれてライラとアレスに襲い掛かるが、俺はボス骸骨を見据えて動かなかった。
「良いのか仲間を助けんで・・・尤、そのような隙我が与えんがな・・・カカカカカ」
「数さえ減りゃぁ何とでもなんだよ阿呆が・・・ライラ!アレス!生きる事を最優先にしろ!逃げてかまわん!」
俺の言葉に返事をして、残った林の方に下がりながら戦う二人に安堵しながらボス骸骨に一歩ずつ近寄る。
「さて、後はお前さんを倒せば俺達の勝ちだな・・・ククク・・・俺達に喧嘩売った事後悔するがいい!!」
そう言い放ち一瞬で間合いを詰めた俺の右回し蹴りがボス骸骨の側頭部を捉えたが効いた様子も無く、杖を横凪に払って来たのでバックステップで交わした。
「カカカカカ・・・高位の霊体である我にその様な攻撃が効く物か」
「ちっ、嬲り殺しにする積もりだったんだが・・・しかたねぇ・・・・・こいつはどうだ!」
俺は全力で靄を出しボス骸骨を包むが、分解はおろか拘束すら出来ず反撃の炎弾を左掌で受けてしまった。
掌の火傷は自動修復で直ぐに治ったが状況は芳しくなかった。
「カカカ・・・闇属性攻撃なぞ効くものか!我は冥府の王ぞ!」
ボス骸骨が杖を頭上に掲げ左右に振ると、二十にも及ぶ魔法陣が周囲に展開し次々と高速の炎弾が打ち出され防戦一方となった。
炎弾を交わし、吸収しながら打開策を模索する。何か奴に通用する武器は・・・残りの聖水で作るか・・・・・いや、もっと奴の根源を断ち切る何かを・・・・・靄を付与した様に次元収納を付与出来れば・・・・・
俺は予備で取って置いたライラとアレスの剣をインゴットに戻しイメージを固め、お宝製造を発動するとスキルの補正が入り形を成して行った。
「この世の全てを断ち切り次元の狭間へ誘う究極の刀を我が手に!!」
お宝製造により作り出された一本の刀が目の前に現れる。全長130cm靄で漆黒に染められた鞘の中程を左手で掴み腰溜めに構え右手を柄に添えた。
「血迷ったか!我に斬撃など効かぬわ!」
ボス骸骨が両腕を広げると奴の正面に魔法陣が展開され魔力が満たされていく。
「これで仕舞いじゃ!消し炭になるが良い!」
魔方陣に魔力が満たされ、放たれた光が俺を飲み込んで行く。白く染まる視界の中全身を靄で包み光を吸収しながら間合いを詰めて行った。やがて光が消え、視界が戻ると目の前に驚愕の表情をした骸骨が居た。
「ま、まさか我が最強の術を破ったと言うのか!?」
「・・・・・消えろ」
俺はそう呟くと同時に刀を抜き放った。
キンッと言う音と共に鞘から抜き放たれた黒銀色の刀身が骸骨の右脇腹から左肩口へと抜け、骸骨に触れた刀の軌道上の空間に亀裂が走り骸骨を吸い込んで行く。
「な、何だこれは!貴様ぁ!何をしたぁ!!」
「うるせぇんだよ・・・とっとと消えろ・・・・・」
振り上げた刀を骸骨の頭から真っ直ぐに振り下ろし両断した。
骸骨を吸い込んだ亀裂が塞がるのを確認した後に奴が持っていた杖を回収し、刀を腰に下げるとライラとアレスを追って林の中に入る。
バラバラになった骨や装備が彼方此方に転がっていて探すのは思ったよりも簡単だった。
「主様~こっちで~す」とライラの呼ぶ声が聞こえた方へと向かうと、少し開けた所に沢山木が倒れていて、その略中央に二人が座っていた。
「おう、ご苦労さん。二人共戴した怪我はなさそうだな」
「主殿、我の軽率な行動でご迷惑をお掛けして申し訳なかった」
「主様ごめんなさい・・・・・」
「終わった事だ切り替えて行こうぜ。俺も含めて良い経験になったし、あいつ等のお陰で金属資材が大量に手に入る訳だしな」
「なるほど」と頷く二人を連れて林の中に散らばる骨と装備品を回収して回った後に出入り口付近で家を出して休憩をした。
ここまで読んでいただき有難う御座います。




