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我武者等 2
スッーー
その時、突然首もとにひやりとした冷たい物が当たりました。
背後には、まるで陰のようにぴたりとくっついた人影。
そんな事を茂にできる人物は多くありません。
「…隼…か…?」
隼とは、茂が一番信頼を寄せる無二の親友でありました。
しかし、それは違うと直ぐにわかりました。
喉元に突きつけられた短剣であろう鋭い物に、
気をつけながら言葉を発する茂。
横目で見た限り、外見は隼のよう・・・。
しかし、茂は躊躇うことなく懐から自分の短剣を出し、
背後の人物の首もとに向けました。
「…何のつもりだ?
俺がお前と隼を間違えると思ったか…?」
ふふっと鼻で笑うと、
次の瞬間、後ろの人物の腕からすり抜け、
向き合った形で相手の喉元に短剣の先を突きつけました。
それと同時に短剣の転がる音が響きます。
「隼はそんな汚いことはしない。
俺に何のようだ?
光政…。」
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