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タカシ・ファンタジー  作者: zaq2
EP5:アヤカシふぁんたじぃ
28/34

('A`):また|疫病神《アイツ》案件か……

 前略




 タカシです。




 "渡るぞ"と言われるがまま、連れられてきた所といえば、逃げ込んだ本堂の中という場所でした。


 そして、いままでの様な嫌な予感という感覚よりもさらに酷い、鋭い寒気みたいなものが、扉の向こう側から一方的に漂っているのを感じていました。


 他に変わった事は?と思いつつ、建屋の中の周囲を見渡しても、これと言って変わったものは……ありました。


 大きな違いがあるとするなら、自分の手の内に刀剣の類でいうところの、柄みたいな物が握られいるぐらいで、これはこれでとおいておき、他には?と周りを観察していると、




 "早う我を手に取らぬか、穢れがこれ以上広がる前に、比良坂へ還せねばならんのだからな"




 唐突に、あの凛とした人の声が聞こえてきました。

 また、その声が聞こえるたびにその柄が震えている様な……


 まさかと思っては、その柄をじっくりと観ていると、今度ははっきりとした声が聞こえてきました。



 "何の為に稽古をつけたと思うておる。この為の時ぞ"



 と言われたとたん、急にその柄に引っ張られるかのように、鋭い寒気がする方向へと向かわせる形になったかと思えば、いきなり外へと放りだされてしまいました。


 かなり派手な音がしたのか、寒気がした方、つまりは見た目がどうみても餓鬼な存在がこちらに気づいたのか、変な奇声をあげながら走ってきました。ので、




 ダッシュで逃げました。




 境内にある社回りを一周する、という恰好でしょうか?とにかく走ってその場から逃げる格好にしました。



 そうして、餓鬼?らしき物と、社を何周かしてると再び脳内に声が響いてきます。



 "逃げるな!この戯け(たわけ)が!"

 "我が一緒だと言っておろうが!!”

 "何のための稽古だったか!"



 と、そうは言われますが、刃も無く(つか)だけの代物でどうしろというのでしょうか?


 まさか、某"(スター)戦争(ウォーズ)"みたいに、スイッチ的な物が無いので、例えば、念じたりすれば光る刃が出てきたりとかするわけでも…‥‥




 薄緑色した光の刃が出ました。




 土器とかの時代っぽい長剣みたいな刀身が薄緑色に発光しながら。


 しかも、効果音が(スター)戦争(ウォーズ)と同じ"ヴォン"という感じで。


 "出ちゃったよ……"な状態になりながらも、とりあえず見つかりそうであったので、遁走(とんそう)を続けていると、




 "貴様、思った通り神通力(チカラ)を発揮できるではないか!なぜそれで逃げる!!"




 と、さらに脳内に響いてくる声が、より一層ヒートアップしてきます。


 そういわれても、相手は訳のわからない存在です。


 今まで経験したファンタジー世界の中でも経験したことのない、かなり異色な部類に区分けできます。

 そもそも、現実的な世界の中で存在している事自体が、絵空事の様にしか思えません。


 それに、これは和製ファンタジー的なものとしか思えませんし……

 あれです、女神様が転生するようなモノでもなかろうかと。


 そんな考えに至りながらも、その間にも一方的に頭の中に鳴り響いたかと思えば、



 "もうよい!卸す!貴様の身体を貸りるぞ!!我があ奴を"還して"やる"



 と言われた途端、身体から一切の自由が無くなり、餓鬼みたいな物と対峙してしまいました。


 視界ではっきり物をとらえているという状況で、身体が自分の意思で動かせれないというのは、かなり怖い体験をしていたのではと思います。



 迫りくる餓鬼(?)に対して刀を構え、相手の一撃を横にギリで避けては、みごとな右切り上げを一閃……



 ただ、その瞬間を無理やり見せつけられている分には、いささか心的なダメージが蓄積されるという問題があると思いました。


 切られた餓鬼?みたいな存在といえば、黒い粒子?粉塵?が霧散するかのように消えていきました。



 "終わったぞ?身体を還すが……うむ、大事な大事な身体には、傷一つつけておらんからな。安心するとよいぞ"



 と、何やら嬉しそうにしている感じの声が聞こえてきます。


 そうして、後は、先ほどの餓鬼?らしきモノが居たあたりに出向くと、何か、こう、タール?の様な黒い粘液みたいなものが地面に……



 "剣をその穢気に突き刺せい。それで仕舞じゃ"



 言われるがまま、たぶん、剣?をその黒いタールみたいなのに突き刺すと、黒い煙?となって消えていきました。


 そういえば、嫌な気配も消え去り、紫色っぽい空もいつの間にか青色の空へと変わっていました。



 そうして、とりあえずの大事は終わったとの説明をうけました。



 結局、何がどうなったか?と説明をうけてみると、比良坂の餓鬼が現是へと堕ちてき、現是から本来いるべき場所へと還すという形にしたそうです。


 そのために、切り付けて真っ二つにする行為が"黄泉へと還す"事に繋がるといわれましたが、何だか納得はいかないような、いくような……


 ついでに、あの凛とした人の名前を聞き忘れ続けていたので、何気に色々と聞いてみました。



 襲名と契りが成され、前職を辞しては、今は第参百伍十八代目のイツノオノハバリ(襲名)さんとの事で、"貴様《《だけ》》ならば、気安く「ハバリ」と呼べばよいぞ"だそうです。


 旧名は、襲名が決まった時点で、無くなってしまったとの事で、"昔の様に、そちらでは呼ばせれなくて、すまない……"とも言われましたが、旧名を思い出せないので何とも……



 ただ、そのあとに続いた言葉で、そんな思考がすべて吹き飛びました。



 "これからも、この様な事が起き続けると思うが、"還す"事をせねばならぬからな。今後ともよろしく頼むぞ。なに、儂が"りょはん"として憑いておるからの、一生安心せい。"









 ……えっ?



 コレって、続くの?





追伸

 ハバリさんから("さ、さっさと気安く呼ばんか"と何故か怒鳴られる)、さらに聞いた話なんですが、何でも、昨今、異界への門が彼方此方(あちらこちら)に発生し、有象無象の存在が流れ出たり、来られなくなってたりする事があるそうです。


 その影響で、こちら側の元々の界門が狂ってしまうとか何とかで、何とかしようとする一環として、ハバリさんと自分がその一つに選ばれたと。


 そして、何で自分が?というと、"その特異点のひとつ"という事だそうで、何かしらの影響が発生するからと、監視も含めて同伴されるとか何とか、そもそも、特異点と言われれば、疫病神(思い当たる節)がありすぎて……




('A`):また疫病神(アイツ)案件か……

転移判定:成功

獲得:第参百伍十八代目【伊都之尾羽張(イツノオノハバリ)

初めての共同作業(意味深):施餓鬼


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